Garmin Edge全6機種 – 130/540/840/1040/1050/Explore2 比較購入ガイド

ガーミンのピコ音。それはすべてのサイクリストの憧れであり、停車時にピコ音を出してドヤ顔してこそ、一流のサイクリストと言うことができる。
普通のサイコンで物足りなくなったすべてのサイクリストに、最適なガーミンエクスペリエンスをしていただくため、ライドスタイルに合った機種の選び方を一緒に見ていく。

text / Tats@tats_lovecyclist

*本記事は最新モデル(Edge1050)を追加した改訂版です
*2024年8月19日に価格改定が行われたため、最新の価格を反映しています

1. Garminを選ぶ理由

Garmin Edgeシリーズでできること

GPSを搭載した高機能サイクルコンピュータでトップシェアを占めるGarminの「Edge(エッジ)」シリーズ。Edgeは、GPS・高度計・加速度計などを用いてライド上のステータスを多方面から可視化してくれる。

▼Edgeで見る主なデータ

 目的 ライド中 ライド前後
ナビゲーション 周辺地図 ルート作成
ルートナビ ルートログ
ステータス把握 スピード 走行距離
ケイデンス 獲得標高
心拍 TSS
斜度 NP
パワー Strava連携

速度、ケイデンス、心拍が計測できるのはもちろんのこと、パワーメーターで出力を把握したり、ソロライドで仮想のライバルを設定しり、ヒルクライムのペース管理をしたり。
Edgeシリーズはこうしたライドやトレーニングの質を高めるための機能が豊富

また、知らないコースを開拓していくナビ機能も充実しているので、いつもと同じコースを走ってマンネリ化しがちなライドに新しい発見をもたらすことができる。

あえてGarminを選ぶ理由は?

多機能GPSサイコンはGarmin以外にも多数ある。
WahooのようにUIが優れているプロダクトもあるし、Garminより遥かに安価なメーカーもある。それでも多くのサイクリストがGarminに行き着く理由は、ユーザー数の多さ機能の安定性が大きな要因だ。

ユーザー数の多さは情報量の多さでもあり、購入や使用にあたってほかのユーザーから必要な情報を得やすい
またGPSサイコン開発の先駆者であるGarminは、高いGPS精度のほか、トレーニングに必要な機能を率先して備えてきた。昨今は中国メーカーの台頭が著しいが、Garminに追随する形で機能強化しているため、まだ各機能の安定感はGarminに利があると言える。

 

2. 全6機種スペック比較

Garminの高機能GPSサイコンは、100系/500系/800系/1000系の4機種。そこにナビゲーション特化モデルのExploreががある。ほぼ毎年、各グレードのいずれかの最新版がリリースされており、2023年4月に500系と800系、2024年6月に1000系が最新化されている(*1040と1050は併売)。

Garmin Edgeスペック比較表

 機種
130 Plus
Edge540
540
Edge840
840/
840 Solar
Edge 1040
1040 Solar
Edge1050
 NEW 
1050

 Explore2
発売  2020.7 2023.4 2023.4 2023.6 2024.6 2022.9
スペック サイズ 41×63×16mm 57.8 x 85.1 x 19.6mm 59.3 x 117.6 x 20mm 60.2 x 118.5 x 16.3 mm
106.1x 55.7 x 20.6 mm
ディスプレイ 1.8インチ モノクロ 2.6インチ カラー   3.5インチ カラー 3.5インチ カラー 3.0インチ カラー
重量 33g  80.3g
84.8g/
89.9g(Solar)
133g 161g 104g
操作  ボタン ボタン ボタン+タッチスクリーン(静電容量式)
内蔵メモリ あり 16GB 32GB 64GB 64GB  16GB
バッテリー 13時間 26時間
26時間
+ソーラー6時間
35時間
+ソーラー10時間
20時間 16時間
機能
地図+ナビ
トレーニング機能
GroupTrack
事故検出
メッセージング
ルート自動生成*1
ClimbPro
バイクアラーム
リアルタイムスタミナ
パワーガイド
サイクリング能力
価格 セット*2 ¥41,800 ¥80,800
¥85,800
*非ソーラーのみ
¥143,800
単体 ¥33,800 ¥63,800
¥85,800
*ソーラーのみ
¥126,800
¥126,800
¥60,800
特長 エントリー向け スタンダード 多機能 大画面&多機能
最強バッテリー
液晶の進化
Garmin Pay
ナビ特化
購入リンク Amazon(セット)
Amazon(単体)
Amazon
ワイズロード
Amazon
ワイズロード
Amazon
ワイズロード
Amazon Amazon
ワイズロード

*1 Popularity Routing機能
*2 セット:ハートレートセンサー、スピードセンサー、ケイデンスセンサー付属。

 

3. Garmin Edge主要機能

全モデル搭載機能

Garmin Edge 基本機能

地図+ナビ

130plus以外の機種は日本詳細道路地図を搭載しており、その地図を元に目的地までのルート設定を行うことができる。
130plusは詳細地図の表示はできないが、Garmin Connect経由でルートを転送し、曲がり角のポイントがわかるナビ機能を備えている。
また内蔵されている気圧高度計により、数秒のタイムラグはあるが、現在走っている道の斜度も表示される。

トレーニングデータ計測(機能抜粋)

Stravaやガーミンコネクトのセグメント対応:コース上に設定された特定のセグメント(区間)を走ったタイムをオンラインで競うことができる。仲間と一緒に走れなくてもトレーニングのモチベーションを上げることができる。

バーチャルパートナー:あらかじめ設定した速度や、過去に記録された自分の速度を仮想のパートナーとして一緒に走ることで、自分がパートナーに対して先行しているか遅れているかが表示される。

FTP+VO2Max計測:パワーメーターを利用して、パワー出力を示すFTP値(W)を表示。またパワーメーターと心拍計を併用して、自分の持久力を数値化したVO2Max(最大酸素摂取量)を表示し、現在の負荷レベルを知ることができる。

Group Track

同じGroupTrack機能があるEdge同士の位置情報を、画面内に表示させることができるもの。グループライドで集団が分かれてしまったときでも、仲間が今どこにいるかがわかる。

事故検出

端末には加速度計が内蔵されており、事故による衝撃を受けたと判断されると、位置情報を自動的に緊急連絡先に送信するようになっている。

540/840/1040/1050/Explore2のみ搭載

Garmin Edge 530/830/1040機能

クライムプロ

ヒルクライマーのための機能。コースナビを実行すると、内蔵地図データを元にヒルクライム中の頂上までの残りの距離と平均勾配をリアルタイムで表示する。ヒルクライムのペース管理に役立つ。

バイクアラーム

アラームをセットすると振動を検知して本体が警告音を発するもの。バイクから離れて休憩するときに安心できるが、センサーが過敏過ぎるので使いどころは限られる。

540/840/1040/1050のみ搭載

Garmin Edge1040機能

リアルタイムスタミナ  NEW 

自分のこれまでのトレーニングデータを元に、自分の残り体力が何%あるかを表示する。出力パワーの目安を表示してくれるため、ハンガーノック予防や長距離ライドのペース管理などに役立つ。

パワーガイド  NEW 

自分のパワーカーブとFTPのデータを元に、コースにパワーターゲットを割り当てる。自分の力に応じて区間ごとの出力が表示されるため、最後まで力を出し切ることができる。

サイクリング能力とコースの要求  NEW 

走行データから、自分の脚質を判定してくれる。脚質タイプはエンデュランススペシャリスト/クライマー/スプリンター/チャレンジャー/パンチャーなど。自分の長所と短所がわかり、それぞれを伸ばすためのトレーニンプランも提示。

 

3. あなたにぴったりのEdgeは?

各モデルの特長を紹介。自分に合った1台を見つけるためのマイルストーンにしてほしい。

Edge130 Plus – 優れたガーミン体験を身近に

Garmin Edge 130 Plus

基本機能を備えたベーシックモデル「130 Plus」(¥33,800/単体)。
130 Plusを選ぶメリットは「価格」と「重量」の2つ。機能や性能については、ほとんどのサイクリストにとっては必要充分だが、13時間というバッテリー持続時間の少なさは、長期的に使用してバッテリーが劣化したときにデメリットとなりやすい。
ただGPS精度の高いGarmin製品を求めるのであれば、まずは130plusが選択肢に入る。

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Edge 540 – 最新機能を備えたスタンダードモデル

Edgeの定番モデル500系は、2023年に「540」が登場(¥63,800〜)。
内蔵バッテリー26時間と駆動時間が大幅にアップ*。機能は2022年に登場した1040と同等のものになり、スタンダード機として十分過ぎる性能になっている。
*ソーラーモデルもあったが2024年に販売終了

上位モデル840との違いは、タッチパネルの有無内蔵メモリ容量(Edge540: 16GB、Edge840: 32GB)・重量(5gの差)の3つ。普段のライドでナビを活用する機会が少ないユーザーにとっては、540で事足りることがほとんど。

530 → 540の大きな変更点

バッテリー:20時間 → 26時間
ケーブル端子:microUSB → USB-C
測位精度向上:GNSSマルチバンド機能搭載
トレーニング機能強化:リアルタイムスタミナ、パワーガイドなど
ボディサイズと重量:高さ+8mm、幅+3mm、重量+5g 
 ※ディスプレイサイズ・解像度は変更なし

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Edge 840 – 死角のないフラッグシップ

高感度のタッチスクリーンを搭載したGarminのフラッグシップモデル「840」(¥85,800)。
540と同様にソーラー対応モデルがラインナップされ、機能は1040と同等に。
840はグローブの上からも使用できるタッチスクリーンでサクサクと操作できるなため、操作性を重視する場合や、ナビを活用する機会の多いサイクリストにとっては540よりも840が有力候補となる。

830 → 840の大きな変更点

バッテリー:20時間 → 26時間+ソーラー6時間
物理ボタン追加:荒天時はタッチパネルOFFにして物理ボタンだけで操作可能
ケーブル端子:microUSB → USB-C
測位精度向上:GNSSマルチバンド機能搭載
内蔵ストレージ:16GB → 32GB
トレーニング機能強化:リアルタイムスタミナ、パワーガイドなど
ボディサイズと重量:高さ+8mm、幅+3mm、重量+5g 
 ※ディスプレイサイズ・解像度は変更なし

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Edge1040 Solar – 超持続バッテリーでブルベ向き

Garmin Edge 1040 Solar

Edgeのハイエンドモデル1000系は、2022年発売の「1040 Solar」と2024年発売の「1050」が併売されるかたちとなっている(いずれも¥126,800/単体)。

1040が特筆すべきはバッテリーの持ち。前モデルの1030 Plusと比較して24時間→35時間になっただけでなく、ディスプレイ自体がソーラーパネルになったことで、日中は走っているだけで勝手に充電される仕様に*(最大で+10時間)。近年挑戦者が多いウルトラディスタンス系のライドを含め、未踏の地を開拓するサイクリストにとっては最も相性の良い存在となった。

*1040はソーラーパネル非搭載モデルもあったが2024年に販売終了

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Edge1050 – スマートフォンに近い存在に

2024年発売の「1050」は前モデル「1040」と併売されるかたちだが、その理由はバッテリー駆動時間の劣化によるものと思われる。1040が35時間+ソーラー10時間だったのに対して、1050は20時間(節約モードで60時間)と大幅に減少。

代わりにディスプレイの解像度が上がり、CPUが強化されたことで、見やすさや操作感が向上している
ほかに音声ナビできるスピーカーが搭載されたり、Garminウォッチデバイスに搭載されていたタッチ決済にも対応するようになりと、1050はよりスマートフォンに近い存在になった(これらの機能にお金を払う価値があるかどうかは各自に委ねられる)。

1040の圧倒的な駆動時間は、ほとんどの人にとってはオーバースペックであることは事実で、“適切な距離”をライドするサイクリストにとっては、使い勝手が向上した1050の方が最適な場合もある。

1040 Solar→1050の大きな変更点

  • バッテリー劣化:35時間+ソーラー10時間 → 20時間
    サイズひと周り大きく:59.3 x 117.6 x 20mm →60.2 x 118.5 x 16.3 mm
    重量アップ:133g→161g
    CPU&解像度強化:タッチスクリーンが滑らかに
    スピーカー搭載:音声ナビや電子ベルを鳴らすことが可能
    Garmin Pay搭載:Edge本体でタッチ決済可能

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Edge Explore 2 – ナビ機能に特化した道の探求モデル

ツーリング/サイクリングを好むサイクリストのためのモデル『Expore 2(エクスプロア2)』。価格はEdge540と同程度だが、ディスプレイが大型化(2.6→3.0インチ)していることで地図の見やすさが強化されている。ユーザーインターフェースも1040と同様に刷新。
ただトレーニング関連については、標準的な機能を備えているものの、他モデルにあるワークアウトやバーチャルパートナーといった機能が大幅に削ぎ落とされている。あくまで強くなるためではなく、ライドを楽しむことを重点に置いたモデル。
またeBikeにも対応した『Edge Explore 2 Power』もラインナップにあり、自転車のバッテリーと接続して充電できる。

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著者情報

Tats Tats Shimizu@tats_lovecyclist
編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。