気軽にドレスアップを楽しもう。
バーテープはサイクリストとロードバイクをつなぐ接点のひとつ。そこからは触覚的なフィードバックを直接受けるため、乗り心地やハンドリングに少なからず影響を与えます。
同時に、ほかのパーツと比べると交換頻度が高いことから、常にバイクのイメージを一新できる手軽なドレスアップアイテムにもなり得るもの。
そこで新しいバーテープを探しているサイクリストのために、選び方のガイドと最適なおすすめブランドに関するヒントをまとめています。
1. バーテープ選び方ガイド
バーテープの機能要件は「どんな条件下でもハンドルバーをグリップできること」というとてもシンプルなもの。手汗をかいても、握力が落ちても、天候が変化しても、常にハンドルの握りをサポートするのがバーテープ。
そこにサイクリストひとりひとりのこだわりがあって、素材・厚み・デザインのバリエーションを生んでいます。
素材
かつてバーテープは、コットン・コルク・革などの天然素材をベースにつくられたものが主流でした。今でもトラディショナルなバイクには天然素材のバーテープが似合いますが、現在のメインストリームはEVAやポリウレタンなどの合成素材。
主なバーテープ素材の変遷と特徴
登場時期 | 素材 | 特徴 |
〜70年代 | コットン | 安価だが耐久性▲。クラシックバイク向き。 |
本革 | 質感良く耐久性◎。クラシックバイク向き。 | |
80〜90年代 | コルク | 振動吸収、水分吸収に優れる |
EVA | 弾力性があって頑丈。 コルクとの合成素材も多い。 |
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2000年〜 | マイクロファイバー | しっとりした快適な触り心地。 |
ポリウレタン | 軽量で丈夫。 色の組み合わせが可能になりデザインが豊富に。 |
こうした時代による素材の進化からも、クロモリなどのクラシックバイクには天然素材、アルミ/カーボン系のモダンバイクには合成素材がベーシックな組み合わせになります。
厚み
ライドスタイルに応じてバーテープの厚みを選択します。厚すぎると見た目にも影響するので注意してください。
薄型 | 1.5-1.8mm程度 | 路面をダイレクトに捉えたいシリアスライダー向け |
普通 | 2.0-2.5mm程度 | さまざまな用途に使えるバランス型 |
極厚 | 3.0mm以上 | グラベルやパヴェなどの特殊な路面向け |
デザイン
ジャージが素材の進化でカラフルになっていったように、バーテープもポリウレタン等合成素材の台頭により、単色だけでなくグラデーションや柄などデザインの入ったものが出てくるようになっています。
基本的にはフレームがシンプルであれば柄物も単色もOK、派手なフレームの場合はバーテープを単色にするといったように、全体の統一感を踏まえて選択しますが、すべては選ぶサイクリストの感性次第。
また明るい色のバーテープは汗汚れで色がくすみやすいので、黒いバーテープよりも寿命が短くなります。
価格帯
バーテープは1つあたり¥2,000〜4,000あたりが相場。より安価な商品も多々あるものの、質感と耐久性を考えるとこの相場のプロダクトを推奨します。
バーテープは年に2回程度交換するため、それを踏まえて予算を設定します。
2. おすすめ①シンプルなデザインから探す
どんなバイクにも合わせられるシンプルなバーテープは、バイクが映えるように質感がとても重要。単色でも品質の良いブランドをセレクトしています。
Fizik – フィジーク
価格帯: ¥2,000〜¥4,000
ライダーの好みに合うよう細かな商品展開をするフィジークは、バーテープのラインナップも同様に業界随一レベルで細分化しています。
カテゴリ | ・VENTO(レース用) ・TEMPO(サイクリング用) ・TERRA(グラベル用) |
厚み | ・MicorTex(2.0mm) ・Solocush(2.7mm) ・MicroTex Bondcush(3.0mm) |
表面 | ・Tacky(強グリップ) ・Classic (中グリップ) ・Soft(シルキー) |
すべてシンプルな単色仕上げ。質感にこだわりたいサイクリストにとって、これだけあるラインナップからベストな1点が見つかります。
Fabric – ファブリック
価格帯: ¥3,000〜¥5,000
2015年に立ち上がったばかりですが、サドルやライトをはじめとしたスマートな商品展開をしていて、今では主要アクセサリーブランドのひとつになってるファブリック。
バーテープへのこだわりは素材に表れていて、高粘着で衝撃吸収性に優れる医療用シリコンを使った「Silicone(シリコン)」と、“クレイトンラバー”という高強度×柔軟な衝撃吸収材をバーテープに採用した「Knurl(ナール)」「HEX DUO(ヘックスデュオ)」の3つがラインナップされています。
いずれもよく伸びて巻きやすいので、自分で巻くモデルとしても優秀。
3. おすすめ②スタイリッシュなデザインから探す
ドレスアップもできるデザインモノのバーテープ。より自分のバイクを愛でることができるスタイリッシュな柄を選ぶなら以下のブランドから。
Supacaz – スパカズ
価格帯: ¥3,000〜¥4,000
高品質なバーテープを開発すべく2010年に設立した米国のバーテープ専門ブランド。ポリウレタン素材の多彩でプレイフルなデザインを取り揃え、柄物バーテープの代表的存在になっています。
シンプルなフレームを彩るオイルスリックやマルチカラーとエンボス加工の組み合わせは、スパカズでしか得られることのないスペシャルなデザイン。
Cinelli – チネリ
価格帯: ¥2,000〜¥4,000
コルクとEVAの合成素材を開発し、カラフルなバーテープの先駆けを作ったチネリ。
ピスト文化に由来するその潮流は今も変わらず、マイク・ジャイアントのコラボをはじめアーティスティックなデザインはチネリ随一のもの。
ラインナップ全体的に適度なグリップで扱いやすいのも良い。
Lizard Skins – リザード・スキンズ
価格帯: ¥2,000〜¥4,000
自転車用プロテクターの販売から始まったリザードスキンズ。サイクリストの身体を守るため、事業領域を広げてバーテープも展開。
バーテープのDSPシリーズはツートーン柄やカモ柄など豊富なデザインが揃い、さらに用途に合わせられる1.8mm, 2.5mm, 3.2mmの選択肢が特徴。もちもち吸い付く感じでグリップの安定感があります。
Silca – シリカ
価格帯: ¥4,000〜¥5,000
もともとはフロアポンプメーカーとして広く知られるシリカ。従来はシンプルなバーテープを展開していましたが、2019年の新作は一味違う“fiore(花)”の柄。
手元に華やかさをもたらしてくれる程よいエンボス加工柄と、2.5mm厚でも極厚タイプと同等のクッション性を持つ機能性が併存する高級ラインです。
Guee – グイー
価格帯: ¥4,000〜¥5,000
もともとサイクリングライトを始めとするアクセサリーメーカーだったグイーは、2015年からバーテープを展開。ポリウレタン素材のSLシリーズは、ツートーンのDUALと幾何トライアングル柄のGEOから成ります。フレームのカラーと合わせてファッショナブルなバイクを作り上げるのに最適なデザイン。
厚さ3mmの快適性も特徴。
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いつもバーテープ探しはわくわくするもの。ちょっとの投資でバイク全体のイメージが変わるので、常に新鮮な気持ちでバイクと付き合い続けることができます。
スタイリッシュなブランドからお気に入りの色柄を見つけ、引き続きバイクのドレスアップを楽しんでください。