より身軽なサイクリストでありたくて。
多くのサイクリストにとって、ロードサイクリングはライフサイクルの一部に組み込まれていて、サドルの上で過ごす時間が日常の延長上に代えがたい喜びを与えてくれるものになっていると思います。
そうなればなるほど、走ることはより重要な意味を持ち、走りたいと思ったときに自然とサドルにまたがるような、日常とライドが滑らかな金属の継ぎ目のように結びついていることが、よりライドを含めたあらゆる時間を楽しむために必要なことになってきます。
そのために、物理的な環境も、時間の過ごし方も整えてしまうのはサイクリストとしての性。
ローラー台スペースをつくって定期的に乗る、部屋に自転車をディスプレイして共に過ごす、体をつくるための食事バランスを考えるといったようなこと。
その流れの中で僕は「ライドと日常で使う財布を共通化すること」を新たに始めました。
大きな財布はもう要らない
そもそも財布を共通化しようと思ったのは、日常生活で財布を使う場面が本当に少なくなったことから。
食事もコンビニもスーパーマーケットも、スマートフォンからの支払いがほとんどになった今、滅多に使うことのないカードが何枚も入った重くかさばる長財布は、カバンの奥で眠っていることがほとんどに。
長財布ブームは去って久しく、そこでもっとコンパクトな新しい財布を手に入れようと考えていました。でもこれからキャッシュレスがさらに本格化する流れの中で、財布を買ってもほとんど使う機会がなくなることを考えると、財布そのものへ投資することに疑問を感じます。
そんな折に、CYCLISMのダニーさんとランチを食べたとき、僕がライド中に使っている財布「MAAP x Bellroy Phoneポケット」を彼が日常使いしているのを見て、ああ、そういう使い方ができるのだと気づきました(なぜ考えつかなかったのだろう)。
ここからライド用財布と日常用の財布を共通化するための環境づくりをはじめます。
カードを厳選
財布が必要なのは、紙幣や硬貨だけでなくカードの存在が大きなウェイトを占めます。
キャシュカード・保険証・免許証など、どうしても外せないカードがいくつかあることに加え、長財布はカードが大量に収容できるため、頻度は低いにしても必要なカードがたくさん。長年のうちに気づいたら枚数が増えている状態だったので、一度所有カードの棚卸しをします。
アプリ化できるものは破棄したり、滅多に使わないカードはカードホルダーへ移動したり。
そうやって僕の場合、8枚まで減らすことができました。
にしても、まだ多いこの枚数をBellroy Phoneポケットだけで管理するのは利便性にかけるため、スマートフォン側に主要なカードを収納できるようにして、スマホメイン&財布サブという運用体制ができるようにします。
スマートフォンを主役に
Bellroy Phone Case – 3 card(Tamarillo)
カードが収納できるスマホケースとして僕が選んだのは、Bellroyの「Phoneケース – 3カード」。
同じBellroyのPhoneポケットを1年以上使い続けて行く中で、品質も使い勝手も良いプロダクトづくりをするこのブランドへ愛着が湧き、スマホケースと財布を同一ブランドで統一することにします。
iPhone本体と完璧に一体化する精度の高いつくり、そしてさらっと手に馴染む革の滑らかな質感。
カードが入る分だけケースとしての厚みは出ますが(本体含めた厚みは約14mm)、その厚みを感じさせない一体感がすごく良い感じ。
背面のマグネット式スリーブに、クレジットカードの厚みが3枚分入ります。ここに週に何度も使うようなカードを収納。
必要なときにポケットからスマートフォンをさっと取り出して、カードもスムーズに使用できます。
もちろんApple Payでの支払いは、カードが入っていても干渉することはありません。
ちなみにこのケースは内側にSIMカード入れが付いています。海外旅行をするときにプリペイドSIMを購入して差し替える方は多いと思いますが、そのときにいつも使っているSIMをここに入れておくことができます。
細かい設計の気遣いがBellroyらしい。
また裏側に少しキャッシュを入れておくという手も。
財布を忘れてスマホの電池も切れた、という絶望的な事態をサバイバルするための保険になります。
Bellroy Phone Pocketが日常でも活きる
MAAP x Bellroy Phone Pocket(¥15,000)
そして財布側に、残りのカードとキャッシュを収納します。
ここで「Bellboy Phone Pocket」が活躍。かつてレビューしたPhoneポケットは、それから1年以上使用する中でレザーがいい感じに馴染み、当初よりもさらに使いやすくなっています。
日常使いするために収納方法も変更。
2つのスリーブは元々は上がカード、下が現金という使い方でしたが、カードだけを頻度別に分けて入れるように。
そしてスマホ収容スペースに紙幣+硬貨を入れます。
現金メインだった時代であれば、小銭が取り出しにくいため長財布よりも利便性が落ちますが、数えるほどしか現金を使わない今であれば、この状態でも不自由を感じることはほとんどない状態に。
財布がポケットにぴったり収まるサイズになったので、持ち運ぶことも全然苦にならなくなりました。
そのままライドへ
ライドに行くときはスマートフォンをそのままPhoneポケットに入れ、バックポケットに収納。防水なので紙幣が濡れる心配もありません。
貯まった硬貨はライド前に貯金箱などにまるっと入れてしまえばOK。
ライド中にGoogleマップなどを使いたいときは、いつも使っているBIKE Tieスマホホルダーにさくっと装着。ケースの厚みはありますが、そのまま問題なく付けられます。
少しずつ身軽になろう
「財布を共通化する」──それだけで今までライド前にいつも現金やカードを財布から移し替えていた作業がなくなり、よりライドと日常がシームレスにつながるようになります。
周囲にはわからない何気ない変化ですが、僕自身のサイクリストとしてのライフスタイルが無理なく日常に溶け込んでいるこの状態が心地よく感じます。
利便性を得るために「何かを買い足す」という行為はよくありますが、その分だけ抱えなければいけない資産が増え、気が付くとなにか心に重荷を抱えていることがあります。断捨離というブームが続いているように、生きやすくなるためには、ときには足し算ではなく引き算での物理的なデトックスが必要。
こうやってライドにおいても日常においても、抱えている「不便」を無理なく最適化することで、いつもシンプルに身軽に駆け出せるサイクリストでありたいと思います。
財布を最適化する
Bellroy Phone Case – 3card(Amazon)
対応機種:iPhone7/8/X/XS/XR
MAAP x Bellroy Phone Pocket(CYCLISM)
対応機種:iPhone6/7/8/X/XS/XR/XS MAX