首都圏のグラベルフィールドは限られていますが、ときおり荒れた道に出会うと、たとえ短い距離であっても日常から隔離された冒険の空気を感じさせます。もしその気持ちをライド中ずっと味わっていたいと思うなら、車で少し郊外へ遠出すれば選択肢が大きく広がります。
Pedlaのオフグリッドコレクションを手にしたときに感じたのは、このウェアがより非日常的な体験にもマッチするであろうこと。だから完全に“オフグリッド(=送電網のない自給自足環境)”なフィールドで走るために、僕たちは富士山の麓に向かいました。
レビュアー
Hiroko(@ihirob) スポーツバイク歴10年。学生時代にサイクリングサークルに所属し、クロモリバイクで全国をツーリングしていた。山で遊ぶことが好きで、自転車以外にも北アルプスの山々を縦走したり、基礎スキーをしたりと、さまざまなアクティビティに精通。メインバイクはChapter2 Tere。 |
Rokuto(@rokuto521) スポーツバイク歴15年。小さい頃から自転車と遊ぶことが当たり前の環境で育ち、今もさまざまな種類の自転車に囲まれて暮らしている。メインバイクはSpecialized Venge。昨年MTBを購入し、定期的にパークに出向いてアグレッシブに攻めている。コーヒーよりも中国茶が好き。 |
Tats(@tats_lovecyclist) Love Cyclist編集長。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら論じることが好き。海外のアパレルブランドとも幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行う。 |
Review/Hiroko, Rokuto, & Tats
Edit & Photo/Tats
*本記事のウェアはPedla提供のものです。
Contents
オフグリッドフィールドを冒険する
オフグリッドなフィールドは山中湖の西に位置します。戦前に旧帝国陸軍が設置した北富士演習場は、今も陸上自衛隊が使用しており、一般人は許可証を発行してもらうことで一般開放日だけ立ち入ることができます。
4,597haという広大な土地(東京ドーム1000個分)の中を網目のように敷かれた道は、ほぼすべてが純粋なグラベルロード。アップダウンが多く、一部は砂利の粒も大きいため、かなりテクニカルな道も通りますが、その本質は美しい霊峰と無限に続くグラベルのコラボレーション。走るだけで、自分の中にある不純物すべてを置き去りにしていきます。
撃ち抜かれた痕の残る標識
演習場らしく、射撃場やロケットランチャー(!)の射座、手榴弾投擲場などが点在しており、これまでの人生で立ち入ったことのない空間を体験できるのはこの場所ならでは。
風はほとんどなく、じっとりした停滞気味の空気が周りを覆っています。風の少ない土地だからこそ射撃演習場として用いられたのだろうと推測されるほど。
だから走り出して路面に意識を集中していると、想像以上に汗が溢れ出していく。
①Tシャツ – Luna Tee
あらゆるアクティビティに使える機能性Tシャツ
演習場は登りが多く、当日は湿度も高い環境。いつもより汗をかいたし、突然の雨に降られることも。
でもTシャツはジャージのように薄くて通気性の良い生地だから、すぐ乾いて身体が冷える心配をしなくて良い。着心地もサラッとしていて軽やか。
OFF GRID / Luna Tee – Amber(¥9,000)
メンズは琥珀色をベースとした複雑なニュアンスを持つグラデーション
OFF GRID / Luna Tee – Lilac(¥9,000)
ウィメンズは淡いブルーからピンクへのグラデーションが甘くなりすぎず絶妙
Tシャツなので、グラベルライドはもちろん、ツーリングからカフェライドまであらゆるライドで使える。「登山とかほかのアクティビティでも使っている」とHiroko。
あらゆるアクティビティで使えるTシャツ
Tシャツのサイズ選び
←Hiroko(174cm)ウィメンズS
ラフな着用感にするためサイズガイドより1サイズアップ。フィット感を出したい場合はサイズガイド通りが良さそう。レディースはメンズより丈が短く女性らしいカッティングになっている。
→Rokuto(178cm)メンズS
サイズガイドと同じサイズを選択。タイトになりすぎず、ラフになりすぎずないちょうどいいサイズ感
②ビブショーツ – LongHaul Knicks
ROAMING / LongHaul Knicks – Olive(¥29,400)
綺麗な色合いの、機能的カーゴビブ
オフグリッドな環境をさまようためにつくられたビブショーツは、先染めの生地で深みのある色合い。ジャージやTシャツの淡い色合いとのバランスがすごく良い。
パッドは中心に厚みがあり、外側に向かい厚みを変化させていて、動きやすさと快適性が両立されているよう。ずっと脳みそが揺すられるグラベルでも、お尻には痛みが出ない。
Pedlaのほかのロード用ビブは、縫い目がない広めなグリッパーが特徴だけれど、これは裾に切り替えがあってしっかりとしたフィット感。
肩紐は背面まで全てメッシュなので通気性○。
サイドポケットはかなり大きい作りで、必要なものがいくつも入るほど余裕。コンデジのサイズでも問題ないし、薄いiPhoneでもポケット内で動かない。加えて背中にもポケットがあるので、Tシャツにポケットがない分の荷物も余裕でカバーできる。
ポケット付きビブは生地が引っ張られるようなイメージがあるけれど、柔軟性があってペダリングはまったくもってスムーズ。
Tシャツスタイルで活きる背中のポケット
③ジャージ – Roamer Jersey
OFF GRID / Roamer Jersey – Fog(¥21,900)
これまでのPedlaのジャージと比べると、よりしっかりとした生地感で、耐久性を重視していることがわかるオフグリッドジャージ。
フロントパネル、バックパネル、袖の3つそれぞれが異なる素材で、耐久性だけでなく汗抜けの良さもちゃんと考えられていて、過酷なフィールドでもストレスを感じさせない。
シルエットもPedlaらしい色褪せない形状。少しだけ短い身丈も、少しだけ長い袖丈も、誰でも着こなしやすいつくりで安心感がある。
朝焼けからだんだんと日が昇っていくような色合いのグラデーションは、冒険心をくすぐる
冒険を加速するために、オフグリッドジャージには2つのサイドポケットが追加されていて、合計5つ(!)のポケットが付いている。サイドポケットはPOW BARのような補給食を入れるのに最適なサイズ感。
いずれもかっちりとしたつくりで、モノを入れてもスリムな状態が保たれる。
自転車遊びのための、機能的オフグリッド。
オフグリッドコレクションの中でも、Tシャツ×カーゴビブのスタイルは非常に守備範囲の広い組み合わせ。
グラベルやツーリングなどしっかり乗り込んで楽しむシリアスライダーにはもちろん、ピッタリとしたジャージには抵抗があるビギナー、快適にカフェライドがしたいサイクリストなど、さまざまな目的の自転車遊びにマッチします。
Pedlaのウェアはロゴが控えめなので、シーンを選ばないし、Tシャツかカーゴビブどちらかだけでも取り入れて、新しい自転車遊びのスタイルを試すことができる。
オフグリッドウェアを着た僕たちは、オフグリッドなフィールドに完全に溶け込んでいきます。補給線のないハードな演習場での走りからわかったことは、僕たちが着ていたものが、充分過ぎるほど機能的であること。
懐の深いウェアと非日常なフィールドがあれば、サイクリストが抱える冒険への欲求は完全に満たされていきます。
Pedlaオフグリッドコレクションの詳細を見る(公式サイト)
Review/Hiroko, Rokuto, & Tats
Edit & Photo/Tats