ビンディングペダル4メーカー<シマノ / LOOK / TIME / Speedplay>比較購入ガイド

ロードバイクペダル比較購入ガイド

Text by Ryuji@marusa8478

最適なペダルメーカーを見つけよう。

ビンディングペダルと専用シューズはサイクリストとロードバイクを深く結び付ける唯一のパーツであり、ペダリング効率や安定性を高めるもの。
ビンディングペダルは<シマノ / LOOK / TIME / Speedplay>の4メーカーによってホールド感や脱着のしやすさが異なるため、自分に合ったペダルを選択する必要があります。

そこで実際の使用感を含めた、メーカーごとの違いを詳細に見ていきます。

1. ビンディングシステムとペダルの選択肢

ビンディングシステムの構造

ビンディングシステム

ビンディングペダルは、サイクリングシューズに取り付けられたクリートをペダルにはめることで足が固定される仕組み。
そのためビンディングシステムを使うときは、ペダル+クリート+シューズの3点セットが必要となります。
またクリートは消耗品なので、ランニングコストが発生する点を頭に入れておきます。

ロードバイク用3穴か、MTB用2穴か

シューズの穴数

LOOKが開発した現在のロードバイク用ビンディングシステムは、シューズに開けられた3つの穴にボルトを使用してクリートを取り付けるもので、シマノ/LOOK/TIMEのロード用ペダルはこの“3穴式”を採用しています。Speedplayだけは特殊な“4穴式”で、これを使用するためには4穴専用のシューズまたは4穴変換シムが必要です。

またMTB用に開発された“2穴式”もあり、クリートが小さく脱着しやすいのが特徴です。3穴と比較してパワー効率は下がりますが、歩行もしやすいことからシクロクロス・ツーリング・グラベルライド等に用いられます。

ロードバイク初心者には脱着しやすい2穴タイプをおすすめするという意見もありますが、2穴と3穴は全く使用感の異なるもの。乗り手のレベルではなく用途に応じて選ぶべきであり、例え初心者でもしっかり走り込みたい場合は、最初から3穴の使用をおすすめします。

本稿は通常のロードサイクリングやレースに最適な3穴・4穴のロード用ペダルを使うことを前提にまとめています。

 

2. ペダルの使用感を判断するポイント

ロード用ペダルは<シマノ / LOOK / TIME / Speedplay>の4メーカーから選択できます。
この中ではLOOKが歴史的に古く、現在のビンディングシステムの基礎をつくりました。その後さまざまなメーカーが独自の機構を開発し、最終的にメジャーなプレイヤーは上記4メーカーに絞られるようになっています。

それぞれ構造が異なるため、ペダルの使用感は以下のポイントを元に判断していきます。

パワー伝達要素

スタックハイト

スタックハイト

シューズ底面とペダルシャフト中心を結ぶ距離を表すもの。低いほどダイレクト感が得られ、またサドルが下がるためバイクの安定性も向上する傾向にあります。
逆にスタックハイトの高いペダルの場合、サドルが上がるのでハンドル落差を出しやすくなるというメリットも。

4メーカーを比較すると、Speedplayの4穴タイプが最もハイトが低く、次いでSpeedplay3穴>TIME>シマノ>LOOKの順にハイトが高くなります。ただしモデルによって差があるため、全モデルが一概にこの順番というわけではありません。

踏面の広さ

クリートとペダルの接触部分=踏面が広いほどトルクをソール全体から伝えることができるため、「踏めている」感覚が得られます。
LOOKやシマノは左右幅が広く面積があるため、より踏面を広く感じ取ることができます。

ペダリング・ポジション調整要素

フローティング角度

フロート

フローティングはペダルにシューズをはめたときにできる左右の「遊び」のこと。この角度が大きいほど足首を柔軟に動かすことができ、膝関節に対する負荷を下げられます。
クリートの種類によってフローティング角度は異なり、また角度ゼロの固定クリートもあります。

メーカー クリート選択肢
シマノ 0° / 2° / 6°
LOOK 0°/ 4.5° / 9°
TIME 0°/ 10°
Speedplay 0°〜15°(無段階調整可)

Qファクター

Qファクター

ペダルのセンターからクランク取り付け部分までの距離を表し、ペダリングのしやすさに影響する要素。骨盤まわりの体型やペダリングフォームなどから最適なQファクターを見つける必要があります(一般的には小柄な体型ほどQファクターを狭く、大柄な体型や骨盤の広い女性ほどQファクターを広くする傾向があります)。

Qファクターはクリート位置を変えたり、ペダルのシャフトを交換することで調整可能。メーカーによって調整幅が異なりますが、Speedplayが一番狭くできます。

僕は比較的狭めのQファクターを好むため、クリート位置で内側にくるように調整しています。

脱着しやすさ

ペダルの着脱しやすさは、ストップ&ゴーが多いエリアを走るときに特に重要な要素。
外すときの固さ(=リリーステンション)はペダルによって調整可能です。

コスト要素

クリートの価格&耐久性

消耗品であるクリート。交換頻度と価格は運用コストを判断する要素です。

 

3. ペダル4メーカーの特徴と使用感

僕自身競技者時代から今に至るまで、4メーカーすべてのペダルシステムを使用してきました。
最終的にはシマノペダルが自分に合っていることがわかりましたが、これまでの実際の使用感を元に、各メーカーの特徴やメリットをフラットに比較していきます。

① Shimano – シマノ

シマノペダル

シマノの「SPD-SL」はビンディングペダルの代名詞にもなっているほど、多くのサイクリストに選ばれる定番ペダル(SPD=Shimano Pedaling Dynamics)。
メインのラインナップはコンポーネントと同様に<Tiagra/105/Ultegra/Dura-Ace>のグレードが用意されているほか、着脱がしやすいようにバネが弱く設定された入門者向け“LA(ライトアクション)”モデルも揃え、あらゆるレベルのサイクリストに応えるペダルが揃っています。

シマノペダルの使用感

パワー伝達 ★★★ 脱着しやすさ ★★☆ クリート耐久性 ★★★ 

SPD-SLは、ホールドがカチッとしていてブレない感じ。足の裏で広く踏めている感覚が味わえるのはシマノならではだと感じます。

シマノのクリートはカラーによってフローティング角度が異なり(赤0°・青2°・黄6°)、僕は現在青のクリートを使っています。まずは遊びの多い黄色を使い、慣れてきたらほかの色を試してみて自分に最適なフロート角を見つけていくのが良いと思います。

SPD-SLはほとんどのショップで取り扱われているので入手しやすく、ペダル自体の耐久性も高いため、パワー伝達と運用コストを含めた全体のバランスが良いのがシマノのメリットです。

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② LOOK – ルック

LOOKペダル

80年代に3穴式のビンディングペダルシステムを初めて開発したLOOKのロードモデルは「KEO」シリーズ。
上位モデルは“BLADE”と呼ばれるカーボンの板バネが用いられ、エアロと軽量化を実現しています。ミドルグレード以降は金属バネが用いられているため、使用感は若干異なってきます。

LOOKペダルの使用感

パワー伝達 ★★★ 脱着しやすさ ★★☆ クリート耐久性 ★★☆ 

LOOKはやはりパテントを提供しているシマノと近い使用感です。
ただカチッとはめる時とその後のホールド状態は、シマノを少し緩くした印象。またペダル本体の剛性がシマノより若干低めなフィーリングです。これは金属バネのシマノペダルとカーボン板バネのKEO BLADEとの違いによるものと思われます。

この違いは好みが分かれるところだと思いますが、僕はシマノのかっちり感のほうが合っています。ただし長距離を走るときはLOOKの適度な剛性感が合うというケースもあります。

LOOKのクリートもカラーによってフローティング角度が決まっています(黒0°・グレー4.5°・赤9°)。シマノよりも可動域を広めに選べるので、膝への影響を広めに考慮したい場合も選択肢に入ると思います。

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③ TIME – タイム

TIMEペダル

ビンディングペダルにフローティング機構を取り入れたTIME。
軽量モデルの「Xpresso」シリーズとエアロモデルの「XPRO」シリーズに分かれ、名称の後ろに付けられた数字(1〜15)によってグレードが分けられます。
グレードによる構造の差異はありませんが、重量やベアリングの回転性能などで違いが出ています。

TIMEペダルの使用感

パワー伝達 ★★☆ 脱着しやすさ ★★★ クリート耐久性 ★☆

TIMEは左右のフロートに加えて、上下にも遊びがある独自システム。他メーカーがシューズでペダルの爪をこじ開ける機構に対し、TIMEは元から開いた状態の爪にはめる機構なので初心者にも簡単にはめることができ、ホールド時のヌルっとした感覚も独特です。着脱しやすく膝への負担が少ないので、普段使いにはとても良い選択肢だと感じます。

シマノと比べるとスタックハイトが近いものの、踏面は若干狭く、トルクをかけた時も少し力が逃げる感じがあります。そのため競技使用を目的としていたかつての自分にとって好みではありませんでした。
ただ踏面については、2017年に加わったXPROシリーズが従来の700m㎡から725m㎡に面積が広がったため、より競技者向けのフィーリングになっていると思います。

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④ Speedplay – スピードプレイ

Speedplayペダル

4穴クリートのSpeedplay。ペダル両面での着脱、フロートの無段階調整、Qファクター調整が容易など、ほかのメーカーにはない独自のメリットが魅力的。
2019年にWahoo傘下となり、今後ラインナップの見直しが図られる予定となっています。

Speedplayペダルの使用感

パワー伝達 ★★★ 脱着しやすさ ★★☆ クリート耐久性 ★★☆ 

Speedplayはペダルをクリートで包み込むような構造のため、ホールド感はシマノのようにかっちりしていて、トルクをかけた時も面で広く受け止めている感覚を得られます。
骨盤が狭い僕の体型にとって、4メーカーの中で一番Qファクターを詰められるのも魅力です。

ただ慣れるまでとてもはめにくいことと、クリートがすり減りやすく価格も高いことが難点です(練習時はクリートカバーを付けたまま使用することも可)。また普通のスニーカーでは乗りにくいという些細なデメリットも。

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4. ペダル4メーカー総合比較

  シマノ LOOK TIME SpeedPlay
パワー伝達感* ★★★ ★★★ ★★☆ ★★★
着脱しやすさ* ★★☆ ★★☆ ★★★ ★★☆
クリート耐久性* ★★★ ★★☆ ★★☆
クリート価格 ¥1,500 ¥2,000 ¥2,400 ¥5,000
フロート角 0°/2°/6° 0°/4.5°/9° 0°/10°  0°〜15°
強み ・踏面が広い
・ペダル耐久性が高い
・運用コストが安い
・入手しやすい
・踏面が広い
・適度な剛性感
・適度なスタックハイト 
・膝に優しい
・ペダルが軽量

・両面着脱可能
・高いホールド感&ダイレクト感
・Qファクター調整力

*★評価は個人のインプレッションです。

各ペダルそれぞれ特徴が異なるため、どれがベストかはサイクリストのライドスタイルや体型によって変わってきます。

僕はシマノ(105)→LOOK(KEO BLADE CARBON)→TIME(Xpresso10)→Speedplay(ZERO)→シマノ(DURA-ACE)の順に使用してきて、最終的にシマノに落ち着きました。

シマノはカッチリ感が最も強くて、気持ちよく踏める上に運用がラクという全体のバランスが4メーカーの中で秀でていると感じています。
ただほかのメーカーについても、シマノより優れたポイントがもちろんあります。


LOOKはシマノほど硬くないため、長距離で脚にストレスを感じにくいこと。TIMEは着脱しやすく膝に優しいこと。Speedplayはスタックハイトが低くダイレクト感やパワー伝達に優れていること───といったように。

どれが自分に合っているか、最終的には自分で試していくことが必要ですが、こういった情報を参考にしながらベストなペダルを見つけていっていただけると幸いです。

Text by Ryuji@marusa8478
Edited by Tats@tats.cyclist

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