ロードバイク×カメラの魅力 – 2021年をお気に入りの写真で振り返る

定番スタイルとなった自転車×カメラ。
撮った写真はいつもGoogleフォトでライドメンバーに共有していますが、今年作成したアルバム数は53。ほぼ毎週のペースで撮影を含むライドをしていました。
その中からお気に入りを絞り込むのはかなり悩みましたが、思い出深いものを中心に振り返っていきたいと思います。

text/Tats@tats_lovecyclist

1. 年明け

年初から緊急事態宣言が発令されたこの年の幕開け。外に出る機会が少なくなり、2021年の記憶があまりないという話をよく聞きます。
僕も同じように、地に足がつかない状態の中で足掻いていたような記憶だけが残っています。

Meiが撮影ディレクションを担当した『Kplus Nova』の写真は、アースカラーのヘルメットと冬の褪せた色彩がぴったり。当時のひんやりした空気と人気の少ない道の感覚がありありと思い出されます。

この時期は街中ではなく、山の方へ行くことがほとんどでした。この写真を撮ったときは全員がベージュ系でスタイリングしていて、山の雰囲気にフィットしています。
普段のライドでは何を着るか事前に決めることはありませんが、偶然調和するときは何か嬉しい気持ちになります。

女性による、女性のためにつくられた『Black Sheep Cycling』のウェア。凛とした雰囲気を出したいと思って撮影に臨みました。
2月に半袖を着るという過酷な状況でしたが、Meiがしっかりモデルとライティングをこなしてくれたのが印象深い。

No Pressure Club

 

2. 春

季節が変わると、装いも一気に爽やかに。
『Attaquer』を着る3人の若さ溢れるテイストは「今までになかった雰囲気」という感想を色々な方から聞きました。

「このメンバーじゃなきゃ撮れない」という画が好き

昨年と比べると、今年はいくぶん人と会いやすい状態にはなっていたので、積極的に仲間を紹介してもらったり、会いたかった人に声をかけるようになりました。

Bekiさんもそのひとり。「ジャージオタク」と自称するほどなので、オタクの集団となった我々は一層話が弾みました。
サイクルウェアのコンテンツが多いラブサイですが、特定のブランドを取り上げるときは、雰囲気に合ったサイクリストや、そのブランドを好きな方に着てもらおうとしています。だから今年はコミュニティの輪が自然と広がっていくような年でした。

自分が被写体になることは少なくなりましたが、サイクリストのさまざまなスタイリングを撮ることも楽しいし、各人がブランドに対して持つ「好き」という生の温度感を伝えることが、読んでくれる方にとってもそのブランドにとっても最適だと考えて今のスタイルにしています。


 

『Black Sheep Cycling』の限定ジャージ。昨年のLimited Tokyoが好評で、2021年も日本をモチーフにしたコレクションがリリースされました。

今年はスチールに加えてムービーも撮影(フォトグラファーは昨年に引き続き茂田氏)。スケジュール、撮影プラン、クリエイティブなど、本国の高い要求レベルを落とし込んでいくのは、今思い返しても本当に大変でしたが、とても面白いプロセスでもありました.。

 

風張林道手前の猫ゾーンにはいつも立ち止まる

Rinの発案で「写ルンです」で撮るという新しい試みも

 

3. 夏

春から夏の境界はくっきりしていて、気温の上昇に身体が追いつかなかった記憶があります。さらに台風や雨で撮影スケジュールが押して今年も「ラブサイしぬ…」と何度も思いました。

夏はドボンの季節

スタジオ撮影するようになったのも今年から。『NOZA S』のプロモーションビデオは、フォトグラファー&ビデオグラファーの岩崎氏と一緒に、和やかな雰囲気の中で作り上げていきました。

RyujiとMeiのこの2枚がお気に入り

 

ラブサイでは初めて泊まりで実施したバイクパッキング企画。Peloton de Parisから企画の内容はお任せされていたので、メンバー4人と一緒に、どこで何をどういうスタイルでやるか、アイデアを出し合いながら計画しました。それぞれが自分の好きなスタイルを持っていて、連携もスムーズだったので、非常に心強いチームでした。

POW BARを食べる

『自転車遊び』をテーマに据えた2日間。既存のロードスタイルとは大きくかけ離れていていましたが、この企画をきっかけに、自分の自転車スタイルの意識も少しずつ変化していきました。
「どんな走り方が心地よいのだろう?」「それは今後のマーケットの方向と合致しているのだろうか?」ということをよく考えるようになります。

クランクアップのおつかれセルフィー

 

『NDLSS』のこの2枚は、予めメンバーに「こういう画が撮りたい」というイメージを見てもらい、それに合わせて走ってもらったもの。
皆ポジションやライン取りがうまく、撮り直しがほとんどなくバシッと決めてくれたので、NDLSSの画は全体的に高いクオリティになったと感じています。

『CHPT3』はブランドの洗練された雰囲気に合わせて都内で撮影しました。メインのビジュアルはスクランブル交差点というド定番のスポットですが、純日本的な要素をいかにうまく取り入れられるかというのも最近のテーマで、あえてベタなスポットを選んたりもしています。
海外の格好良いスタイルをただ真似するのではなく、それらを取り入れながら「日本向けにローカライズする」という点は、ラブサイの重要なテーマでもあります。

夏の終わりのグロッキー

 

4. 秋

世界メンタルヘルスデーに合わせて、世界中で実施されたBlack Sheep Cyclingの「マンライド」。その日本版は、アンバサダーのMasayukiさんをライドリーダーに迎えて実施しました。まだこの時期は対外的なメンバー募集が難しかったため、Masayukiさんと僕たちのコミュニティのBSC好きを中心に集まりました。
ピクニック型ライドはラブサイでもときどきやっていますが、暖かい季節には最高のアクティビティです。

 

メンバーのひとりのDi2が断線してインナーローから変速できなくなり、常にハイケイデンスとなった千葉ライド。全員が合わせてハイケイデンスにしたり、後ろから支えたりと、優しさが溢れる一日でした。

 

Topstoneを借りて、MTBやグラベルを持つ仲間と走った奥多摩むかし道。時間がないとこうした遊びはなかなかできませんが、来たるべきグラベルの未来に向けてのスタイル探求は、2022年に取り組みたいことのひとつです。

今年はスマホの画面を意識して縦位置で写真を撮ることが多くなりました。
インスタのストーリーは9:16の縦画像だし、記事で使うときも印象的な場面は縦位置のほうがインパクトが強い。
デバイスやプラットフォームの特性に合わせて、撮り方も変えていく必要性を学んでいます。

 

5. 冬

ファインダーを通して、けんたさんのスター性を再認識した『Café du Cycliste』企画。CDCの世界観とけんたさんのキャラクターが完全にマッチしていました(CDCの担当者が“Ahh, we love Kenta-san!”と言っていた)。色々な表情をしてくれると、撮る側はすごく楽だったりします。

 

『Universal Colours』は、ブランドコンセプトからRanさんがマッチすると考えて一緒にレビューしてもらいました。

2枚目はイケてる雰囲気ですが、実はラーメン屋を探している。切り取り方でどうとでもなるのが写真の面白さです。

 

そして年末。ここ3年の間ラブサイの成長を支えてくれたRyujiが1月に愛媛に移住するため、一緒に走ることの多いメンバーでお疲れさま会をしました。

マンションの一室を借りてパーティスタイル。
食事やお酒を楽しむだけでなく、自転車関連ワードで『ワードウルフ』もやりました。自転車ワードに絞ったワードウルフは、仲間同士でやるとめちゃめちゃ楽しいのでおすすめです(楽しみすぎて写真が撮れていない…)。

いつもウェア姿しか見ていないメンバーの私服は新鮮

Ryujiがいなければ、Love Cyclistがここまで素晴らしいコミュニティになることはなかっただろうし、自転車界との横のつながりも、彼がいてくれたからこそ広がったものでした。
また僕自身、走り方や機材に対する感じ方などRyujiから多くのことを教わったし、どうすべきか悩んでいたときも、彼との会話の中からよく方向性を見出したりしていました。

愛媛に行っても引き続きリモートで関わってもらいますが(離さない笑)、いったん東京でのステージの区切りということで、この場でもお礼を伝えたいと思います。

メンバー一同、また一緒に走れるときを楽しみにしてるね。

* * *

自転車界におけるウイルスの影響はまだ終わりが見えず、来年がどんな年になるか未知数ですが、その先の未来が明るいことを期待して、2022年も変わらず記録を残し続けていきたいと思います。

Thanks! Mei, Rin, Hiroko, Taka, Ryuji, Rokuto, Masanaga, Riku, Beki, Nobu, Miki, Hiroki, Kanata, Masayuki, Kekke, Hiro, Shosei, Kaho, Takuya, Kenta-san, & Ran(登場順)

text/Tats@tats_lovecyclist
photo/Tats, Ryuji, Hao, Riku, Rin