「POC Aspire」レビュー。ジェンダーレスデザインの“視える&映える”アイウェア。

POC Aspire レビュー

Text by Ryuji(@marusa8478

目元の印象はまだ変えられる。

僕はかつてレースに打ち込んでいたときからこれまで、adidas、シマノ、100%、Oakleyなど数多くのアイウェアを使ってきましたが、そのほとんどは“競技性”を全面的に打ち出すエッジの効いたデザインでした。
でも競技以外の走り方を楽しむようになった今、そういったアイウェアだけでなく、次第にアグレッシブ過ぎない抜け感のあるデザインが目元に欲しいと思うようになります。

そんなときに出会ったのが、POCの「Aspire」。
顔の印象を大きく変えてくれるだけでなく、機能面でも高次元で満足させてくれる、僕史上最高のアイウェアとなりました。

※本レビューで使用するAspire(Hydrogen White)はTOKYO WHEELS提供のものです。

POC – Aspire(アスパイア)

POC Aspire 白&黒

Aspire – Hydrogen White(¥28,080)※ブラックは私物

POCは2005年にスウェーデンで誕生したブランドです。もともとスキーレースのプロテクト用品から始まったことから、ライダーを事故から守る高い安全性と機能美を兼ね備えたプロダクトを展開。
ラインナップはいずれも北欧ブランドらしく、無駄を省いたミニマムなデザインが特徴です。

その中でAspireは、POCアイウェアの中でもスポーツでの使用を前提とした“Performance”カテゴリのひとつとして登場しました。
前傾姿勢で広い視野が必要になるロードバイクにとって、大きなレンズのAspireはぴったりです。

一枚レンズをフルフレームが覆うミニマムな形状は、一度見ると忘れられないデザイン

このフレームは医療器具用に開発された高強度のグリルアミド素材を使っているため、ぐにょぐにょと柔らかく折れにくい構造になっています(UVダメージ耐性にも優れている)。

形状は一般的なサイクリング用アイウェアに比べると湾曲が緩やかで、頬高な日本人の顔によくフィットします。
高さのあるノーズパッドも、程よく鼻にフィットして快適。

テンプル部分は、POCロゴがプリントされたパーツを境にして樹脂素材になっています。耳に触れる末端は少し柔らかめにすることで、長時間着用しても痛みが出ないように負荷を軽減してくれています。

重量は実測値40gですが、フィット感の高いノーズパッドと柔らかめのテンプル素材のおかげで負荷が分散されるため、重いと感じることはまったくありません。

テンプル部分はPOCヘルメットに設けられたアイウェアホルダーとの相性が抜群

カールツァイスレンズの“視える”威力

アイウェアに求める大きな役割は、ファッション性もさることながら、次々と変化する景色を確実にキャッチできる安定した視界を確保すること。

Aspireのレンズはカールツァイス社とPOC社で共同開発した特別なレンズが採用されています。このレンズは目に届く光量がとても安定していて、日中であれば晴れ/曇り問わず、路面の細かなコントラストまで捉えることができます。

この視野の安定性と明確さは他社のレンズよりも圧倒的に優れていて、Aspireを着けるたびに「やっぱカールツァイス視える!」とうれしくなってしまいます。

アジア人に似合う“丸み”

Aspireは速さを競うようなエッジの効いた外観ではなく、抜け感のある都会的なシルエットが特徴。
レンズ上部から下部にかけてなだらかに広がる丸みを帯びた形状、これがアジア系の顔立ちにとてもよく似合います。

平面的な顔立ちに自然に馴染む形状

ビッグレンズなので目元にインパクトはあるものの、丸みを帯びたシルエットなので相手に柔らかい印象を与えます

“ジェンダーレス”アイウェア

自転車関連のアイテムは男性が好むデザインが多い傾向にあるなかで、Aspireは一線を画しています。
それはAspireが性別を意識することなく、“人”や“ライフスタイル”そのものにフォーカスしてデザインされたからだと感じました。

マスキュリンやフェミニンといった属性はなく、ジェンダーレスな仕上がり。
そういった”人”目線でつくられたようなAspireは、中性的な佇まいの柔らかさとよく視える機能性を備えた、ほかにひとつとないアイウェアです。

だからAspireは(これまで10個近いアイウェアを使ってきた中でも)僕史上最高のお気に入りとなりました。

POC CraveとAspireの比較

POC crave

Crave – Hydrogen White(¥32,400)

POCのラインナップでAspireと同等に僕の琴線に触れ、以前から使っていたのが“Crave(クレイブ)”です。Aspireをライフスタイル寄りとするならば、Craveはもう少しアクティブな方向にモディファイしたようなアイウェア。

Aspireの平面的に湾曲したレンズに対して、Craveは立体的に丸まったレンズを採用しており、かけた時の顔が包み込まれるような感覚は秀逸です。かけ心地という点でいえばAspireよりも優れています。

フレームがレンズ両端のみをホールドする独特のデザインは、落ち着いたベーシックさとともに細かいところまで計算しつくされた美しさが光ります。

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POC Aspire 白&黒

POC Aspire(TOKYO WHEELS)

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