【Zwift対応】スマートトレーナー完全比較購入ガイド(2023年版)

世界の変化によって、「インドアサイクリングは冬の間だけやる退屈なもの」という観念は覆され、通年で楽しめるメジャースポーツのひとつに昇華されました。
それを後押ししているのが、スマートトレーナーとバーチャルライドアプリの普及。

本稿ではバーチャルライドアプリでシェアNo.1のZwift(ズイフト)でインドアサイクリングが始められるように、スマートトレーナーのモデルの選び方や必要な周辺アイテム、そして現在のトレンドなど、必要なことがすべてわかるようにしています。
ここからオンラインの世界でRide on!していきましょう。

text/Tats@tats_lovecyclist

*本記事は2018年公開記事を現状に即して改訂したものです。

MAAP-Eclipse

1. スマートトレーナーを導入しよう

スマートトレーナーとは?

バーチャルライド上で、アプリと通信して自動負荷調整できるトレーナーが「スマートトレーナー(スマートローラー)」。自動負荷調整のメリットは、コース上の起伏が再現されることでライドへの没入感が高まること、トレーニングメニュー通りの負荷がかけられることで効率的なトレーニングができることが挙げられます。

対して手動負荷調整のタイプは、スマートトレーナーの登場により「クラシックトレーナー」と呼ばれるようになりました。
クラシックトレーナーでも自分で負荷調整することでZwiftはできますが、より没入感とトレーニング効果の高いインドアライドを求める場合は、スマートトレーナーが最適な選択です。

没入感あるトレーニングができるスマートトレーナー

2種類のトレーナー+α

スマートトレーナーの種類

スマートトレーナーは「タイヤドライブ式」と「ダイレクトドライブ式」の2種類がメインです。

  • ①タイヤドライブ式(ホイールオン式):後輪のシャフトで固定し、磁石やオイルでタイヤに負荷をかける。比較的静かで自然な負荷がかかるが、タイヤが摩耗する点は注意が必要。5万円程度から導入できるため、入門機として最適なタイプ。
  • ②ダイレクトドライブ式:後輪を外してセットし、レジスタンスユニットで負荷をかける。
    静音性・計測精度が高く、パワーメーターも内蔵するため、トレーニング主体のバーチャルライドには最も適したタイプ。高機能のため10万円以上の高価なモデルが多くを占める。

それぞれ長所と短所がありますが、やはり実走感・パワー精度の高いダイレクトドライブ式が人気。近年ではエントリーグレードのモデルが続々投入され、導入障壁も下がっています。

対してタイヤドライブ式は、パワー精度が弱点ですが、導入価格の低さがメリット。ただしモデル展開は縮小傾向にあり、トレンドはダイレクトドライブ式へ移行していることが明確です。

また第3の選択肢に、スピンバイク型の「スマートバイク」があります。
スマートバイクは、サドル高・リーチ・セットバック・クランク長を変更でき、ペダル・サドル・ステアリングは自分のものを取り付け可能。

わざわざバイクをセットする必要がなく、自分のポジションに最適化できるスマートバイクは、バーチャルライドの理想形ですが、1台40万円以上する価格設定なので別の悩みを生じさせるかもしれません。

 

2. スマートトレーナー主要5メーカー

スマートトレーナー主要メーカー

スマートトレーナーのメーカーは、Wahoo(米国)、Tacx(オランダ)、Elite(イタリア)が旧くから有名。近年は、これらに加えて、Saris(米国)やXplova(台湾)の台頭も顕著です。
この5メーカーそれぞれの特徴と、人気モデルをピックアップします。

*2022年にZwiftが格安のスマートトレーナー「Zwift Hub」をリリースしていますが、配送先は米国(US)、英国(UK)、欧州連合(EU)に限定されているためここでは割愛します。

Wahoo(ワフー) – 総合力に長けたラインナップ

手厚いラインナップで最も存在感のあるWahoo。
スマートトレーナーの「KICKR」シリーズは、タイヤドライブ2種、ダイレクトドライブ2種が展開されています。

2022年3月には新型「KICKR ROLLR」を発売。ローラーらしい自然な乗り心地、すぐにバイクをセットできる利便性が特徴で、インドアと外ライドをシームレスに切り替えたいサイクリストには素晴らしい選択肢。ただしパワートレーニングをするためには別途パワーメーターが必要です。

Wahooは拡張性の高さも強みで、特に勾配を再現する「KICKR CLIMB」と風を再現するスマートファン「KICKR HEADWIND」のオプションが魅力的。
KICKR CLIMBを併用すると、登り+20%・下り-10%の斜面も忠実に再現できるスマートトレーナーとなり、より実走に近いトレーニングが可能。
大風量のKICKR HEADWINDと合わせて、インドア環境をアップデートしていきたいサイクリストに最適なメーカーです。

Tacx(タックス) – 最上位の計測精度と静音性

Tacxスマートトレーナー一覧

2019年よりGarmin傘下に入ったTacxは、世界で初めてPCと接続できるトレーナーを開発したオランダのメーカー。

ダイレクトドライブ式の「NEO」シリーズは、コンピュータ制御の仮想フライホイールを搭載しており、計測精度は全スマートトレーナー中トップ。また静音性と振動の少なさからも、住環境に気を遣う日本国内のサイクリストたちに高い支持を得ています。

Xplova(エクスプローバ) – 優れたパフォーマンス&手厚いサポート

Acer100%資本の台湾メーカー「Xplova」。国内代理店のサポートが手厚いことで知られており(これがとても重要)、初めてのスマートトレーナーでも安心して導入できます。
そのベーシックモデル「NOZA S」は、高い性能と10万円という価格設定により、スマートトレーナーの敷居を大きく下げてくれるプロダクト。
さらに2022年夏に登場した「NOZA V」は、計測精度・実走感・携行収容性すべてがアップグレードされ、他メーカーのハイエンド機に匹敵する性能を備えます。

また、自動負荷調整のないダイレクトドライブ式トレーナー「NOZA one」も2021年末に登場。“スマートトレーナーは高価過ぎる” “自動負荷調整はなくても十分”といったユーザーの声に応えるモデルであり、Netflixを見ながらフィットネスしたり、仕事の合間にサクッと乗ったりするインドアスタイルに合う絶妙な一台です。

Elite(エリート) – 収容性&デザイン性に秀でる

クラシックトレーナー含めたラインナップの豊富さではNo.1のイタリアの名門ブランド「Elite」。収容性やデザイン性に優れたプロダクトを多く展開しています。

またステアリング機能付きのライザー「STERZO SMART」やステアリング機能と勾配再現機能を搭載した「RIZER」といった、バーチャルライドを楽しむためのエコシステムも魅力的。特にステアリング機能を搭載する拡張製品はELITEだけなので、ハンドル周りの実走感も高めたいときは唯一の選択になります。

Saris(サリス) – オンリーワンのプラットフォーム

SARISは、もともと車載キャリア「SARIS」とスマートトレーナー「CycleOps」でブランドを分けていましたが、“インドアとアウトドアをシームレスに繋ぐ”というマーケティング方針の変更により、すべて「SARIS」ブランドへと統合されました。

ブランド名は新しく感じるかもしれませんが、CycleOpsのテクノロジーをそのまま引き継いでいるため、タイヤドライブの「M2」とダイレクトドライブの「H4」の2モデルを中心に、ほかのメーカーに引けを取らないプロダクトを展開しています。

特に“モーションプラットフォーム”と呼ばれる「MP1」は、オンリーワンの拡張製品。この上にスマートトレーナーをセットすることで、トレーナー単体ではできない前後の揺れまで再現し、実走感をさらに高めることができます(Saris以外のスマートトレーナーでも利用可)。

 

3. タイヤドライブ比較(5〜13万)

Elite TUO ©Elite

フィットネスを中心に幅広い用途に利用できるタイヤドライブ式のスマートトレーナー。パワー精度にブレが大きいため(±3〜5%)レースや本格的なパワートレーニングには向いていない点は注意が必要です。

  Wahoo Saris Elite
モデル
KICKR ROLLR

KICKR SNAP

M2

TUO
計測精度 ±3% ±5% ±5%
最大パワー 1500W 1500W 1200W
最大勾配 10% 12% 15% 10%
重量 22.6kg 17.2kg 9.0kg 10.3kg
定価 ¥132,000 ¥69,300 ¥74,800 ¥66,000
購入リンク ワイズロード Amazon ワイズロード Amazon

※KICKR ROLLRは自転車側に別途パワーメーターが必要

Wahoo KICKR ROLLR:2022年に発売された新型ローラー。自然な乗り心地とバイクを載せるだけでセットできる利便性が特徴で、インドアと外ライドをシームレスに切り替えたいサイクリストには素晴らしい選択肢。ただしパワートレーニングをするためには自転車側にパワーメーターが必要です。

Wahoo KICKR Snap:タイヤスリップのない安定感と誤差の少ないパワー計測、優れた静音性など、タイヤドライブ式の中ではトップの性能を持つ。ソリッドなデザインや、脚を折りたたんで持ち運びしやすいのも良い点。
また「KICKR CLIMB」と組み合わせて勾配シミュレーションもできます。

Saris M2:タイヤドライブの中で最大の15%の斜度を再現できるM2。また9.0kgと軽量で、持ち運びしやすい点もメリット。ノイズレベルは69dBで、60dB前後が平均的なダイレクトドライブ式に匹敵する静音性。ROUVYトレーニングアプリの1か月サブスクリプション付き。

ELITE TUO:これまでのターボトレーナーの無骨な外観を打ち破るデザイン。ブナ木材を使った脚を折りたたむと、インテリアにも馴染むスマートな佇まいになります。「my E-Training」の1年間無料ライセンス付き。

どのモデルを選ぶ?

タイヤドライブ比較

予算と設置場所があれば「KICKR ROLLR」の手軽さは全スマートトレーナーの中でも随一。
クラシックタイプの中では価格と機能のバランスが優れた「KICKR Snap」が最有力。ただ重いので、持ち運びを考えるなら「M2」や「TUO」も視野に。インテリアデザインの観点からTUOという選択も面白い。

 

4. ダイレクトドライブ比較 – ミドルグレード(10〜15万)

必要十分な機能と精度を備えたグレード

ダイレクトドライブ式は、定価10万円台前半のミドルグレードと、後半のハイエンドグレードに分かれます。
両社の違いは、計測精度(±2〜2.5%)・最大出力・最大勾配・収容性など。ほとんどのサイクリストにとってはミドルグレードの機能でも充分ですが、折り畳めないモデルが多いので、設置スペースも考慮してモデルを絞り込みます。

  Wahoo Tacx Xplova
Elite
モデル
KICKR CORE

FLUX2

NOZA S

NOZA V

SUITO

Direto XR
計測精度 ±2% ±2.5% ±2.5% ±2% ±2.5% ±1.5%
最大パワー 1800W 2000W 2500W 2200W 1900W 2300W
最大勾配 16% 16% 18% N/A 15% 24%
重量 18kg 23.6kg 17kg 18kg 14.5kg 15.8kg
フライホイール 5.4kg 7.6kg 5.9kg 3.4kg
*モーター増強
3.5kg 5.1kg
定価 ¥137,500 ¥143,000 ¥107,800 ¥129,800 ¥108,080 ¥138,100
購入リンク Amazon Amazon Amazon Amazon Amazon Amazon

Wahoo KICKR Core:上位モデル「KICKR」との主な違いは、折り畳めないこと、計測精度・最大パワー・勾配が低いこと。それでも十分なスペックなので、収容スペースに余裕があればダイレクトドライブ式の中でも良い選択肢となります。キッカークライムの拡張性や静音性の高さも優れたポイント。

Tacx Flux 2 Smart:上位モデル「NEO2」と比較すると精度が落ちますが、併売されている前モデル「Flux S」と比較すると、計測精度3%→2.5%、勾配10%→16%、パワー1500W→2000Wと大きくアップグレード。上位モデルに肉薄するスペックとなっています。脚を折りたためないので収容スペースには余裕が必要。

Xplova NOZA S:初代NOZAよりもフライホイールが大型化したことで実走感が増し、ベルトとプーリーの改良により静音性も高まっています。同グレードモデルと比較しても数値で上回る部分が多く、紛うことなきパフォーマンスNo.1モデル。折りたたみは不可。

Xplova NOZA V:人気モデル「NOZA S」に寄せられた要望を取り入れ、さらに実走感や精度を進化させた「V」。KICKRやNEO 2Tと同様に、左右に揺れる機構も搭載しています。「S」はコストパフォーマンスに優れたモデルとして今も普遍的な存在ですが、¥22,000の価格差で計測精度・実走感・携行収容性すべてがアップグレードできることを考えると、「V」もまたコストパフォーマンスに優れたモデルと言えます。

Elite SUITO:SUITOの特徴は折りたたんだときのコンパクト性。収納時の幅が、上位モデルのDIRETO XRが30cmなのに対して、SUITOは15cm。ほかのメーカーと比べても半分近くの小ささに収まっています。狭い住宅事情のサイクリストにとっては最も適したモデル。

Elite Direto XR:Direto3代目となるXRモデル。前作から再現勾配18%→24%、パワー出力2100W→2300Wと強化さ、計測精度も同価格帯では最高クラス。スプロケットが付属しない「DIRETO XR-T」モデルも併売。

【目的別おすすめ】どのモデルを選ぶ?

ミドルグレードでは「NOZA S」「NOZA V」が価格対機能で突出。NOZAシリーズはスマートトレーナーを一般に普及させた実績のあるモデルで、特に最新モデル「V」は、ハイエンドグレードに搭載されている左右の傾きを再現する機構を搭載しており、自然な乗り味は随一。丁寧なカスタマーサポートによる安心感もあります。
ただし拡張性は「KICKR Core」、収容性は「SUITO」に軍配が上がるため、目的や状況に応じて選択します。

 

5. ダイレクトドライブ比較 – ハイエンドグレード(16〜22万)

精度の高いトレーニングやバーチャルレース目的に

トッププロも使うハイエンドグレード。価格は相応のものになりますが、トレーニングやZwiftレースなどを主体にバーチャルライドを行う場合は、信頼のおける計測精度(〜±1%)を持つこのグレードが推奨されます。

  Wahoo Tacx Saris Elite
モデル
KICKR

NEO 2T

H4

JUSTO
計測精度 ±1% 1%未満 ±1% ±1%
最大パワー 2200W 2200W 2300W 2300W
最大勾配 20% 25% 25% 24%
重量 21.5kg 21.5kg 21.3kg 17kg
フライホイール 7.25kg 仮想 9kg N/A
定価 ¥206,305 ¥220,000 ¥179,300 ¥171,100
購入リンク Amazon
Amazon ワイズロード ワイズロード

Wahoo KICKR:ハイエンドモデルの本命。計測精度と最大負荷のレベルがトップクラスなのはもちろんのこと、拡張性・静音性含めた総合力でトップに君臨するモデルです。「AXIS Action Feet」も標準装備し、左右の傾きも再現。さらに2022年モデルではBluetooth/ANT+だけでなくWiFi接続で安定した環境も構築可能に。

Tacx NEO 2T Smart:コンピュータ制御の仮想フライホイールを搭載しており、計測精度は全トレーナー中トップ。最大負荷やペダリングフィール・静音性などもトップモデルに相応しいスペック。「左右に自然に揺れる機構」があるのもNEO 2Tならでは。また電源がなくても稼働するため、レース前のウォームアップにも使用可能です。

Saris H4:H3をブラッシュアップした2022最新モデル。競合と並ぶ計測精度・パワー・勾配を備え、重量級のフライホイール(KICKRより重い9kg)が特徴。MP1と組み合わせれば実走感は随一のもの。

Elite JUSTO:2022年新モデルとなる「ジャスト」。これまでEliteの最上位モデルだったDireto XRからさらに計測精度をアップさせ±2%→±1%に。またKICKRやNOZA Vと同様に左右に揺れる機構も搭載。無骨なインダストリアルデザインはKICKRとは違う魅力。

【目的別おすすめ】どのモデルを選ぶ?

各モデルのスペック差は少ないため、総合力や拡張性で「Wahoo KICKR」、計測精度を重視するなら「Tacx NEO 2T」が有力です。

 

6. スマートバイク比較(30〜50万)

予算と設置スペースに上限がない幸せなサイクリストは、スマートバイクという選択肢しかありません。ポジション調整が容易にでき、同居する家族とシェアすることも可能。ぜひ最高のバーチャルライド環境を構築してください。

  Tacx Wahoo Stages
モデル
NEO Bike Smart

KICKR Bike

Stages Bike
計測精度 1%未満 ±1% ±1.5%
最大パワー 2200W 2200W 2200W
最大勾配 25% 20%/-15% 25%
重量 50kg 42kg 62.5kg
定価 ¥495,000 ¥352,000 ¥319,000
購入リンク ワイズロード ワイズロード 代理店サイト

Tacx NEO Bike Smart:最初に発売されたスマートバイク。計測精度などはNEO 2Tと同じで、ワイヤレスでも使用可能な点も同様。4.5インチのモニターと小型ファンが付属し、インドア環境を簡単に構築できます(ただし小型のファンだけでは冷却は追いつかない)。2022年にマイナーアップデートされた「NEO Bike Plus」が発表されていますが、スペック上は大きな変更はなく、国内未展開です。

Wahoo KICKR Bike:計測精度などはKICKRと同じ。KICKR CLIMB同様バイクが上下するため、下りのポジションも再現できるところがWahooにしかない機構。バーチャルシフトで、SRAM、Shimano、Campagnoloのギア比・変速方法に設定可能で、またアプリで自分のバイクを撮影して簡単にポジション出しできるなど、至れり尽くせりのラグジュアリーバイク。

Stages Bike:パワーメーターのブランドによるスマートバイクは、インドアライドに必要な機能をひととおり備えたオールインワンモデル。見るからにずっしりした筐体は安定感に優れ、スマホ&タブレットマウントも付いたユーザーフレンドリーな構造。また触覚フィードバックはありませんが、好みのシフト方法を設定できます。

【目的別おすすめ】どのモデルを選ぶ?

スマートバイク

「KICKR Bike」が2023年3月17日に価格改定され、¥462,000→¥352,000となりました。「Stages Bike」の方が若干安いものの、スペックを考えるとスマートバイクは「KICKR Bike」一択という状況です。「NEO Bike Smart」は小型ファンやモニターを省いてコストダウンを期待したい。

 

7. Zwiftライドに必要な環境

Zwiftアプリ

●Zwiftアプリ:Zwift本体のアプリはiOS/AndroidのほかにWindows/Mac、そしてAppleTV用があります。利用料は1アカウントあたり月額¥1,650(7日間の無料トライアルあり)。

●Zwift Companionアプリ:ZwiftにはコンパニオンアプリiOS | Android)があります。BluetoothでスマートトレーナーとPCをブリッジ接続する役割を担ったり、Zwift上のメッセージのやり取りやコース選択などができます。

Zwift対応デバイス

スマートトレーナーと対応デバイス(iOS/Android、Mac/Windows、Apple TV)はBluetoothまたはANT+で接続します。基本的にiOS/Androidの場合はBluetooth、PCの場合はBluethoothかANT+を使用。
手持ちのデバイスに合わせて、アプリとセンサーの通信環境を用意します。
ANT+スピードセンサーやパワーセンサーをPCに接続する場合は、受信側にドングルを用意する必要があります。

専用ホイール/スプロケット

タイヤドライブ式の場合:タイヤが摩耗し、ホイールにも負荷がかかるため、トレーニング用に摩耗しづらいリアタイヤ+安価なホイールを用意するのが一般的。

ダイレクトドライブ式の場合:別途スプロケットの購入が必要。トレーニング用なので、普段使っているものからグレードを下げたり、歯数を変えても問題ありません。ただしWahooやEliteの一部モデルはスプロケットが付属します。
※Campagnoloユーザーは別途カンパ用フリーも購入する必要があります

インドア環境構築グッズ

スマートトレーナー必需アイテム

①ディスプレイスタンド:スマートフォンやタブレットを使用する場合は、ディスプレイを目の前に置けるようにスタンドやホルダーを用意します。
インドア専用のスタンドが発売されていますが、譜面台でも代用可能です。

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譜面台(Amazon)

②スウェットカバー:トップチューブを汗から守るスウェットカバーは必需品。
これに加えて、ハンドタオルをハンドルの上にかけることでT字でバイクを保護するのが最適。

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③ライザーブロック:バイクを水平に保つために用いられるライザーブロックですが、ダイレクトドライブ式の場合はリアの高さを調整できるので基本的には不要です。
ただヒルクライムのポジションを再現してトレーニングしたいときには、高さ調整できるライザーブロックが活躍します。

ライザーブロック一覧(Amazon)

④トレーナーマット:汗を受け止めたり、床を傷つけないためのマット。若干の防振効果もあります。
練習スペースはかなり場所を取るので、ローラー台専用マットを使うとジャストサイズ。ヨガマット等でもOKですが、サイズが足りない場合もあるので事前にサイズ確認が必要です。

Wahoo多目的フロアマット(Amazon)
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⑤防振パッド:ローラー台は騒音と同じくらい振動を気にする必要があります。特に集合住宅では近隣への配慮がマスト要件ですが、ローラー台専用に設計された防振材を使うことで、床に伝わる振動は限りなくゼロになります。
2個セット販売なので、ローラーの足の数に合わせて複数購入します。

ミノウラ 防振パッドセット(Amazon)

⑥扇風機:無風の室内では扇風機が欠かせません。風力の強い工業扇風機もありますが、一度自宅の扇風機で試してみて、もの足りないと感じたらより強力なものを買い足すかたちで良いかもしれません。

工業扇風機一覧(Amazon)

* * *

バーチャルライドは退屈しづらいとはいえ、トレーニングメニューやレースをやっていると「なんでこんなつらい思いをしているんだ」感が出てくることがあります。それでも我慢して走りきったときの爽快感はたまらないもの。
そう、Zwiftで退屈を誤魔化そうが、スマートトレーナーはドM専用機です。一緒にZwiftで辛く楽しくRide On!しましょう。

著者情報

Tats Tats Shimizu@tats_lovecyclist
編集長。スポーツバイク歴10年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはFactor O2(ロード)とLS(グラベル)。