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text by Tats(@tats_lovecyclist)
スタイルにこだわるサイクリストであれば、既存の保冷ボトルのラインナップはどれも満足できるようなデザインでないことはすでに理解していることと思います。
だから僕自身もずっと購入を見送っていました。
しかし昨シーズン、突然訪れた猛暑を走る中で「デザインとか言ってる場合じゃねぇ…!」とスタイルよりも命を優先する感情が芽生えます。
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そのときちょうど保冷ボトルを使っていた仲間(Ryuji)が冷水を浴びているのを羨ましく思っていたところ、「これは古いモデルだけど、今のやつはリニューアルされてデザイン良くなってるよ」とのこと。
すぐに商品名をAmazonで検索し、その場で注文。
次のライドから今日に至るまで「ポディウムアイス」に命を救われ、彼に感謝してもしきれないことになりました。
キャメルバック PODIUM® ICE
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ポディウムアイス – 21Oz/620ml(¥3,960)
2019年のリニューアルによってグラフィックが一新され、シンプルになったことで導入のハードルが下がったポディウムアイス。
断熱材には高密度・多孔質のエアロジェルを使用。通常のボトルと比較した保冷力は、ポディウムチルが2倍なのに対し、ポディウムアイスは4倍。プラ製ボトル保冷ヒエラルキーの頂点*にいます。
*近い保冷力のボトルにエリート「ナノフライ」(¥3,410)があります。ただしナノフライは容量が500mlのため、真夏のライドではポディウムアイスの容量620mlを推奨。フレームサイズによってポディウムアイスがボトルケージに入りづらい場合はナノフライを選択します。
保冷力を最大限に活かす使い方
もちろん4倍だからといっていつまでも冷たいわけではありません。普通の冷水を入れただけでは、真夏だと30分でぬるくなります。
その性能が最大限に活かすためには、ポディウムアイスに合った“正しい運用”をすることが大切。
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必要なのはコンビニに売っているロックアイス。
真夏ライドは1.5〜2時間に1回はコンビニ休憩を入れるので、そのタイミングでロックアイスとドリンク(水とかお茶とか)を購入します。
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このサイズでちょうどふたり分なので仲間とシェアできます。人数が多ければ大袋入のものを購入。
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ボトルの限界まで氷を入れます。その後ドリンクを注入。
この状態でスタートしたとき、通常のボトルだと氷水も20〜30分でぬるくなりますが、ポディウムアイスの場合、真夏でも2時間以上氷が残ります。
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次のコンビニ休憩のときにまた同じようにロックアイスを購入してポディウムアイスを氷で満たす。この繰り返しで、ライド中いつまでもキンキンに冷えたドリンクを摂取することができます。
もちろん、首筋にかけるクーリングもより効果的になる。
走行エリア内にコンビニがあることが前提ですが、インフラが整っている国内では、多くのサイクリストが実践できる運用方法だと思います。
ポディウムアイスのここも良い
保冷力だけでなく、取り回しのしやすいさも優秀。
思い切りボディを押し込める
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ポリプロピレンのボディ部分がとても柔らかいので、軽く握れば一気に冷水が出てきます(逆にちびちびとは出せない)。走行中に一瞬で水分補給もアイシングもできる。
飲み口が優秀
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「セルフシーリングジェットバルブ」と呼ばれる飲み口が便利。
ここは“回転式ロック”と裏蓋についた“弁”による二重ロック構造になっています。
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裏蓋に取り付けられた弁
弁はボディを握ったときや飲み口を吸ったときに開く構造。
そのため、回転ロックを解除した状態でも、ボディを押し込まない限り水が漏れない。だから、ほかのボトルのように、飲むたびに栓を開ける必要がないのが秀逸。
ちなみに回転ロックは輪行時などバッグの中に入れているときに水漏れしないために使います。
抜き差ししやすい
どんなメーカーのボトルケージにも合いやすいように設計されており、抜き差しがとってもスムーズ。(僕はArundelとBlack Incのボトルケージで使用)
あまり主張しないデザイン
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リニューアルされたデザインは、前作に比べるとかなりシンプルになりました。
“保冷ボトル感”は構造上どうしても出てしまいますが、それでも以前より車体に馴染むようになったことが購入の決め手になっています。
これ1択。
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現時点でプラ製ボトルの中でもっとも高い保冷力を持ち、デザインも改善されたポディウムアイス。
サイクリストによってさまざまなスタイルがあるので、普段はあまり「これ1択」と言い切ることはしません。
でも夏に一番恐い熱中症のリスクを軽減し、少しでも快適に長距離を走るためには、ポディウムアイスとロックアイスを用いた運用方法が唯一の最適解となっています。
ポディウムアイスを購入する
Amazon | ワイズロードオンライン | 楽天
ゆるめのライドにはCafé du Cyclisteの保冷ボトルを。
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保冷力においてはステンレス製のボトル(写真右端)が最長。
重量があること、水を押し出すことができないという2点がデメリットなので、基本的にハードなロングライドには不向きですが、さくっとショートライドするときにはこちらが重宝します。