『NDLSS』SS23レビュー：洗練されたデザインの極み。

スペインのハイブランド『NDLSS（エンドレス）』。その洗練されたデザインとパフォーマンスはシーズンを追うごとに進化を続けています。
SS23の主要ラインナップは、レース強度のためのタイトな「FAST」と、自由なライドのための快適な「HOME」の2つ。それぞれの特徴と違いを詳しく見てきます。

レビュアー


Rin（@f430_lisa_）スポーツバイク歴7年。さまざまなコニュニティを通じて仲間と出会い、価値観を共有しながら自身のライドスタイルを確立。一昨年はバンクーバーに留学し、現地のコミュニティに入ってライドを楽しむなど、さまざまな視点を絡めながら自転車と向き合っている。	Gaku（@mt.sakana03）スポーツバイク歴5年。学生時代から競技を中心に自転車と向き合い、昨年から本格的にCXレースにも参戦。すぐにC2に昇格して頭角を現す。同時にフィルムカメラでの撮影をライフワークにするなど、トレーニングライド以外にもさまざまなスタイルでライドを楽しんでいる。

Review / Rin & Gaku
Edit & Photo / Tats

*本レビューのウェアはNDLSS提供のものです。

Contents

1. FAST – 時代を超えたシンプルさとディティール
2. HOME – 余った生地に第二の人生を
3. 無駄を排除した、美しい色使い

1. FAST – 時代を超えたシンプルさとディティール

FASTジャージ（€140）／FASTビブショーツ（€160）

NDLSSの主要コレクションとなる「FAST（ファスト）」。さらさらの薄手の生地で、真夏の高強度ライドに最適なウェアとなっています。
シーズンを追うごとにより良い素材・より良いカッティングへと改善を続けており、今シーズン特に変わったと感じるのは袖まわり。グリッパーが少し太くなり、伸縮性も上がってより快適になりました。

さらに改良されたFAST

NDLSSは少し前からグラデーションのデザインを継続してきていますが、年を重ねるごとに色に深みが増していると感じます。2年前にレビューしたメッシュジャージと比べると、肌なじみの良い色になっていることがわかります。
特にこの色は、緑の中にいると、周囲の色をジャージが反射しているようにも見えてとても自然です。シンプルに見えて、意外性のあるディテールがとてもスタイリッシュ。

生地は程よく伸び、上半身を動かすシーンでもストレスフリー

脇部分はメッシュなのでハイシーズン用ということがわかる

ポケットの高さは全く問題なし。それなりに物を入れてもだるんと下がらないこのスマートさ！

FAST Bib Shorts

ビブショーツもレース強度に合わせてタイトですが、見た目以上に伸縮性があります。
そして今シーズンは質感も見た目も大きく変化しています。生地は以前より厚みがあって、しっかりした印象の反面暑そうにも見えますが、履いてみると不思議と暑いとは感じません（30℃前後での使用）。

裾のグリッパーは以前よりしっかりしており、伸縮性は変わらず良い

肩ひもは太さがあって長時間のライドでも負担が少なそうな印象。ただ弾力が結構あるので肩にかけたままのトイレはやめた方が良いかも

パッドは見た感じ大きな改良はなさそうだが、これまで通り、ほどよい厚みでパッドが欲しい部分はもれなくカバーされている

着用サイズ

FASTジャージ XS、FASTビブショーツ XS（167cm/52kg）

2. HOME – 余った生地に第二の人生を

HOME Jersey（€140）／HOME Bib Shorts（€160）

イタリアの最高級テキスタイルとNDLSSのノウハウを融合させた「HOME（ホーム）」は、未使用の生地を再利用した、余分なものを必要なものに変えるデザイン*。サラサラしていて少し厚めの生地なので、真夏の炎天下を除いて活躍するオールラウンドなジャージです。
*余った生地で作るという性質上、限定生産となる

FASTと同じグリーン系でも、HOMEは単色のオリーブ。マットな質感は周囲に溶け込み、サイクリストと自然の調和を生み出します。

FASTと比べると少しゆとりのあるフィット感で、圧迫感はない。肩幅が広いので他ブランドだと突っ張る感じがあったりするけど、肩周りも動きやすい

左右ポケットの入り口が斜めになっていてアクセスしやすい。ジッパーポケット付き

HOME Bib Shorts

ビブショーツも余った生地を用いたサステイナブルなアイテム。少し厚みのある生地は丈夫で長持ちしそうで、動きやすい。
カラーはミッドナイトグリーン。ジャージとのセットアップでグリーン系で揃えているが、この緑はどんな色にも合わせやすいのが特徴。

股下が長めで丈感が好み

パッドはロングライド向きだと感じる。少し厚めで弾力があり、前乗りしても違和感なく使えている。レースだと冗長に感じる人もいるかもしれない。

着用サイズ

HOME Jersey XS、HOME Bib Shorts XS（163cm/53kg）

3. 無駄を排除した、美しい色使い

袖周りや生地の改良によって、動きを妨げるものを排除し、美しい色使いで彩りを加えたSS23の最新ウェア。
「FAST」と「HOME」は、それぞれレース向きと快適なライド向きという性格が与えられているものの、価格差はありません（いずれもセットアップで€300）。どちらを選ぶかは、ライドスタイルだけに依存せず個人の好みでも全然OKだと思います。