Jawbreakerを越えるアイウェア体験を。
ここ最近のアイウェアは、シングルレンズタイプの隆盛&レンズの大型化が見られるようになり、デザインもレトロな雰囲気をもったものがトレンド。
世界的な動きを見ても、この流れを汲んだアイウェアが好んで着用されるようになっています。
そしてこの潮流の中にひとつ含まれているのが、サングラス界の巨人オークリーがマルチスポーツ用に開発した「Wind Jacket 2.0(ウィンドジャケット2.0)」。
Jawbreakerのようにロード用に作られたものではないものの、サイクリストにも積極的に使用されるようになってきたモデル。
まだ国内では利用者の少ないアイウェアですが、そのオークリー史上最高と感じた魅力を詳しく見ていきます。
Oakleyラインナップ
Radarlock / Radar EV Path / EVZero Path / Jawbreaker / Wind Jacket 2.0 / Flight Jacket──Oakleyのシングルレンズタイプの中で、ロード用アイウェアとして多く使われるモデルはこの6つ。
中でもRadar EVとJawbreakerの2つが圧倒的人気なのは言うまでもありません。
6つ目のFlight Jacketは2018年に新たに投入されたロード専用スペシャリストモデル。
Flight Jacketは上方視野を拡張させるためのアンダーリム形状や、可動式ノーズブリッジ、付け替え可能な2種類のステムなどを搭載し、機能的側面を大きく強化したモデル。
ただ個人的にデザインがあまり刺さらず、また僕の観測範囲だけですがあまり使用者が多くないように感じます。それだけ一世代前のJawbreakerが完成されたプロダクトだということの表れかもしれません。
その代わりにファッション観点がきっかけで今注目を浴びているのが、2016年に発売されたWind Jacket2.0。
Wind Jacket 2.0
Wind Jacket 2.0 – Matte Black / Prizm Snow(定価¥22,680)
Wind Jacket 2.0(以下WJ2.0)は、オークリーの分類上は一応サングラスということになりますが、レンズの大きさはほぼゴーグル。
ロード用アイウェアが作られたのは、プロ選手がスキー用ゴーグルをレースで着用し始めたことが発祥と言われていますが、その流れが再び現代に回帰してきたかのよう。
この巨大デザインのレンズは、かつて1984年に発売されたオークリーのサングラス「Eyeshade」をベースにしています。最近レトロブームによってアスリートたちが好んでEyeshadeを着用していることをヒントに、オークリーが新たに開発したもの。
Eyeshadeの雰囲気は持ちながらも、丸っこい可愛さは排除し、無表情&シャープになったデザインが現代的ですごくいい。
レンズの大きさはJawbreakerが小さく見えるほどで、実際にかけると視界が遮られない安心感の大きさを感じます。
前方・後方確認のとき、レンズと裸眼の境目で視野が遮られる範囲が少なくてストレスフリー。確認から判断までのリードタイムを、ぎりぎりまで短縮することが可能です。
そしてあらゆるメーカーの中でも最高クラスのOakley製レンズは、たとえ大きな曲面レンズでも歪みがほとんどないので、より裸眼に近い状態でクリアに世界を見ることができるようになります。
そしてこのアイウェアの一番のときめきポイントがここ。
テンプルアームの形状がすごく格好良い…!小さな翼のような、レトロと近未来感が融合したようなデザインがたまらない。
Jawbreakerの場合、レンズの湾曲が強いため頬にフレームが当たってフィットしないケースがあります。
WJ2.0はレンズの高さがあるため湾曲の角度が緩く、高めの頬であってもノーズパッド側でしっかり支えられる形状。
ほかのモデルよりフィットするサイクリストが多いのではないかと思います。
レンズの取り外しもできますが、レンズのラインナップはPrizm以外ないのでわざわざ替えることはなさそう。
Prizmの圧倒的見やすさは、ほかのどのレンズをも凌ぐので、日中ライド用として割り切れば問題ありません。
汗を乗り越えるトリプルレイヤーフォーム
WJ2.0には額に装着できるパッド(トリプルレイヤーフォーム)が付属します。
本来はトレッキングや春スキーで塵や雪の巻き込みを防ぐためのものですが、これがロードサイクリングで使用すると「汗止め」として機能することに。
夏のライドでいつもストレスだったのが、額から流れた汗が眼に入ってくること。
これは額にパッドのついたヘルメットを選んでも、キャップを着用しても回避することはできず、アイウェアの内部に汗が滴り、そして眼に入り込んできます。すごくしみる。。
特に低速・高強度で走るクライミング中は、視界を乱されることでひどく苦痛を感じていました。
でもWJ2.0のパッドが、これを完全に解決してくれます。
どれだけ強度を上げて汗がひたひたに流れ出ても、パッドが汗を受け止めるので、アイウェア内部へ汗が侵入しなくなります。本当に快適。
走り出す前は「空気がこもるのでは」という心配がありましたが、WJ2.0は側面が空いているので、ちゃんと空気が流れやすい作りになっていることがわかります。
Jawbreakerは上下左右顔に密着しやすい形状のため、停車中に曇ることが気になっていましたが、WJ2.0の方はパッドをつけていたとしても通気性が高く、信号待ちでも一切曇らないように。
どんなコンディションにおいても視界を邪魔するストレスがなくなったことはとてもうれしいこと。
もちろん、パッドはワンタッチで取り外しができるので、涼しいシーズンはパッドを外しておいて、より通気性の高く軽い状態で使うことができます。
重量
気になるWJ2.0の重量は、アイシェードを付けた状態で43g。Jawbreakerの32gよりも11g重いことになります。
確かに手に持って比較したときに少しだけ違いを感じますが、通常のライドで疲労に繋がるほど明確に「このアイウェア重いな」と感じたケースはゼロ。重量以上に視界が安定することによる恩恵の方が上回っています。
ちなみにシェードを取り外すと36gまで軽く。
オークリー史上、最高のアイウェア体験
これまで使ってきたどのアイウェアでも抱えてきたストレスが「停車時に曇る」と「汗がレンズに付く」の2つ。そのせいですぐにレンズが汚れてしまう。
WJ2.0を求めた最初のきっかけはその優れたレトロデザインですが、結果として今までのストレスが解消され、見た目だけでなく機能面からも史上最高の体験ができることに。
頻繁にJawbreakerを引き合いに出したように、ロード用アイウェアとしてJawbreakerが現在もスタンダードではあるものの、WJ2.0を選ぶことによって、間違いなくそれを越える満足度を得られます。
僕自身、特に汗をかきやすい日のライドは、ほかのアイウェアを差し置いて、Wind Jacket 2.0の素晴らしい体験を求めて手を伸ばすようになっています。
Highs
・視界、フィット感、デザインすべてにおいてJawbreakerを越える
・汗が目に入らない(パッド使用時)
・停車時も曇らない
Lows
・ほかのモデルより少し重い
・ヘルメットによっては合わない可能性がある(KASKは問題なし)
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