オーストラリア・メルボルン発のサイクリングアパレル『FYXO(フィクソ)』。
おしゃれな海外ブランド第5弾で紹介した比較的新しいブランドで、2011年からウェアやアクセサリなど幅広いサイクリングアイテムを展開しています。今回上下のキットを提供してもらいましたが、サイトで見るものと実物の印象がいい意味で違うので、実際に見て触って使ってみた印象を詳しくお伝えします。
Contents
1. FYXOについて
ブランド名のFYXOはオーナーであるAndy Whiteの造語で、”fixed(固定された)+myxomatosis(粘液腫症 – 伝染病の一種)”の2文字を組み合わせた“fyxomatosis”から、頭の4文字をとったもの。僕らのようにいつもロードバイクのことが頭の中を巡っている「サイクリング病」が、自分たちのまわりにも伝染していく状態を暗喩しています。
Andy自身も熱心なサイクリストで、世界各地でメッセンジャーをやっていたり、海外通販で有名なEvansCycleで働いていたり、そしてトラックなどのレースに参加して幾度となく表彰台に上がったりしているなど、豊富な経歴を持っています。
またFYXOは「メルボルン~ルーベ(Melburn Roobaix)」という、有名なフランスのレース「パリ~ルーベ」の精神を受け継いだオーストラリア独自のファンライドイベントをスポンサードしていたりと、積極的に現地のサイクリング文化の発展を支えています。
今回レビューするキット
ジャージ
Wildflower Jersey($159 AUD)
ビブショーツ
Blu Marino Bib Shorts($189 AUD)
2. 詳細レビュー
Wildflower Jersey
Wildflower Jerseyという名前は、オーストラリアに咲き乱れるカラフルな野草(ワイルドフラワー)がモチーフになっているよう。濃いめのネイビーに緑・黃・橙・水色が綺麗に映え、広大な平原に草花が拡がっているように見えます。
洗練された都会的デザインというよりは、無理に背伸びをしない自然体なデザインでとても良い印象です。
※公式サイト内の画像よりも、実物のイメージに近い色味になるように撮影しています。
全体が通気性の高い素材になっていて、汗をかいたときのはりつき感が抑えられて快適。
個人的にこのジャージの一番好きなポイントはサイドのデザイン。FYXOの4文字が小さい花のように点在していて素敵です。
袖は長めのカット。袖口が2つ折りなので丈夫です。ジャージのフィット感はタイトめですが、腕まわりだけ少しゆとりがあるので腕が太い人に最適。
襟裏にもデザインの入っているジャージ、好きです。イエローのアクセントが良い感じ。見えないところもデザインしているとブランドのこだわりが垣間見えてロイヤリティが勝手に高まります。
裏地を見ると丁寧に仕上げられていることがわかります。
少し幅は狭いものの、深さのあるバックポケット。一見するとわかりづらいですが右側には…
第4のポケットが隠れています。結構大きくてスマホも入る。
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Webサイトで見るより実物がかなり良いジャージです。正直に言うと、画面で見たときはそれほど惹かれるデザインではないと思っていました。でも現物が届いてみると、発色が綺麗だし丁寧なつくりだし、「これはちゃんと着たい」と思わせてくれるプロダクトでした。
全体的に生地感も縫製もしっかりしていて、丈夫で長持ちする良いジャージだと思います。
Blu Marino Bib Shorts
イタリア語で「深い海の青色」を意味するブル・マリーノという名前のビブ。落ち着いたネイビーの仕上がりになっています。裾は滑り止めがしっかりしていて、ペダリング中の動きを妨げることはありません。
左足にFYXOロゴが配置されていて、Wildflower Jerseyと上下セットで統一感が出る組み合わせ。
肩紐はメッシュになっていて通気性が高く、よく伸びるので肩にストレスがかかりません。
裏側にイエローのストライプデザイン。ここにもデザインへのこだわりが見えて良いです。
パッドはCytech(サイテック社)製。Cytechはレーパン用パッドでは最上位のメーカーと言われ、高品質なビブで知られるASSOSやRaphaにも使われています。場所によって厚みが異なるつくりでフィット感抜群。100kmを越える長距離ライドでも痛みが出ません。
*Cytechによるこのパッドの解説ページはこちら(英語)
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以前にレビューしたEndlessもCytech製パッドを使っていて、持っているビブの中でも一番ペダリングするときにしっくりくるので、黒いビブを着たいときはEndlessをヘビーユースしていました。Cytech製ということにあとから気づいて、なるほどと納得。
ビブで最も大事なのはパッドだと思いますが、その点でFYXOビブの品質は間違いなく、ほかの部分もストレスフリーになるようによく考えられているので安心して選択できます。
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サイクルウェアの全般的なデザインの傾向として、近年はすごく都会的で洗練されたものが多く出るようになったと感じます。それはとてもうれしいことですが、おしゃれになり過ぎてサイクリスト自身がブランド広告塔のようになってしまう傾向も少なからずあります。だからそういったものだけでなく、もっとさり気なく着こなせるものが選択肢としてあってほしいと思います。
レビュー中に記載したように、FYXOのウェアは気合いを入れておしゃれをするというタイプではありませんが、背伸びをしない普段着のような感覚ですっと着用できるもので、非常に好感が持てます。そんなウェアを探している方には、自然体のまま着てもらえるのではないかと思います。
3. サイズ感について
サイズガイドの記載に沿って選択してください。タイトなシルエットですが、極端な締めつけ感はないので、タイトフィットが苦手でもストレスなく着られると思います。
“胸囲”と”フロントの長さ”の両方が書いてありますが、こういう記載方法だと自分の体型と手持ちのウェアから比較判断できるので良いですね。
FYXOのウェアを購入する
FYXO公式サイト(メンズのみ)