【2020年版】ベストロードバイク12選 – ハイエンドモデル購入ガイド

2020年ベストロードバイク12選

至高の1台を選び抜く。

ロードバイク1台目購入後、ホイール・コンポーネント・ハンドルなど一通りのパーツ交換が終わったとき、その車体は見違えるように格好良くなっていることと思います。ペットを飼い始めた子どもが一緒に成長して立派になっていくように、バイクも自分自身も大きく変化しているはず。

しかしその頃になると、上達したテニス部員が高価なラケットを母親にせびるように、サイクリストも次のステージを考えるときがやってきます。それがハイエンドモデルへの買い替え。

各メーカーのトップモデルはどれも魅力的なため、自分のための1台への絞り込みはとても難しいかもしれませんが、現在のトレンドから選択すべきモデルはある程度集約できます。

そこでトレンドを把握した上で、カテゴリを分けて12モデルをピックアップ。

またハイエンドバイクはコストを最も投じて開発されるバイクなので、各メーカーの設計思想が最も色濃く出るモデル。ミドルグレード以下はその特色が落とし込まれているため、エントリーモデルやミドルグレードを検討しているサイクリストにも、本稿を参考にしていただけると思います。

2020年のロードバイクトレンドを知る4つの観点

①エアロ、エアロ、エアロ

aeroiseverything

空気抵抗はどんなサイクリストに対しても平等に与えられる足かせ。たとえレースでの勝利を求めていなくても、空力に優れているということはあらゆるライドを確実に快適にしてくれることと同義です。

“エアロ元年”と呼ばれた2018年から時は経ち、もはや空力性能の追求はロードバイクにおける標準仕様と言えるほどになっています。

かつてのエアロロードが抱えていた“重くて乗り心地が悪い”という問題は、ここ2〜3年の進化によって軽量で乗りやすいバイクへと変わりました。

つまり、(軽量・エアロ・エンデュランスに大別されるロードバイクの中で)エアロ以外のカテゴリでもほとんどのバイクが空力性能を強化しているのが現状。アルミフレームでさえエアロチュービングが見られるようになっています。

②基本的にはディスクブレーキモデル

S-works Roubaix タイヤ&ホイール

2年ほど前は飽きるほど聞かされたディスクブレーキ化とその是非の論争ですが、すでにほとんどのハイエンドフレームはディスクブレーキ対応モデルに切り替わったように、その決着はつきました。

ただし、ディスク用フレームはフォークの非対称性や剛性などからリム用と設計がまったく違うものになってしまうため、ホイールやコンポーネントを含めったトータルパッケージでバランスの良いモデルを出すメーカーはまだ限られています。だから現状は、ディスクモデルを完成車として販売している大手総合メーカーが優位。

それを踏まえると、成熟したリムブレーキモデルを今入手するという選択肢もひとつにはあるかもしれません。

③次第にオールロードに寄っていく

2017年頃から出始めた「グラベルロード」というジャンルの名付け方は、未舗装路が少ない日本にとって良いマーケティングとは言えません。古びた林道を走ることになったとしても、そこにアクセスするための長い道のりはとても整備された綺麗な路面。

つまりグラベルだけを走ることを目的としたバイクは、それほどマーケット側が求めていないということ。

そういった背景もあってか、グラベルロードでも舗装路の走行性能を重視したり、エンデュランスロードが未舗装路の走破力を高めるようにしたりと、1台で何でもできるオールロードモデルが増加傾向にあります。

こうしてグラベルロードとエンデュランスロードがお互いに歩み寄るかたちになり、さらにエアロも一般化していることで、従来のエアロモデル・軽量モデル・エンデュランスモデル・グラベルモデルというカテゴリ別の役割がクロスオーバーするようになっています。

これはディスクブレーキ化によって広いタイヤクリアランスを備えられるようになったことが大きく、つまりディスク化は制動力だけの問題ではなく、ワイドタイヤによる安定性・快適性・滑らかさでロードバイクのポテンシャルを大幅に広げる規格だということを知る必要があります。

④より高価なパッケージ売りが主流に

SpecializedがS-Worksブランドで完成車100万超えバイクをリリースして以来、僕たちの金銭感覚は狂わされました。これに追随して1台1本以上する完成車がマーケットに数多く出回るようになり、そこがハイエンドバイクの相場感ではないかと思わされる事態に。

確かにリムブレーキユーザーがディスクブレーキモデルを導入するにあたっては、コンポーネントもホイールも買い直しが必要なので、完成車で買ってしまった方がお得なのは間違いありません。その心理を見透かすように、ディスクブレーキモデルのパッケージ商品は高値を更新し続けています。

これらのトレンドを踏まえつつ、カテゴリ別(エアロ・オールラウンド・オールロード・グラベルロード)に計12のバイクをピックアップしました。

 

1. “オールラウンダー”軽量ロードバイク

空力と軽さを携え、上りも平坦もこなせる3台のオールラウンド軽量バイクをピックアップ。

Cannondale – Supersix EVO Hi-Mod

Cannondale - Supersix Evo Hi-Mod

完成車価格 ¥720,000〜¥1,050,000

第3世代となるフラッグシップ「Supersix EVO」。
デビューした2世代前のモデルは、700gを切る重量と剛性のバランスによって、去年S-WORKS VENGEがエアロ系ロードに与えたインパクト以上の衝撃を受けました。
その血統を受けて本格的にディスクに最適化されたフレームはとても魅力的。自社開発のホイールやハンドル周りを含めたパッケージ仕様も、性能面で大きなアドバンテージになり得ます。ロゴ配置も格好良い。

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Factor – O2 VAM

FACTOR - O2 V.A.M

フレームセット価格 ¥590,000

リムブレーキモデルとしてすでに最軽量クラスの700g台をクリアしていた前作「O2」から、さらに進化したのが「O2 V.A.M」。
V.A.M=Velocita Ascensionale Media(平均上昇速度)という名の通りクライミングに特化した本モデルは、ディスクブレーキ仕様で700g(54サイズ)という重量を実現。フォルムやデザインも素晴らしく、Black Incのパーツがアセンブルされた完成車はため息が出るほど美しい。

珍しくリムブレーキモデルもラインナップされ、こちらはフレーム重量630gとピュアクライマー向けの仕様となっています。

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Scott – ADDICT RC

Scott - Addict RC

完成車価格 ¥1,580,000

元祖軽量バイクメーカーと言えばScott。CR-1のデビューでレース界に軽量バイクブームを起こし、その後アディクトの登場でさらに軽量バイクの熟成を図ってきました。
ディスクブレーキ専用として5年ぶりにフルモデルチェンジした新型の「アディクトRC」は、重量面で不利になるディスクモデルでも軽量化を徹底。エンドやフォーク先端部分まで中空構造にするテクノロジーなどで完成車重量6.9kgを実現しています。

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2. “最速”エアロロードバイク

レースで勝利するために。ただ平坦を極める空力だけでなく、軽やかさや滑らかさを失わない至高のエアロロードをピックアップ。

Specialized – S-works Venge

S-Works Venge

完成車価格 ¥1,375,000

2018年のモデルですが、その完成度から引き続きピュアレーサーに好まれ、グランツールだけでなく国内での草レースでも数々の戦績を残している「ヴェンジ」。まだ最速バイクの地位は揺るぎません。

“Aero is everything”という設計思想で自社の風洞施設から生み出されたこの第3世代モデルは、空力の改善を数値で示しただけでなく、空力を極めれば勝てることを証明しました。

文字通り「最強」の1台が生み出されたことは、ほかのメーカーにとっては今後ヴェンジをベンチマークせざるを得ないという状況になっています。

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Focus – Izalco Max Disc 9

Focus - Izalco Max Disc

完成車価格 ¥790,000(FORCE eTap AXS)/¥1,200,000(DURA ACE Di2)

フラッグシップモデル「イザルコマックス」は5年ぶりのアップデートにより、軽量バイクからエアロフォルムへと転身。そしてディスクブレーキ専用モデルになりました。

とは言え、前身の遺伝子を継承したオールラウンド寄りの設計。カムテールを配したことが明確な王道フレーム形状は、ほかのエアロフレームよりも細身で軽やかな印象。実際にVengeよりも軽量で、速さと軽さを両立しています。

SRAM Force eTap AXSがアセンブルされた“9.7”モデルの色味が淡くて絶妙。

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Trek – Madone SLR 9

Trek - Madone SLR9

完成車価格 ¥1,235,000

ロード世界選手権2019チャンピオンのマッズ・ペデルセンが跨るバイク。
“Venge or Madone”と幾度も言われるほどエアロロードの開発競争でスペシャライズドの対抗馬として常に互角に渡り合ってきた「マドン」。
好みに合わせて振動吸収性を調整できるIsoSpeed機構が特徴的で、速さだけでなく長距離レースでの力の温存まで考慮された設計になっています。

エアロだけに絞らない総合力で攻める新型マドンの2020モデルは、革新的な進化を遂げた2019年モデルを継承し、ディスク専用として展開されています。

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3. “全方位型”オールロードバイク

今最も注目したいオールロードバイク。エンデュランスモデルから派生したこのカテゴリを展開するメーカーは限られていますが、各社オリジナルの技術がとても面白く、ロードバイクはまだ進化の余地があるのだと実感させてくれます。

Pinarello – DOGMA FS

Pinarello - Dogma FS

フレームセット価格 ¥1,100,000

イタリアンバイクの中でも最も存在感のあるピナレロ。その開発力を活かし、パリ〜ルーベを走るために開発した新型バイクが「ドグマFS」。
特筆すべき機能が“電子制御アクティブサスペンション”。路面状態を識別して、フロントとリア両方に導入されたサスペンションをシステムが自動制御することで、路面からの振動を平均で42%吸収可能となっています。

過酷なパヴェを攻略するために開発されたモデルだけあって、石畳のような激しい凹凸面の走破力だけでなく、価格も恐ろしいオールロードモデル。

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Specialized – S-works Roubaix

S-works Roubaix

完成車価格 ¥1,265,000

既存のロードバイクとは次元が違う乗り心地になった第6世代「ルーベ」。
ヘッドに内蔵されたサスペンション機構である“フューチャーショック2.0”は前モデルから大幅にアップデートされ、乗り手の好みに合わせて柔軟性を調整できるように。
加えてしなりを生む特徴的な形状のパヴェポストなどルーベらしい機構の進化はさることながら、フレームの設計や機材の組み合わせが絶妙にパッケージングされて、すでにオールロードの完成形と感じさせてくれる1台です。

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S-Works Roubaixのレビューはこちら

Trek – Domane SLR 9

Trek Domane SLR9

完成車価格 ¥1,126,000

ヴェンジに対するマドン同様、オールロードにおいてもルーベに対する本命バイクは第3世代「ドマーネ」。
マドンから受け継いだエアロチュービングや、ヘッドチューブとトップチューブの“IsoSpeed”、ダウンチューブのストレージボックス、38C対応、フェンダー用ダボと、とにかくギミックだらけ。
自分仕様の遊び方にカスタマイズできる懐の広さが心をくすぐります。

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4. “遊べる”グラベルロードバイク

自由に道を遊ぶためのグラベルバイク。そのフレーム設計も各社自由で、中でも方向性の全く異なる3つのバイクをピックアップ。

Open – WI.DE.

Open - WI.DE.

フレームセット価格:¥365,000

サーヴェロの創業者とBMCの元CEOが立ち上げた“OPEN”は、グラベルロードを中心にオフロードシーンをターゲットにするメーカー。
他社のように大量生産はせず、本当にOPENのコンセプトに合った顧客だけと親密な関係性を作りたいという思いから作られています。だからほかのモデルのように「100%エアロなカーボンロード」は作らず、オフロード走行をベースとした軽量で丈夫なカーボンロードを展開しています。

2020最新モデルの「WI.DE.」は、従来モデルよりもタイヤクリアランスを更に広げ、46mmのグラベルタイヤまで対応。ロードポジションでオフロードをアグレッシブに攻める走破性の高いモデルとなっています。
バイクパッキングスタイルにも最適。

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Cervélo – Áspero

Cervelo - Aspero

フレームセット価格:¥320,000

サーヴェロは早い段階から“Cシリーズ”でグラベル系のフレームを煮詰めており、そのノウハウを用いて“より速いグラベルバイク”としてリリースされたのが「アスペロ」。

バイクパッキングのようなゆるりとした乗り方ではなく、純粋なグラベルロードレースを最速で駆け抜けるため高剛性&エアロな仕上がりが特徴的。
そしてフロントフォークインサートによるオフセット角の変化や650Bへの対応も含めて万能性が高いモデルです。

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Cannondale – Topstone Carbon

Cannondale - Topstone

完成車価格:¥595,000

アルミフレームのグラベルロードとして展開していた「トップストーン」にカーボンモデルが登場。それがリア三角にオリジナルのサスペンション機構を導入した「トップストーンカーボン」。アルミモデルとは全くの別物に仕上がっています。

650Cで48mmまで入るタイヤクリアランスとサスペンション機構でオフロードOK。ホイール&タイヤを替えれば舗装路もOK。
ガチガチのレースバイクを選ぶのではなく、あえて肩の力を少し抜いたトップストーンのようなモデルを選ぶのもありだと感じさせてくれるバイク。価格も魅力的です。

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どんなバイクを選ぶときも、最終的には目指すライドスタイル・デザイン・価格面での折り合いだとは思いますが、2台目3台目を選ぶ頃には目が肥えているだけに、じっくり悩んで、本気で付き合えるパ−トナーと運命的・宿命的に出会えることを願っています。