Text by Tats(@tats_lovecyclist)
冬の着こなしにジャケットは欠かせないもの。
ジャージの上に1枚羽織ることで、防寒性を高めてライドを快適にすることができます。
ただひとえにジャケットといっても、薄手のウィンドブレーカーから極寒用起毛ジャケットまで対応レンジがさまざま。
僕はこれまで薄手と厚手の2種のジャケットを使い分けていましたが、ときどきその中間くらいの素材を持っていればもっと細かい気温の変化に対応しやすいだろうなと感じていました。
英国のブランド「Vertex London(ヴァーテクス・ロンドン)」が今シーズンリリースしたウィンドジャケットは、まさにそんな中間を埋める理想的なジャケット。
着こなしの幅とライドの快適性、その両方を広げるプロダクトをレビューします。
*本レビューで使用するウェアはVertex London提供のものです。
Vertex London – Essenceウィンドジャケット
Essence Wind Jacket – $105.00
シンプルなウィンドジャケットはネイビーとブラックの2色展開(写真はネイビー)。
ロゴを使ったブランディングが優先される多くの消費カルチャーの中、見てわかるようにVertexのウェアはほとんどのロゴを排除しています。それは、ブランドではなくプロダクトそのものに自然と目が向けられるようにするためのブランド哲学。
LOVE CYCLISTでは2年前からVertexのウェアをレビューし続けていますが、そのモノづくりに対する姿勢が一貫して徹底しているところに、サイクリングファッションに新しい価値観をもたらす“本物”のブランドであると感じています。
バックポケット下の小さなロゴによって、かろうじてこのブランドのウェアであるということを認識できる
トップクラスの生地の選択
ロゴを排除したウェアに残るもの、それは生地そのものの優劣。
Essenceウィンドジャケットは、ジャケットに求められる防風性と、そして天候が不安定な秋冬にあってほしい耐水性を兼ね備えた生地を使用。
降り始めの雨は簡単に弾く耐水性
ジャケットを羽織っていると、ライド中蒸れて汗ばむということがよくありますが、Essenceの透湿性は一般的なウィンドブレーカーよりもはるかに優秀。ベタベタする感じが全然なくて、すごく快適です。
さらりと羽織るシルエット
着用サイズ: S(身長177cm/胸囲86cm)
そういった機能性だけでなく、ジャケットはジャージの上から軽く羽織れることが大事。
同ブランドのジャージと比べると、同じSサイズでも比較的ゆったりめのシルエット。ゆとりを持って着ることができます。
ただ袖のバタつきが起きてしまうので、綺麗に着こなすのであればジャージより1サイズダウンすることを推奨します(僕の場合、ジャージS、ウィンドジャケットXSが最適だと感じました)。
徹底したディティール
細部へのこだわりも徹底的。
袖口は二重になっていて、風は絶対に侵入させない。
ジッパーの裏には防風フラップ付き。
襟が高く、首元が暖かくキープされます。
3バックポケットつきのジャケット
2本のストライプは反射素材
裾テープによるの密着感はスマートでVertexウェアらしい部分
暖かく、軽やかに走ろう
冬はベースレイヤー+ジャージ+ジャケットという3レイヤーをうまく組み合わせることで快適にライドすることができます。特にジャケットは、最終的な対応気温を決める肝となるアウター。
左: ミッドナイトネイビー/右: ブラック
Essenceジャケットは長袖ジャージと組み合わせ、5℃前後まで暖かく快適なライドを実現してくれるもの。
さらっと羽織って身軽に出掛ける──軽やかでスマートな秋冬ライドを実現してくれるこの1枚は、いつも手元に置いておきたいジャケットです。
特長
- ・非常に軽量な中厚手のジャケット
・防寒&耐水性に優れ、透湿性も兼ねた素材
・3つのバックポケットあり
・風の侵入を防ぐ設計
・腕に反射素材の2本ストライプ
Highs
- ・軽くてさらっと羽織れる気持ちよさ
・コーディネートしやすく格好良い
・価格に対して品質が圧倒している
Lows
- ・折り畳むと少しかさばる
・袖がばたつく(筆者のように腕が細い場合)