
インドアサイクリングというジャンルが定着して数年が経ち、スマートトレーナーのハードウェアとしての進化は成熟の域に達している。計測精度や静音性といった基本性能は、どのブランドも行き着くところまで行った感があり、「この値段ならこのモデル」という正解はある程度固定されている。
その中で、2026年4月に代理店を通じて日本に上陸するCYCPLUS(サイクプラス)の『T7』は、その固定化した市場に新たな解を提示する。
Models / Masanaga & Anna
Text & Photo / Tats(@tats_lovecyclist)[PR]
スマートバイクがいい(スペースがあるなら)

「ホイールオン式」「ダイレクトドライブ式」「スマートバイク」という3つの形式がある室内トレーナーの中で、スマートバイクが最もストレスが少ないことは間違いない。
ほかの2つは、実車を載せ替える手間、汗によるフレームの腐食、ダンシング時のフレームへの負荷、チェーン駆動音など、気を遣う要素がいくつもある。

それらをすべて省いて、またがるだけですぐトレーニングを始められるのがスマートバイクだ。その手軽さは、インドアトレーニングの継続率にも直結する。
でもこれまでのスマートバイクは、設置スペースと価格が課題だった。トレーニング専用の場所が必要だし、ミドルグレードのロードバイク1台相当分の価格はなかなか手が届かない。
2026年4月現在、国内で展開されている主要なスマートバイクの選択肢は以下の通り。
国内展開スマートバイク5台比較
| CYCPLUS |
Zwift/Wahoo | Wahoo |
Tacx |
||
|---|---|---|---|---|---|
| モデル | ![]() T7 NEW |
![]() Zwift Ride with KICKR CORE 2 |
![]() KICKR BIKE SHIFT |
![]() KICKR BIKE |
![]() NEO Bike Plus |
| 最大出力 | 2200W | 2200W | 2200W | 2500W | 2200W |
| 勾配 | 20% | 16% | 20% | +20% / -15% | 25% |
| 計測精度 | ±1% | ±2% | ±1% | ±1% | ±1% |
| 駆動方式 | ベルトドライブ | チェーン駆動 | ベルトドライブ | ベルトドライブ | モーター駆動 |
| 設置面積 | 0.77㎡ | 約0.82㎡ | 約0.92㎡ | 約0.82㎡ | 約1.04㎡ |
| 重量 | 28.0kg | 35.4kg | 35.8kg | 42.0kg | 50.0kg |
| ポジション調整 | 工具不要 | 要工具 | 工具不要 | 工具不要 | 工具不要 |
| クランク長調整 | 150-175mm | 170mm固定 | 165-175mm | 165-175mm | 165-175mm |
| 税込価格 | ¥264,000 | ¥225,000 | ¥456,000 | ¥594,000 | ¥728,000 |
20万超えとはいえ、「T7」「Zwift Ride」のような低価格帯モデルの登場によって、スマートバイクは以前と比べてかなり身近な存在になっている。
こうしてエントリーモデルが出現すると、やることはインドアライドで変わらないのだが、ハイエンドモデルのスペックや付加価値と価格差が釣り合っていないとも感じるようにもなる。
だから予算がどれだけあっても、CYCPLUS T7やZwift Rideは選択肢に入るだろう。
そしてT7がちょうどいい

T7が際立つのは、ハイエンド機に引けを取らない基本性能があること、そして日本の住環境に親和性が高いことにある。
コンパクト、軽量、省スペース
スマートバイクの中で最も軽い28kgに抑えられていて、さくっとリビングの隅からトレーニングスペースへ移動させることができる。
脚を折りたたむことはできないので、使わないときはそのまま。ほかのスマートバイクと同様に、専用の設置スペースがあることが前提となる。
ただスマートバイクの中で最小の0.77㎡という設置面積は、一般的なヨガマット1枚分よりも小さい。集合住宅の限られた設置スペースにも収まりやすい。

女性でも持てる重量。前脚にキャスターもついているので移動もしやすい

タブレットやスマートフォンをコンパクトに置けるスタンドが付属する
驚異的な静音性
最も特筆すべきは静音性だった。T7の駆動方式は、チェーンではなくベルトドライブを採用している。うなるような中低音が発生するものの、音量自体は小さいので、どんなに強度を上げても、隣の部屋からは稼働していることに気づかない。変速をしても、ダイレクトドライブ式のようなチェーンの駆動音や振動が一切ないので、マンションでも気兼ねなく追い込むことができる。

チェーン駆動ではないので本当に静か
工具不要のポジション調整
サドル高、スタック、リーチなど主要なポジション調整が工具なしで完結する。各部に目盛りが刻まれているので、自分と家族の数値を覚えておけば、数十秒でそれぞれのポジションにセットできる。
自分のバイクのポジションを出したいときにも細かく調整できて便利。

←サドル高 | ↑リーチ |↓スタック
すべてレバーで開閉して調整できるため工具不要

付属するハンドルは400mm幅。幅は調整できないので、変更したいときはハンドル自体を変える必要がある
安定した走行感
車体は軽いものの、シッティング時のペダリング動作では負荷をかけても安定する。脚部もスタビライザーのような構造なので、(実走感というほどではないにせよ)ペダリングに合わせて車体がわずかに左右に揺れる。
基本的にスプリントでも安定しているが、あまりに急激に高負荷なダンシングをすると車体が動いてしまうので注意。それでもダイレクトドライブ式よりもはるかにもがきやすいので、室内トレーナーとしての要件は十分に満たしている。
ちゃんと追い込める安定感

付属のサドルはショートノーズ。合わなければ好みのサドルに変更してもいい

耐荷重は120kg
シフト操作とギア比の細かな設定
シフターはCYCPLUSアプリと連携して、シマノとSRAMの変則方法を選べるほか、52/36などのセミコンパクトから54/40まで、好みの仮想ギア比を設定できるので、自分のバイクのフィーリングと完全に揃えられる。
▼選択できるギア比
| シマノ | スラム | |
|---|---|---|
| フロント | 50/34、52/36、53/39、54/40 | 46/33、48/35、50/37 |
| リア | 11-30、11-34、11-36 | 10-28、10-30、10-33、10-36 |

クリック感良く変速動作もなめらか

現状の選択ギアや接続状況は、ダウンチューブに相当するところで確認できる
Zwift Rideとの違い

同価格帯で競合にあたるのが『Zwift Ride(¥225,000)』だが、Zwift Rideはダイレクトドライブ式のKICKR CORE 2に専用フレームがセットされたプロダクトなので、パワー計測精度、静音性、省スペース性、ポジション調整の柔軟性どれをとっても純スマートバイクの『T7(¥264,000)』に軍配が上がる。
あとは見た目の好みもあるだろうが、代理店のサポートが入った今は、T7を選ぶメリットの方が多いと感じられる。
許容すべきポイント
スペック表ではわからない部分で、理解しておくべきT7の特性がある。
クランク長設定の制約
クランク長は150〜175mmの範囲で変えられるが、150〜160mmに設定しようとすると、ペダル軸の裏側が塞がる構造になっている。そのため、アーレンキーで締め付けるタイプのペダルが使用できず、ペダルレンチを使用するタイプを選ぶ必要がある。

構造上150〜160mmの穴は裏側からアーレンキーが入らない
ペダルレンチを使用するタイプは、SPD-SLペダルだと105未満のグレードに限られるので(PD-R500 / PD-R550など)、もし短いクランク長にしたい場合はペダル選びに注意が必要となる。
ボトルケージの位置が微妙
ボトルケージは設置できるが、ほぼ水平に取り付けることになるため、キャップを閉じていないと中身が出てしまう。トレーニング中にいちいちキャップを締めるのは面倒なので、乗車中の水分補給のためには近くにテーブルがあった方が良い。

矢印がボトルケージを取り付ける位置となる
スマートバイクの基準を塗り替える



これまでのインドアトレーニングは、実車をいかに活用するかという機材の流用が前提だった。でも高価格化が進んで1台のロードバイクの価値が高くなった今、トレーニングによる消耗や落汗による腐食のリスクを実車に負わせるのは避けたい。
T7のようなスマートバイクは、ただの機材の追加ではない。メインバイクを外を走るための最高の状態に保ちながら、室内ではすぐトレーニングを開始できる24時間365日の最適な走行環境を手に入れるための投資とも言える。
T7の日本上陸は、単に安価な選択肢が増えたという事実以上に、これまで一部のサイクリストの特権だった「スマートバイクのある生活」を、あらゆるサイクリストの日常へと開放するきっかけとなる。



工具不要でポジション変更できるので、家族の健康を支える共有のフィットネス機器としても役立つ
*実店舗でお求めの際は、お近くのスポーツバイクショップにお問い合わせ下さい
著者情報
![]() |
Tats Shimizu(@tats_lovecyclist) 編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴12年。海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。同時にフォトグラファーとして国内外の自転車ブランドの撮影を多数手掛ける。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。 |
Models / Masanaga & Anna
Text & Photo / Tats(@tats_lovecyclist)
[PR]提供 / NCD株式会社





















