Love Cyclist Journal Vol.4【2019年10月号】- 衣食住美。

Text by Tats(@tats.cyclist

こんにちは。僕が普段感じていることや最近のトピックなどをラフな感じで書く不定期企画“Journal”の第4号です。

自転車業界の動向を毎年ウォッチしている中で、最も面白いと感じるシーズンは、春先(3月)と秋口(9-10月)。
春先は新しいウェアが続々発表されて、その年のトレンドや各ブランドの攻め方を見られるのがすごく楽しい。そして秋口は世界最大のイベント”ユーロバイク”を端に、プロダクトの進化と今後1年の機材トレンドがわかる時期です。

この動向を受けながら、LOVE CYCLISTではさまざまなウェアや機材を紹介しますが、出てくる商品は比較的高価なものが多め。
そのため、「読んでいるとトレンドが抑えられる」という声だけでなく、「もっと安いものを取り上げてほしい」という声をいただくこともあります。

だから、メディアとしてどんなプロダクトを取り上げるかという点は、いつも心にかけている部分。

美しいモノに囲まれて

個人的な話になりますが、僕は常に「美しいものに囲まれて生きていたい」と思っています。

ここで言う“美しさ”とは、一般的な姿かたちの美醜ではなく、周囲の環境・身の回りのモノ・人間関係といったものが一定の価値観の元において自然で望むべき状態にあること。『衣食住美』という言葉があるように、“衣食住”のライフスタイルに“美しいもの”を加えることは、生きることそのものを豊かにしてくれます。

そしてその状態をつくり出すために僕は多くのリソースを割いています。そうすることで、自分だけでなく、関わってくれる人たちがすべからく心地よい状態になってくれることが理想だと考えています。

この考え方はそのままメディアの運営方針にも反映していて、ピックアップするプロダクトについても「美しく、心地よい状態をつくり上げてくれるか」というフィルターを通して取捨選択しています。

そうなると必然的に高価なプロダクトになりがちなのは、自転車アイテムの宿命なのかもしれません。
シマノがデュラエースに多くの開発リソースを割き、そのナレッジをアルテグラ以降に落とし込んでいるように、ハイエンドモデルは各メーカーが考える「最高に心地よい状態」が再現された機材になっているものがほとんどです。
僕も多くの機材を試してきた中で、最終的にいつも満足させてくれるのは、ちょっと背伸びして購入した高価なモノ

ウェアの場合、LOVE CYCLISTでよく紹介するハイブランドがもたらしてくれるものは、品質や着心地の良さだけでなく、そのブランドが持つ“ストーリー”があります。どういうコンセプトで生まれ、どういうサイクリストに着てほしくて、どういうライドを実現させてくれるか。
このストーリーが自分の価値観と合致すると、走りの心地よさを機材以上に最大化してくれます。 これは品質やデザインだけを謳うブランドでは得られない部分で、高価なウェアを買う行為は、この優れた体験に対価を払うことにつながっています。 

だからプロダクトやウェアを紹介するとき、ただスペックを並べたり、ありふれたインプレ表現を書くのではなく、できるだけそのプロダクトがもたらしてくれる体験を伝えるようにしています。紹介したアイテムを、読者の方から「高いけど買ってよかった」と連絡いただくときはとてもうれしい気持ちになります。

ちょっと背伸びする必要があるかもしれないけれど、買ってみるとこれまでにない心地よさを体験できて、自転車を含めたライフスタイルを豊かにしてくれるもの
LOVE CYCLISTはそういったプロダクトに触れるきっかけになるメディアでありたいと思っています。

 

そして父になりました。

8月に双子を授かりました。同時に2人というサプライズで、文字通り寝る暇もないような日々を送っていますが、その分めちゃめちゃかわいくて幸せに包まれています。

がんばって産んでくれた妻とは「また一緒に自転車に乗りたい」と話しているので、いつか家族みんなでサイクリングできるようになったら本当に楽しいだろうなと思います。

LOVE CYCLISTはこれからもアップデートしていくので、温かく見守っていただけると幸いです。

 

今月のライド

最近のライドで、素敵だったコースをご紹介。

鎌倉(神奈川)

頻繁に行く目的地の中でも、鎌倉は一番好きなエリア。
素敵なカフェが多く、海沿いで映える写真を仲間と撮ることができます。まっすぐ行けば自宅から往復100km程度なので距離的にも適度。

ノンストップのストレートラインとアップダウンコースを経て、最後に視界に開ける海岸線は、いつも思わずペースアップするほど高揚します。

適度な負荷と、綺麗な景色と、美味しい食事。
これらのご褒美がもれなくついてくる鎌倉エリアは、ロードサイクリングとの相性抜群です。

今月の機材

O.Symetric楕円リングのメリット/デメリット

Journal Vol.2でも少し書いたように、チェーンリングを楕円から真円に戻しました。

楕円率が最も高い「O.Symetric」によるペダリングは、脚質に合ってとても気に入っていたのですが、長期使用していく中で普段使いには合わないと判断し、真円リングに戻すことに。

半年間O.Symetricを使用し、以下のメリット/デメリットがありました。

Highs

  • ・ペダリング効率が高まる
    ・ハイケイデンスの高出力維持がしやすい(これが本当に気持ち良い)
    ・特にヒルクライムで走りやすい

Lows

  • ・O.Symetricの構造上、アウターローでクランクを逆回転させると必ずチェーン落ちする
    (坂を登りきったあとの信号待ち等で起こりがち)
    ・インナー→アウター変速が決まりにくい
    ・ほかの人のバイクを借りたときの違和感が大きい

結論、O.Symetricはエンデューロやヒルクライムなど、長時間×高出力のレースにおいてとても相性が良いですが、インターバルが発生するようなレースおよび信号や坂の多い都市部ではそれが完全に活かしきれないということがわかりました。楕円検討中の方はご参考ください。

 

“衣食住美”

自転車乗りは仲間同士で機材品評会をするのがクセですが(僕も例外なく)、中には美しいライフスタイルまで透けて見える機材選びやウェアの着こなしを見せられることも。稀にそういった方に会えたときはとても幸せな気持ちになります。

この業界はグラベルやEバイクといった別カテゴリに活路を見出していますが、ロードバイクもまた、衣食住美を突き詰めていくところにさらなる光があるのだと思います。

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