【プロダクトレビュー】Fizik Vento Ferox Carbon:SPDにロードシューズの感覚を。

Fizik Vento Ferox Carbonレビュー

最近はロードでもグラベルでも2ボルトシューズを着用することが多くなりました。それを後押ししているのが、グラベルレーシングシューズである『Fizik Vento Ferox Carbon』の存在。
2022年10月に購入し、その後使用する中での良い点/気になる点をレビューします。

review/Tats@tats_lovecyclist

1. スペック

2022年春に発売されたフィジークの『Vento Ferox Carbon(ヴェント・フェロックス・カーボン)』。
フィジークシューズのレーシングカテゴリ“Vento”に分類され、“Ferox”はラテン語で「獰猛/野生」を意味します。その名の通り、ハードなシクロクロスやグラベルレースで使われることを想定したシューズ。

アッパー PUラミネーテッドメッシュ
クロージャー パワーストラップ+BOA
ソール フルカーボン(剛性10/10)
重量(カタログ値) 297g(サイズ42)
重量(実測値) 308g(サイズ41)
サイズ展開 39〜45(ハーフあり)
価格 ¥44,000(税込)

 

2. 購入の目的

2022年にグラベルバイクを導入しました。ただ都心に住む現状では、グラベルライドといっても舗装路9割+未舗装路1割くらいになることがほとんどなので、装備の比重は舗装路寄りになります。
とはいえ、車載でグラベルまで直行することもあるので、シューズは歩きやすい2ボルトにすることはマストでした。

そこでソールの固い2ボルトシューズを探しましたが、出回っていたモデルの多くは、オフロード用らしく「土臭さ」を全面に押し出したもの。3ボルトシューズのようにクリーンなデザインのものが市場にほとんどありませんでした。

その中で2022年10月当時候補に挙がったのは、「Fizik Vento Ferox」と「QUOC Gran Tourer II」のふたつ。Gran Tourer IIにも惹かれましたが、タウンユース寄りなスペックであり、ほかに所有している「Adidas Velosamba」とも役割が被るため、最終的にFizikに決めています。

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サイズ選び

41サイズを着用。店頭で試着して購入しています。ちなみにほかのブランドの適合サイズは、Specialized42、LAKE41、Nimbl42、Udog41、Shimano41です。

 

3. Pros/Cons

Pros

フィット感:Fizikは数年前にロードモデルを試着したときに足に合わず(小指が当たっていた)、しばらく距離を置いていましたが、改めて履いてみるとトーボックスが広くなってフィットするようになっていました。今後もシューズが必要になったとき、スタイルの良いFizikが選択肢に入るのは嬉しい。

クロージャーの使い勝手:BOAで全体の締め付けを調整し、パワーストラップで足首をホールドするつくり。 Fizikのパワーストラップは初めてでしたが、調整のしやすさはエントリーグレードのベルクロストラップとは別格でした。ずれないし調整しやすい。脱着しやすいのも良い。

パワーストラップの扱いやすさは癖になる

色味と形状:圧倒的に「エヴァカラー」と言われそうですが、淡いパープルは想定以上にウェア合わせしやすく、白シューズとはまた違ったクリーンな印象になります。形状も一般的な2ボルトシューズよりスリムなので、シンプルなウェアとの相性も良い。

オフロードシューズの伝統を破壊したカラーリング、最高。

踏める&歩ける:ソールの剛性感が高く、普通にロードシューズと同じ感覚で踏むことができます。それでいてロードシューズよりはるかに歩きやすいので、ロードバイクの普段使いにもOK。

踏める&歩けるソール

アッパーが丈夫:PUラミネーテッドメッシュは汚れが落としやすく、雨風をあまり通しません。2ボルトシューズはオーバーソックスが使えないので冬はシューズ単体の防寒性に依存しますが、それほど寒くならないので助かります。

綺麗な状態を保てるアッパー素材

Cons

価格:価格に見合った性能を手に入れることはできますが、定価¥44,000はやはり高価です。ときどきワイズロードオンラインでタイムセールをやっているので、そのタイミングで入手するのも良さそう。

 

4. 結論

パープルの色味は導入をためらいがちですが、実際は想像以上に使いやすく好きになります。
これからグラベルやCXを導入するロード乗りにとっては、シューズの選択肢に迷うことになると思いますが、レーシング寄りのオフロードシューズは現状マーケットにそれほど多くありません。
そのためVento Feroxはロードシューズからの移行先として有力な選択肢になると思います。

Fizik Vento Ferox Carbonを購入する(ワイズロード)

著者情報

Tats Tats Shimizu@tats_lovecyclist
編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。