みんな誰もが“ロードバイク初心者”だった。メンバー13人の黒歴史を晒す記事。

今どんなにいい機材を使っていても、どれだけ走れるようになったとしても、最初は誰もが初心者だった。
そのころの自分を見返すのは恥ずかしい。そのときは格好良いと思っていたはずなのに、むちゃくちゃ恥ずかしい。

でもそれは当たり前のことだ。
昔の自分を恥ずかしいと思う感情は自分の感性がちゃんと育ったことの証だし、この10年で自転車スタイルが洗練されたことの証でもある。

僕たちがひたすら過去の恥をさらすことで、昔と比べると選択肢が豊富にある今の時代の素晴らしさを称えよう。
そして初心者をはじめとした読者の方々が、着こなしを考える上で色々な気づきを得られればいいなと思う。

著者情報

TatsTats Shimizu(@tats_lovecyclist)
編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴12年。海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。同時にフォトグラファーとして国内外の自転車ブランドの撮影を多数手掛ける。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。

text & photo / Tats(@tats_lovecyclist)

Tatsの場合

Tats
Tats – タツ
ラブサイ編集長&フォトグラファー。ロードバイク歴12年。まず自分から恥をさらすスタイル。
 @tats_lovecyclist

現在↓

自転車メディア編集長としてさまざまなスタイルを発信している筆者(右)だが───

12年前↓

──これを見た全員から「ラブサイの権威が落ちる」と言われた。悲しいからやめてほしい。
イケてる/イケてないとかいう考え自体に及ばず、とりあえずあるものでスタイリングしていた初心者時代。こんなスタートラインでも一応ラブサイ編集長をやれているので、人は変わろうと思えば変われるはず…!

初心者あるある

#ショートパンツはきがち
#前髪出しがち
#バーテープで個性出しがち

本人コメント

「こだわりの白バーテープ(白目)」

 

Takaの場合

Taka
Taka – タカ
外資系企業勤務。Specialized/MAAP/BOOKMANアンバサダー。さまざまな山々をつないで一度に標高4,000m以上獲得するライドを好み、周囲からは敬意を込めて“変態”と言われ続けている。 @koolt4884

現在↓

今でこそMAAPアンバサダーとしてキマっているTakaだが───

8年前↓

──この男が昔バッキバキだったのは黒光りした肌でよくわかる。ROLEXを着けてRaphaジャージに柄パンで走るギャル男。関わりたくなさ過ぎる。

ちなみにTakaとは時坂峠(東京都西多摩郡)で偶然会って、そこでナンパして一緒に走るようになったのだが、もし当時この格好だったら絶対に声をかけない。

初心者あるある

#胸元開けがち
#Raphaは間違いない

本人コメント

「これで都内爆走してました」

 

Annaの場合

Anna
Anna – アンナ
福島県出身。Specializedライダー(S-Crew)。Fingerscrossedアンバサダー。走ることが大好きで、休みのたびにさまざまな山に遠征。思い立ったら日帰りで磐梯吾妻スカイラインに行くほど行動力に溢れる。道中はずっと喋っている。ジャンル問わず洋楽メインのフェスが好物。
 @annannanna1002 

現在↓

Fingerscrossed、Uvex、Specialized、Wahooなどトップブランドのサポートを受けるAnnaだが───

8年前↓

──バイクとウェアでトータルコーデしたり、ソックスとアイウェアの色を合わせたり、努力の跡が初々しくてかわいい。
あとサングラス掛ける位置が斬新(そこに刺さるんだ!?)。
下はショートパンツをはいているが、スタイルの正解がよくわからない中でもサイクルスカートだけは絶対に許容できなかったらしい。

初心者あるある

#バイクとウェアの色揃えがち
#黒いシューズ選びがち
#榎本牧場行きがち

本人コメント

「私まだまともな方じゃない?ねぇ!!」

 

Rikuの場合

Riku
Riku – リク
最近はラン業界にも出入りして双方で活動の場を広げている。競技面とスタイル面、どちらも兼ね備えたライドスタイルを実践しており、本人曰く「俗に言う“イケてて速いやつ”になりたい」。
@rikuchan.jp

現在↓

学生時代の競技生活を経て、自転車業界で活躍する社会人Rikuは、スタイリングもフォームも完璧にキマっている。

8年前↓

彼は高校からロードバイクを始めた。これは初めてのサイクルジャージが嬉しくてお母さんに撮ってもらった1枚(泣ける)。当時はむちゃくちゃかっこいいと本人は思っていた。
立ち姿もヘルメットの被り方も生活感のある部屋もサングラスに映り込む母君の撮影姿も、すべてがかわいい。

半年後にはMAAPのウェアを着るようになっていたので、高校生の段階から垢抜けたのがすごい。

初心者あるある

#はじめてのジャージ誇らしい
#立ち姿迷いがち
#Amazonでサングラス買いがち

本人コメント

「お小遣いで買いました」

 

Nonの場合

Non
Non – ノン
ショップ仲間やSNSで繋がったサイクリストとよく走る。車の運転が大好きで、車載してドライブを楽しみつつ、現地ではライドを楽しむスタイルを特に好む。
@___nonpic

現在↓

LOOKが大好きで、これまで2台乗り継いでいるNonの過去は───

8年前↓

──やっぱりLOOKに染まっていた。たまたまお店に飾ってあったLOOKのジャージを安く譲ってもらって、バイクと同じLOOKの上下セットウェアにテンション上がったという。
当時は「ロードバイク乗り=渋いピチピチのウェアを着ているおじさま」というイメージしかなかったので、モンドリアンカラーを着ているだけでオシャレだと思っていた。
ジャージに合わせたかのようなヘルメットの色も秀逸。

初心者あるある

#バイクブランドとウェアブランド揃えがち
#くるぶしソックス履きがち

本人コメント

「このときはおしゃれなウェアがあるとは思ってもいなかったです…」

 

Bekiの場合

Beki
Beki – ベキ
Café du Cyclisteアンバサダー。ブルベやヒルクライムなどを中心にライドを楽しむ。2023年8月に開催されたPBP2023で1200kmを制限時間内に完走。自転車コミュニティ「Saddle up!」を立ち上げ、自由で親密なサイクリストの輪を広げている。
@beki_no_ikubeki

現在↓

Café du Cyclisteアンバサダーを務めつつ、ブルベを走ったり、全国各地のイベントに出たり、コミュニティを運営したりと引っ張りだこのBeki。

15年前↓

自転車1年目からTREKに乗っていたが、ヘルメットをBianchiにしたのは、色が可愛かったから。そういう理屈が難なくまかり通るのが初心者時代。
次第に海外新興ブランドのジャージに興味を持ち「ジャージおたく」となっていくが、この頃はまだAmazonで買っていた。

初心者あるある

#色でアイテム選びがち
#とりあえずAmazonで探しがち
#ガッツポーズしがち

本人コメント

「色々試して今があるなーと思います!」

 

Miharuの場合

Miharu
Miharu – ミハル | 東京
学生時代は自転車競技部に3年間所属し、表彰台に上る実績を残してきた。ロード競技からは引退したが、変わらずスピード感や刺激も含めたメリハリのあるライドを好み、CXレースにも参戦している。
@mih.tokuyama

現在↓

長身を活かしてがんがん踏んでいく競技出身のMiharuは───

11年前↓

── 当時まだ155cmの中学生。ちょっとサイズの余ったジャージ&ビブがかわいい。サイズ48の愛車TREKと中華ジャージでプロ気分を味わいつつ、小学生から使ってるヘルメットと父親のサングラスを着けて、しまなみ海道を1日で往復していた。
黒歴史というにはあまりにも純朴で、Miharuの成長を感じる1枚である(親目線)。

初心者あるある

#中華ジャージ着がち
#しまなみ行きがち
#伸びしろありがち

本人コメント

「TREKはバイクプラスで購入し、フィッティングしてもらったり色々とお世話になりました」

 

Mikiの場合

Miki
Miki – ミキ
ロードバイク、グラベルバイク、シクロクロスバイクを所有し、高いフィジカルであらゆる路面を軽やかに駆ける。アカウント名は大好きなアルベルト・コンタドールに由来。探究心を絶やさず、「物欲は永遠に止まらない」がモットー。
@miki___berto

現在↓

2年前に東京から和歌山に移住してからは、釣り師・美容師・ときどき自転車乗りのMikiは───

8年前↓

──自転車を始めたと同時に競技志向のチームに加入。速くなることしか考えてなかったので、チームの先輩達が着ている物を真似していた(ワンピースばっかり)。それでもヘルメットとシューズを白で統一しているあたりはさすが。
SNSは最初Stravaしかやってなかったので、Instagramを始めたときにラブサイを見て『自転車ってオシャレな方々がいるの?!!』と衝撃を受けたらしい。

初心者あるある

#速くなることがすべて
#一緒に走る人の影響受けがち
#短いソックス履きがち

本人コメント

「靴下は滑り止めがついてる短めが速くなると信じてずっと履いてました」

 

Moeの場合

もえぞー
Moe(@mmm.moeppp)
もえぞー。競輪選手を目指したことをきっかけにロードバイクを始める。シクロクロスにも参戦。昨今はHYROXに出場するなど、精力的に筋肉活動している。

現在↓

各地のイベントゲストとして活躍しながら、Orbeaに乗ってオンロードもグラベルロードも楽しむもえぞーは───

4年前↓

──同一人物に見えないレベルで変化していた。
もえぞーは当時自転車に乗りたい気持ちはすごくあったけれど、周辺アイテムも高価でなかなか手が出せず、とにかく安いもので揃えたという。
マスクがあの時代の閉塞感を映しているが、そんな中でもまず走り出すために、自分にできる範囲でできることをする。初心ってそういうことだよね。

初心者あるある

#金銭感覚が正常
#ヤノクロが目的地
#弱ペダから入りがち

本人コメント

「ポイントは鳴子くんのヘアゴムです」

 

Yukariの場合

Yukari
Yukari – ユカリ
Ridleyアンバサダー。ロンドン留学中に見た「弱虫ペダル」にはまり、帰国後すぐロードバイクを購入。ヨーロッパ18カ国をバックパックで回ってきた行動力や、仕事として携わってきたファッションへの感性を活かし、自転車に関わる活動を幅広く行っている。
@hii_road

現在↓

2022年からRidleyアンバサダーを務め、RidleyといえばYukari、YukariといえばRidleyと多くの人が想起する今だが───

7年前↓

──初心者の頃からRidley大好きだった。ウェアもRidleyを着ており、「Ridleyだらけですべて揃えたい」と思っていた。
当時フォロワー2,000人くらいだったYukari。まだ写真の撮り方がよくわからず、フォロワー28,000人の仲間にポーズ指南を受けて撮ったのがこの写真。ちゃんと盛れてるのはさすがとしか言いようがない。

初心者あるある

#前髪命
#前髪命
#前髪命

本人コメント

「ヘルメットはこれでも被れていると思っていた」

 

Masanagaの場合

Masanaga
Masanaga – マサナガ
千葉県在住。運転好きで、ドライブ&ライドを堪能しながら千葉のカフェやグラベルロードを開拓している。
 @masa_caadondale10

現在↓

長身を活かしたスタイリングでシンプル&クリーンな着こなしを好むMasanagaは───

10年前↓

──中2からロードバイクを始め、当時一緒に走っていたおじさま方のアドバイスを元に、自分で買える範囲のものを選んでいた(写真は高1のとき)。
Kabutoがいいと言われたらKabutoを買い、おじさまのJawbreakerに憧れたらAmazonで似たような激安製品を買い、シューズはおじさまから譲り受けて大切に履いたという。

歴史を遡ると、スサノオの時代から始まって、おじさまたちの意志は現代まで絶えることなく次の世代へ渡されてきた。良いものを教え、持てるものを譲り、若者が自分の道を見つけるよう見守る。僕たちが今こうして走れているのも、数々のおじさまたちの偉大なる意志によるものだと感じる出色の1枚。

初心者あるある

#周りのおじさまが偉大
#顎紐ゆるみがち
#サムズアップしがち

本人コメント

「アクセサリはつければつけるだけカッコいいと思っていた」

 

Ranの場合

Ran
Ran – ラン
基本自転車乗り、時々お医者さんのギャル。FUNRIDEでのコラム連載や、GPSで日本地図を描く#伊能忠敬プロジェクト、自転車の楽しみ方を追求するラジオ「ペダミミ」の運営など自転車に関わる幅広い活動をしてきた。2023年より米国に移住し、絶賛子育て中。
@31_ran_

現在↓

3年前に渡米してからも人気ラジオ「ペダミミ」を更新し続け、今後の活躍も楽しみなRan。

10年前↓

学生だった当時はバイトで稼いだなけなしのお金で自転車を買ったため、ウェアなどは全部人からのお下がりでやりくりしていた。
数年後、自転車のGPSログで日本地図を描く『#伊能忠敬プロジェクト』が始まるのだが、初心者時代からの節約術が「継続・イズ・パワー」「公園の噴水は公共シャワー」「ダイソーコスメは高性能」といったプロジェクト完遂のための思想に繋がっていると思うと非常にエモい。

初心者あるある

#お金がない

本人コメント

「お金がない」

 

Ryujiの場合

Ryuji
Ryuji – リュウジ
会社経営者。POCアンバサダー。ラブサイ初期メンバーのひとり。自転車専門誌の編集やウェアメーカー勤務時の知見や人脈を生かしながら新しい風を吹き込む。
@ryuji_ride

現在↓

4年前に愛媛に移住し、環境が変わっても家族が増えても精力的に活動を続けるRyujiは───

16年前↓

──学生時代とにかくレースにのめり込んでいた。今回掲載するメンバーの中で最も歴が長いこともあって、2010年頃のクラシカルなスタイルを窺い知ることができる。 ウェアはSAXOBANKのチームレプリカ。このセットアップは、今ほど普及していなかった海外通販でわざわざ買ったもの。
さらに時代を感じるのが、当時流行していたコンプレッションハイソックス。脚の疲労を軽減できるということで、たくさんのレーサーが着用して“絶対領域”を見せていた。

初心者あるある

#レプリカジャージ着がち

本人コメント

「当時はこの格好が最高にかっこいいと思ってました」

 

自転車の力。

みんな誰もが初心者だった。そこから何年もペダルを回し続けてきた。その間、何度も「これがイケてる」と思い込んでは、後から見返して恥ずかしくなることを繰り返してきた。感性はいつまでも完成するものじゃない。時代に合わせて、失敗を重ねて、判断力を少しずつ養っていくものだ。

幸い今は、10年前とは比べ物にならないほど選択肢が豊富な時代だ。当時よりずっと早く納得できるスタイルにたどり着けるはず。
だから僕たちは今日も懲りずに、自分たちのスタイルをより良くしようと思う。その前へ進もうとする意思をもたらすのが自転車の力だ。

今の自分のスタイルが、10年後には黒歴史になっていたとしてもそれでいい。今しかできないスタイルを思い切り楽しもう。

text & photo / Tats(@tats_lovecyclist)

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