TALK LESS. RIDE MORE.
サイクリングには瞑想効果があるということを、走る度にいつも思い知らされます。
走ることをルーティン化することで、サドルから降りている時間の中で絡まりあった悩みやタスクが、ペダルを回していくうちにほぐれていき、次に自分が何をすべきかが、ふとした瞬間に見えてくるということがよくあります。
そこでは何かを語る必要は何もなく、ただこの道を自分の意思で駆けるだけ。そうやって心を整える儀式としてのサイクリングは、いつも日々を潤してくれます。
ベルギーのサイクルウェアブランド“Çois Cycling Legacy(ソワ・サイクリングレガシー)”のコンセプトである「TALK LESS. RIDE MORE.」は、まさにその状況を言い表したものだと解釈します。トークよりも、ただライドすること。
そうやって思索するライドを支えるように作られたÇoisのウェアを着て、今週も心をほぐすための走りへと出かけました。その着心地をレビューしていきます。
※本ジャージはÇois Cyclingより提供いただいたものです。
EDDY Men’s Cycling Jersey
EDDY Men’s Cycling Jersey – €89.95
Çois(ソワ)はこれまで自転車をモチーフにしたカジュアルウェアを展開していましたが、今シーズンは新たにメンズのサイクルジャージ2種をラインナップに加えることに。そのうちのひとつがこのEDDY。
初めてこのジャージを羽織ったとき「なにか知っている着心地」だと感じて、タグを見ると製造元のところに“Bioracer(ビオレーサー)”の名前。ビオレーサーはベルギー、オランダ、ロシアなどのプロサイクリングチームにウェアを提供するような、非常にハイクオリティな製品づくりをするメーカー。
僕自身、ほかのブランドのビオレーサー製ジャージをよく着ているので、同じ着心地を提供してくれるのだとわかり、うれしい気持ちになりました。
綺麗な淡さの2トーンデザイン
サイズ:S(177cm/胸囲86cm)
デザインは淡いブルーとブラックの2トーン。シックな色合わせは、秋口のライドにぴったりの落ち着いた雰囲気。
シルエットは今流行りのエアロに寄ったタイトなものでは決してなく、やり過ぎないオーソドックスなスタイルなので、どんなサイクリストであっても綺麗に着られる仕上がりだと思います。
ディティール
襟のあるスタイル。最近ウェアもエアロ化によって襟なしジャージが増えていますが、このジャージが併せ持つクラシカルな雰囲気には襟があったほうが似合います。
また生地は割としっかりした厚みがあります。夏には少し暑いと感じるかもしれませんが、アームウォーマーと組み合わせる秋口にはベストな生地感。
長めの袖はレーザーカットで切りっぱなしの仕上げ。袖周りがピタッと無理なくフィットして気持ちいいんです。
これまでいくつも同じ切りっぱなし加工のジャージを着回していますが、どれもヘタれることはなく、強度についてもまったく心配する必要はありません。
裾側にもジッパーガードが付いているので、ビブを引っ掛けなくて安心。
バックポケットは横真っ直ぐに配置されたスタンダードな形状。十分な容量があります。
この第4の防水ポケット、付いているジャージが増えていますが、鍵などの小物を収容できるのでとても便利。
シティライドにも、クライミングにも。
デザインだけ見ると少し地味な印象を感じるかもしれません。正直、僕も着る前はモノ足りないんじゃないかと思っていました。
でも実際に届いたウェアを着て走ったあとは、まったく別の見え方をするジャージへと変化します。
「Talk Less. Ride More.」が意味するものや、斜めに走る象徴的な2トーンのデザインは、色々な解釈を持つ余地を与えてくれますが(二面性だったり山だったり)、何より必要以上に主張することのないデザインは、街中でも山中でも、どんなライドスタイルにも対応してくれるもの。
それでいて落ち着いたペールブルーの淡い色調が、心に寄り添うサイクリングへの助けとなってくれます。
ただ走ることに集中したいサイクリストにとって、なんてシンプルで上質なウェア。
自分が「何を着ているか」よりも、「どんな走りをするか」ということに意識を向けるために、このジャージは着続けていきたいと思います。
Highs
・クラシカルな雰囲気を併せ持った上質なデザイン
・どんなシーンでも気負うことなく着られ、日本人にも合うシルエット
・ビオレーサー製の優れた品質管理
Lows
・細身のサイクリスト向けのXSサイズがラインナップにない