ロードバイク用ヘルメット購入ガイド – Kask / Giro/ POC / KPLUS etc.

text/Tats@tats.cyclist

頭部をスマートにプロテクト。

近年のヘルメットの進化は目覚ましく、安全性・快適性・エアロといった性能面に合わせ、デザインもよりスマートになっています。だからヘルメットはただの機能性アイテムではなく、ファッションの一部として選ぶプロダクト。

そこで自分に合ったヘルメット選びのために、選び方のポイントと価格帯別に最適なモデルを紹介します。

*本記事は2020年更新記事を現状に即して大幅に改訂したものです。

1. ヘルメット選びのポイント

①フィッティング

ヘルメットのフィッティング

ヘルメット形状の大分類は、ユーロフィット(楕円)とアジアンフィット(丸形)の2つ。

基本的にメーカーの所在地域に合った形状に仕上げられていますが(OGKやKarmorならアジアンフィット、GIROやSweet Protectionならユーロフィットなど)、欧米メーカーでもアジアンフィットを展開していることもあります。
日本人だからといって全員がアジアンフィットに適合するわけではなく、また同じメーカーでもモデルによって微妙に形状が異なる場合があるため、試着しながら最適なメーカーやモデルを探していきます。

またフィッティング機構もメーカーごとに特徴があり、多くはフィットの強弱と傾きを調整できるようになっています。

②機能性

ベンチレーションとエアロダイナミクス

ヘルメットに空いている穴は通気孔と軽量化の役割があり、それぞれ「空力」「重量」という機材としての性能に関係します。

空力

通気孔が多いほど涼しく夏に最適ですが、冬はキャップなどを併用して冷え対策が必要です。
逆に穴が少ないモデルは空力に優れます。各メーカーともエアロダイナミクスに重点を置いたモデルも展開しており、少しでもパフォーマンスを最適化したいピュアレーサーは、エアロモデルが選択肢に挙がります。

重量

長時間走る上で、ヘルメットの重量は首の負担に影響します。軽いほど負担が少なく、またわずかながらパフォーマンス向上にもつながります。
ただしほかのパーツと同じように、軽量モデルのほとんどはハイエンドモデル。パフォーマンスをぎりぎりまで追求するか、コストと相談するかという選択が必要になります。

③カラー

ヘルメットの色味

これまでは赤や黄色など原色のラインナップが目立っていたヘルメットも、ここ1〜2年でアースカラーやニュアンスカラーの色展開が増加中。自転車ファッションがライフスタイル寄りになっている現在、ヘルメットも幅広いスタイリングを楽しめるようになっています。
もちろん安全性を重視したいという場合は、原色を選ぶこともひとつの解です。

 

2. ヘルメットの安全性

JCF / CE EN1078

JCFマークとCEマーク

JCFおよび加盟団体が主催しているレースに出る場合は「JCF Approved」シールが貼られたものを選びます。
このシールはJCF(日本自転車競技連盟)が規定する安全性(衝撃吸収性、あごひもの強さ、汗・頭髪油の影響など)をクリアしたことを示すもの。日本の代理店が扱っているメーカーのほとんどはJCFの認証を受けていますが、一部ブランドやモデルによっては、JCF認可がないものもあるので注意が必要です。

またJCFより厳格な安全規格として、EUが規定する「CE EN1078」があります。普段のライドで使う上での安全性の判断については、CEを満たしていればJCFシールがなくても気にする必要はありません。EN1078はヘルメットの裏面に記載してあります。

関連リンク:JCF公認ヘルメット一覧

MIPS

MIPS

多くのヘルメットに搭載されている安全機構“MIPS”(Multidirectional Impact Protection System = 多方向衝撃保護システム)。
落車するときは頭部に回転性の衝撃が加わることが多いため、その衝撃を緩和して脳障害のリスクを軽減するための仕組みです。MIPS搭載ヘルメットの内部には低摩耗シートが配置されており、回転衝撃が加わったときに、そのシートが頭の動きに合わせてすべることで、エネルギーを逃がすことができます。
MIPS非搭載モデルと比較すると少し値が張りますが、同じモデルでもMIPS搭載/非搭載の選択肢がある場合は、搭載モデルを選択しておくと安心。

ヘルメットの寿命について

メーカー推奨のヘルメット交換タイミングは、新品購入後3年
たとえ転倒などしなくても、経年や細かい衝撃・汗などによる劣化は進んでいるため、3年経ったら買い換えるというつもりで予算を検討します。

また1回でも大きな衝撃を与えると、強度が著しく低下してしまいます。一見問題なさそうでも、次に同じ箇所に衝撃が加わると直接頭部にダメージが加わってしまうので、事故などで強く頭部を打った場合は買い替えます。

 

3. メーカーの選択

ヘルメットメーカー

数多あるヘルメットメーカー。その中でも「KASK」と「GIRO」は世界的に高いシェアを持ち、業界のスタンダードを築いています。

KASKは強豪イネオス・グレナディアスに提供しているブランド力に加え、日本人の頭にフィットしやすい形状で国内でも非常に人気。
GIROもFDJやチーム バイクエクスチェンジなど強豪チームをサポートし、ヘルメットデザインの新境地も常に切り拓く存在。デザインだけでなく、MIPS搭載モデルを早くから積極的に投入するなど安全性にも強く配慮しています。

その2ブランドに加え、スタイルも大切にしたいサイクリストに広く受け入れられているのが、北欧ブランドである「POC」「Sweet Protection」や台湾ブランドの「KPLUS」。

以下からは、この5つのブランドからトレンドのモデルを紹介。デザイン・機能・安全性(CE EN1078)を満たすモデルをピックアップしています。

 

4. トレンドのヘルメットブランド5選

KASK

KASK ヘルメットラインナップ
  モデル 重量 価格相場 リンク
Rapido 220g ¥8,000〜 Amazon
Wiggle
すべてのビギナーにおすすめのエントリーモデル

Mojito 3 230g
¥13,000〜 Amazon
Wiggle
トレンドを取り入れた進化版ミドルグレード

Valegro 180g ¥20,000〜 Amazon
Wiggle
軽く涼しくスマートな軽量ヘルメット

Protone 215g ¥25,000〜 Amazon
Wiggle
広く普及するグローバルスタンダードヘルメット

帽体がすっきりしているためスマートに見えるKASK。KASKヘルメットにMIPSは搭載されませんが、内部シェルと外部層を連結した「In-Moulding Technology」というオリジナル技術で転倒時の衝撃を和らげてくれます。その主要モデルは4つ。

●Rapido:すべてのビギナーにおすすめの「ラピード」。初心者が一番気になるヘルメットの見た目も、すっきりしたの帽体のKASKなら違和感なく使用できます。フィット感も抜群。

●Mojito 3:2012年からの超ロングセラーモデル「モヒート」が2020年に「モヒート3(キューブ)」へとアップデート。丸みを帯びたフォルムになり、安全性もヨーロッパの安全基準を48%上回るものに。トレンドのスタイルに進化したことで、ミドルグレードのヘルメット選びには外せないモデルとなっています。

●Valegro:2018年からラインナップに加わった、180gの超軽量ヘルメット「ヴァレグロ」。その軽さや風通しの良さから、ヒルクライムや灼熱のライドに最適。またとても頭が小さく見え、被り心地も気持ち良い。このクオリティを安定して担保させることに、さすがKASKと言いたくなる逸品です。

●Protone:もはや説明は要らないほど普及しているグローバルスタンダードヘルメット「プロトーネ」。アジア型の頭にも合いやすく、軽さ・通気性・デザイン観点すべて標準以上の満足感を得られます。

KASKのヘルメット一覧を見る
Amazon | Wiggle

※Valegroのレビューはこちら

Giro

Giro ヘルメットラインナップ
  モデル 重量 価格相場 リンク
Agilis 295g ¥12,000〜 Amazon
Wiggle
すっきりしたシルエットのMIPS搭載エントリーモデル

Cinder 286g ¥17,000〜 Amazon
Wiggle
Syntheを踏襲したハイレベルなミドルグレード

Synthe 250g ¥25,000〜 Amazon
Wiggle
いつまでも色褪せない孤高のスタイリッシュモデル

Aether 270g ¥25,000〜 Amazon
Wiggle
進化版MIPSを搭載した存在感のある最上位モデル

数々の強豪チームをサポートする信頼性、自社のテストラボを持つ安全性、先進的なデザイン性など、ヘルメットに必要な要件を兼ね備えたブランドGIRO。特に安全性に対する意識は高く、エントリーモデルからMIPSを採用し、あらゆるサイクリストに安心できるサイクリング環境を提供しています。ラインナップも豊富ですが、中でも以下4モデルはスタイリッシュ。

●Agilis:エントリーグレードでMIPSを搭載し、GIROの中でもすっきりしたシルエットの「アジリス」。初めてのヘルメットでも抵抗なく安心して導入できます。ユニバーサルフィットも採用されており、アジア型でも被りやすいのが特徴。

●Cinder:上位モデルのSyntheを踏襲したミドルモデル「シンダー」。Syntheよりも36g重いことや若干デザインが寂しい点はあるものの、充分なフィッティング性能を備えており、約¥8,000という差額をどう捉えるかで選択します。

●Synthe:孤高のスタイリッシュモデル「シンセ」。少しサイドが膨らんで見えますが、逆にそれが格好良いと思わせるスタイルを確立したパイオニア的存在で、トップモデルのAetherが登場した今でもそのスタイルは色褪せません。2019年にはアジアンフィットも登場。

●Aether:最上位モデル「イーサー」の特筆すべき特徴は、MIPSの新たなテクノロジー「MIPS Spherical」。前述のようなシート状ではなく、シェル自体が2層に分かれて動く構造(通常のMIPSより衝撃吸収性30%増)。Giroらしい存在感のあるアウターシェルの形状は、今まで以上に道の上で“スタイリッシュなサイクリスト”を演出してくれます。

Giroのヘルメット一覧を見る
Amazon | Wiggle

※Syntheのレビューはこちら

POC

POC ヘルメットラインナップ
  モデル 重量 価格相場 リンク
Omne Air Spin 305g ¥18,000〜 Wiggle
すっきり可愛いシティスタイルのミドルグレード

Ventral Air Spin 235g ¥30,000〜 Wiggle | TOKYO WHEELS
空気が流れるスタイリッシュな軽量ハイエンド

Ventral Spin 248g ¥35,000〜 Wiggle
空力性能&換気性能に特化したエアロ系ハイエンド

スウェーデンのブランド「POC」が展開するヘルメットは、ミニマムな北欧デザインが特徴。頭部のボリュームを出す形状を「POCらしいスタイル」として定着させたデザイン力はさすがとしか言いようがありません。
ヘルメット名称に含まれる“SPIN”は、内部のパッドによって転倒時の衝撃を最小限に抑えるPOCオリジナル機構のこと。

●Omne Air Spin:人気の上位モデルをベースに、シティスタイルに昇華させたミドルグレード「オムネ・エア・スピン」。すっきりかわいい外観のPOCヘルメットがこの価格帯で手に入る、非常に魅力的なモデルです。

●Ventral Air Spin:エアロエルメットの「ヴェントラル」に、前方から後方へ空気を送り出すような設計を追加した軽量モデル「ヴェントラル・エア・スピン」。この外観で235gという軽さ、そしてマットカラーのスタイリッシュさが最高にクール。2020年にはアジアンフィットモデルも登場。

●Ventral Spin:空力に特化した「ヴェントラル・スピン」。ヘルメットの外側だけではなく、内部を通気するように設計されているため、空力性能と換気性能を両立した機能的ハイエンドモデル。パフォーマンスを重視するサイクリストに最適。

POCのヘルメット一覧を見る
TOKYO WHEELS
| Wiggle

※Ventral Air Spinアジアンフィットモデルのレビューはこちら

Sweet Protection

SweetProtection ヘルメットラインナップ
  モデル 重量 定価 リンク
Outrider 260g ¥17,820 Amazon
ライドも街乗りも使える優れたデザインのエアロヘルメット

Falconer   280g ¥35,200 TOKYO WHEELS
ミニマルな形状に安全性・エアロ・スマートさを凝縮したハイエンド

Falconer Ⅱ Aero 260g ¥44,000 TOKYO WHEELS
脱着式エアロカバー付きの2way軽量モデル

ノルウェーの「Sweet Protection」がロードヘルメットを初めてリリースしたのは2017年。そのプロダクトデザインはすぐに世界的に評価され、すでにメジャーブランドの仲間入りをしています。展開するモデル数は絞っており、またユーロフィットのためフィットするサイクリストは限られるかもしれませんが、そのデザインは無二のもの。

●Outrider:上位モデルFalconerのテクノロジーをコンパクトにまとめたエアロヘルメット「アウトライダー」。シティライドでもロードサイクリングでもグラベルライドでも使える汎用的な形状が魅力的。MIPSも搭載。

●FalconerⅡ:北欧デザインらしいミニマルな形状に、安全性とエアロとスマートな帽体をすべて凝縮した「ファルコナーⅡ」。新しいヘルメットの価値観を生み出している無二の存在となっています(MIPSモデルあり)。

●FalconerⅡ Aero:Falconer Ⅱと基本的な形状は同じですが、より軽く仕上げられた「ファルコナーII エアロ」。脱着できるエアロカバーが付属するため、これ1つでエアロヘルメットと軽量ヘルメットの2つの用途が兼ねられます。ライドの内容や気温によって付け替えできるな便利なモデル。

Sweet Protectionのヘルメット一覧を見る
TOKYO WHEELS

※Falconer IIのレビューはこちら

KPLUS

Kplus ヘルメットラインナップ
  モデル 重量 定価 リンク
SUREVO 305g ¥25,080 Amazon
エッジの効いたカムテール形状のエアロヘルメット

NOVA 288g ¥23,100 Amazon
美しい造形を持つ唯一のアジアンヘルメット

2014年に創業した台湾ブランドで、2019年から国内展開も始まっているKPLUS。そのブランドコンセプトは「ファッション」「クオリティ」「アジアンフィット」の3つ。ヘルメットを“サイクリストのファッションに欠かせない重要なアクセサリー”と位置付け、コーディネートしやすく、安全性の高いアジアンフィットのプロダクトをつくっています。そのラインナップの中でも特にスタイリッシュなモデルは2つ。

●SUREVO:流線的なカムテール形状が特徴的な「シュレーヴォ」。見た目通り空気がスムーズに流れ、内部の冷却効果もあるエアロモデル。槍の先端を思わせるエッジの効いたデザインは、サイクリストをシャープな印象に引き立ててくれます。

●NOVA:KPLUSを代表する最新モデル「ノヴァ」。丸みを帯びたシルエット、正円に近いアジアンフィット、後頭部に埋め込まれた反射素材など、日本人の頭部をスマートにする要素に溢れています。トレンドの最先端を行く豊富なカラー展開も唯一のもの。

KPLUSのヘルメット一覧を見る
Amazon

※NOVAのレビューはこちら

身を守るファッションアイテム。

ヘルメットは命を預けるプロテクターであり、コーディネートするためのファッションアイテム。
そのため上記のような信頼のおけるメーカーのものを選択するほか、デザイン観点からも気に入るものをセレクトして、自分のスタイルをつくり上げていってください。