Text by Tats(@tats_lovecyclist)
こんにちは。僕が普段感じていることや最近のトピックなどをラフな感じで書く不定期企画“Journal”の第6号です。
以前読者の方から「おしゃれをするために我慢していることを教えてほしい」という質問を受けたことがあります。
もしかしたら“おしゃれをするためには何かを我慢しなければならない”という前提が一般的にはあるのかもしれません。ただ僕自身は、何かを我慢しておしゃれを頑張っているという感覚はなくて、どちらかというと自分好みのライフスタイルを構築することは、息をすることと同じくらい自然なものとして行っています。
それはJournalのVol.4で書いたような“衣食住美”の考え方につながりますが、もうひとつ大切にしている考え方があります。
QOLのために。
それは“ライドを通してQOLを向上させる”ということ。
ロードバイクは機材ありきであり、機材をより良いものに揃えることで他者に対して抜きん出るという側面があります。そうしたモノの豊かさは自ずとお金さえかければ満たされますが、QOL(=生活の質)は別の方法で向上させる必要があります。
そのためにサイクリストはライドを通して心身が満たされる状態にすることが欠かせません。
ともすれば“長距離走ることがエラい”という自転車の世界は、入り込みすぎることで生活の質が落ちかねない中で、ライドへの向き合い方次第で「QOL爆上げ」と感じることができれば、自分が属するあらゆる時間に良い影響を与えることに繋がります。
ここでは僕がQOL爆上げになるコトを3つ挙げてみたいと思います。
①大人になってからの友だちをつくること
ロードバイクがソーシャルスポーツとして優れているのは、ただ仕事をしているだけでは知り合えない人──業界や社会的地位や年齢の異なる方と友だちになれるから。
学生のころから付き合いのある友だちと、ある程度歳をとってからできた友だちとはまったく種類が異なるものだとここ数年で強く感じるようになりました。
もちろんどちらも素晴らしい友だちですが、気心が知れて悪ふざけができる前者に対し、後者はなにかリスペクトのようなものをお互いに持ちながら付き合い続ける関係性です。
そこに年齢や性別の違いはあまり関係なくて、フラットにお互いが持てるものを自由に伝え合うことができます。新たな価値観に触れることができ、そしてときにシナジーが生まれ、次第に視野が広くなっていきます。QOL爆上げです。
②カフェの時間を大切にすること
公開している「東京ロードサイクリング カフェ&レストランMAP」はもともと自分のために作ったもので(今でもそれは変わりませんが)、ライドで素敵なお店に立ち寄ることはライド体験を最大化してくれます。
上質なチルとともに、大人になってからの友だちと会話する。
ときに走っているよりも長い時間居てしまうこともありますが、カフェは“サードプレイス”と言われるように、自宅や職場とは違った自分たちだけの居場所。そこではお酒を飲むよりもずっと胸襟を開いたような忌憚のない話ができます。仲間と親密になり、インプットやアウトプットの機会にもなり、未来につながるような話ができることも。QOL爆上げです。
③1日をライドと何かをする日にすること
ライド自体はQOLを上げるものですが、僕の場合100kmを越えて長距離を乗れば乗るほど、ただ漫然と走る時間が増えることで、満たされたゲージが下がっていくことを感じます。
だから帰宅してから別のことに集中できるような時間配分をすることで、走ることで満たされたものが維持され、さらに生活の濃度が上がるように。
自転車関係以外の人と交流する、家族との時間を大切にする、文章を書く、コーヒーを淹れながら本を読むなど、心が求めるものを1日の後半に取り入れます。QOL爆上げです。
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こうしたQOLを上げるための根底にあるのが、いわゆる「おしゃれをすること」だと思っています。おしゃれとは服装だけのことでなく、身の回りに気を回すことで自分や周囲の空気感が心地良く新しい感性に包まれていくもの。だから何かを我慢することで達成できるものではありません。
LOVE CYCLISTは「おしゃれメディア」と(おそらく若干の皮肉を込めて)言われることがよくありますが、QOLを考えた上での自転車の世界が当たり前になることで「普通のメディア」になることが僕の望む未来だったりします。
今月のカフェ
お気に入りのカフェについて。
ON THE HILL COFFEE
尾根幹の裏手、小高い丘の上にあるオン・ザ・ヒルコーヒー。
敷地内に自転車ラックがあり、テラス席が広々しているのである程度人数が多くてもOK。
店内はソファ席もあり、空いていればゆっくり過ごすことができます。
店主が丁寧にドリップしてくれるコーヒーとチーズケーキが相性ぴったり。
11時OPENなので、尾根幹帰りなどに立ち寄って。
今月の機材
Garmin Varia RTL510 リアビューレーダー
ライドでの安全性を高めるために良さそうで、発売当初から気になっていたGarminの『RTL510 リアビューレーダー』。
後方から車が接近することをGPSサイコンの画面に通知してくれるセンサー付きのリアライトです。
Wahoo ELEMNTの9月のファームウェアアップデートによってリアビューレーダー対応したことをきっかけに購入しました。
何度か使用してわかったPros/Consは以下の通り。
Pros
- ① Wahoo ELEMNTの表示が非常にわかりやすく、道路状況が楽に判断できる
② 明るいライト
Cons
- ③ サイコンのバッテリーが早く減る(ロングライドには向かない)
④ 通常のリアライトよりも外観がどっしりする
①についてはELEMNTの表示が非常にわかりやすく、後ろから何台来てどれくらいの距離にいるかが振り返ることなくわかります。都市部の渋滞しやすいエリアでは若干誤差があるため使えませんが、どちらかというと車の往来が少ない郊外でこの機能が活きてきます。人間の判断力には限界があるので、こうやって知覚できる範囲外の情報を入手できるツールはとてもありがたいと感じました。
ただし、③のバッテリー問題は理解した上で使う必要があります。リアビューレーダーを接続すると、ELEMNT側のバッテリーの減りが3-4割増しくらいに。長距離持たないので、ショートディスタンスや、通勤で使用するなど用途が限定されます。これをどう捉えるかで購入の可否が決まると思います。
僕自身は「KNOG+」に出会ったため、最終的には手放しています。