フィロソフィーを感じるレインジャケット。Café du Cycliste「シュゼット」レビュー

Text by Ryuji(@marusa8478

秋の深まりとともにサイクルウェアのコーディネートにも工夫が必要になる季節となってきました。寒暖差や天候の変化が激しい環境では、様々な温度帯や天候に対応してくれる機能性の高いウェアが必要です。

今回レビューするCafé du Cyclisteの“SUZETTE(シュゼット)”はレインジャケットカテゴリーに属し、CDCの防水ウェアの中で最も高い防水性能を誇ります。

僕自身は雨の日には積極的に走りに行かず、防水性能は保険的に備わっていれば良い程度に考えているため、レインジャケットに対してもこれまでは多くを求めていませんでした。

でもシュゼットはCDCが自信を持ってリリースしたレインジャケットだということを聞き、またこれまで何度か袖を通してきた同社ウェアへの信頼もあり、その真価を確かめたくなりレビューさせていただくことにしました。

※本レビューで使用するジャケットはCafé du Cycliste提供のものです。

Café du Cycliste – カフェ・ドゥ・シクリステ

Café du Cycliste(以下: CDC)は、フランスのニースを拠点とするブランドです。

ワールドツアーのワンデーレース“パリ~ニース”のゴール地点としても知られるこの街は、1年を通して過ごしやすい気候で、自転車を楽しむための環境に恵まれています。細部のディティールまでこだわった高い品質もちろん、シンプルながらもトレンドに流されすぎない独自のデザインは、他のブランドとは一線を画した上質なライドスタイルを提供してくれます。

卓越の防水性能

シュゼット – レモンクローム(¥30,785)

マッキントッシュのレインコートやバブアーのオイルドジャケットにインスピレーションを得ながら、自転車でのシーンに最適化したというシュゼット。 

テープドシーム、防水ファスナー、DWR(耐久性撥水)加工を施し、徹底的に水の侵入を防ぐ設計となっている一方、DWR加工は内側からの蒸気を外に排出する機能も果たすため汗冷えも防ぎます

激しい雨を想定してボトルで直接水をかけてみましたが、表面で完璧に水を弾き水分が一切留まることがないので表面は常にカラカラです。

レイン&ウィンドブレイクジャケット

多くのサイクリストが天気予報を確認してからライドの予定を入れます。だから雨だとわかっていて走りに行くことの方が稀なこと。
ともするとレインウェアをあえて買う機会もそんなにないかもしれません。

でもシュゼットの用途は雨模様の日に限定されることはありません。
生地は高い防水性を備えながら、他のウィンドジャケット同様に風を遮断する性能にも優れていて、体温調節の羽織として秋口〜冬〜春先にかけて活躍してくれます。

生地がしっかりとしているので、折りたたんだときの収納性はまずまずといったところです。脱いだ後に綺麗に畳めばバックポケットへちゃんと収まってくれます。

動きを邪魔しないシルエットと適度な伸縮性

CDCのウェアには、過度なタイトフィットではなく適度に余裕を持たせたスウィートスポットの広いウェアが多め。

シュゼットも例外ではなく、体との間に適度な空間と伸縮性を持たせることで幅広いライドシチュエーションに対応する設計になっています。

袖や裾は伸縮性の高い素材で雨風の侵入を防ぐ。こういったディティールのこだわりがCDCらしい

冬のコーデに差し込むノスタルジックイエロー

左: レモンクローム / 中央: ネイビー / 右: インペリアルブルー

カラーはレモンクローム(メンズ/ウィメンズ)・ネイビー(メンズ)・インペリアルブルー(ウィメンズ)の3色展開。

中でもレモンクロームはどこかノスタルジックな落ち着きと深みのある黄色で、今までの自転車ウェアにはなかった色味です。

特に自転車ウェアの冬物は暗めのトーンのものが多く、黒だらけになりがちなところですが、落ち着いた雰囲気のイエローを差し込むことで一気にこなれた印象に。

洗練のサイクリストへ昇華させてくれるジャケット

ここ数年加速度的なペースで新製品をリリースするCDCですが、そのプロダクトやコレクションにはそれぞれのストーリーが存在します。

例えば以前CDCをレビューした際に着用した『ヴァランティーヌ』は、フランスのアイコニックな柄をモチーフに、ツール・ド・フランスの象徴的なシーンをあしらい、サイクリストにとっても親しみやすいデザインに仕上げていました。

18世紀フランスの伝統的な柄がモチーフのヴァランティーヌ

そしてシュゼットに関して言えば、マッキントッシュのレインコートやバブアーのオイルドジャケットのようなレインウェアのアイコンにインスピレーションを得ながら、サイクリストが求める必要条件を満たすというコンセプトのもとに制作されています。

今回シュゼットをレビューし、改めてCDCの一貫したフィロソフィーを感じることとなりました。
それは(ちょっと大げさかもしれませんが…)ファッションを通して僕たちの知らなかった社会と自転車の接点を伝えながら、これまでよりも洗練されたサイクリストに昇華させてくれるという姿勢。
CDCは今まで以上に心惹かれるブランドへと進化しています。

Highs

・ウィンドブレイク機能も備えているため年間通して着用機会がある
・美しく落ち着きのあるイエロー
・タイト過ぎず、程よい伸縮性もある

Lows

・バックポケットに収納する際には多少気をつかう

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Café du Cycliste公式サイト(日本語)

Text by Ryuji@marusa8478
Photo by Tats@tats.cyclist