【ロードバイク】ヘルメットの選び方ガイド&おすすめモデル15選+α

ロードバイクヘルメットの選び方ガイド

大事な頭部をスマートにプロテクト。

ロードサイクリングにおいてヘルメットの法的な着用義務はないものの、高速走行するロードサイクリストは万が一のためにいつだって着用しておきたいもの。 
近年各メーカーのアップデートは目覚ましく、安全性が担保されながら、フィット感、快適性、エアロ性能、そしてデザインもスマートになっています。だから今は、ファッションを楽しむように自分のための1個を選ぶことができる時代。

そこで自分に最適なヘルメット選びのために、選び方のポイントと価格帯別のおすすめを紹介します。

※本記事は2018年公開記事を現状に即して修正した改訂版です。

1. ヘルメット選びのポイント

ベンチレーション&重量

ヘルメットのベンチレーション

ヘルメットにはいくつもの穴が合いていますが、この役割は2つ。

ひとつは頭部を蒸れないようにする通気孔の役。穴が多いほど涼しく快適になりますが、冬は頭部が冷えるので注意。逆に穴が少ないモデルは空力に優れますが、夏は熱がこもりがちに。そのためシチュエーションによって自分に最適なタイプを選択します。

もうひとつは肉抜きによる軽量化。長時間走る上で、ヘルメットの重量は首の負担に影響してきます。軽いほど快適なのはもちろん、(ほんのわずかながら)パワーウェイトトレシオが上昇し、パフォーマンス向上にも少しだけつながります。
ただほかのパーツと同じように、軽量モデルは価格がヘビー。パフォーマンスをぎりぎりまで追求するか、コストと相談するかという選択が必要になります。

頭部の形状とフィッティングシステム

ヘルメットのフィット

アジア系と欧米系では典型的な頭部の形状が違うもの。日本人は、楕円形のよりも丸形が多いので、ワイドタイプのヘルメットが合う傾向があります。もちろん個人差があるので、欧米型の楕円形が合う場合も。

基本的にメーカーの所在地域に合った形状に仕上げられていますが(OGKやKarmorならアジア系、GIROなら欧米系など)、各メーカーで微妙な違いがあり、また同一モデルでもワイドフィットを展開していることもあるので、頭の形次第では自分に合ったモデルを探し当てるのに苦労するケースがあります。その場合、試着を繰り返して見つけていく必要があります。

またフィッティング機構もメーカーごとに特徴があり、多くはフィットの強弱と傾きを調整できるようになっています。
細かい調整ができるタイプの方がフィットしやすく、状況に応じて調整できるため便利。

エアロダイナミクス

ヘルメットの空力

フレーム、ホイール、ウェアと、風を受けるすべてのアイテムの形状がエアロ化の流れにあります。
ヘルメットもその傾向は顕著で、各メーカーがエアロダイナミクスの強化を謳って新モデルを発表。頭部の空力変化は実感しづらいものの、エアロ化により凹凸が減り、すっきりした外観になるのは素敵なところ。
一般的なサイクリストにとってエアロ形状はデザイン観点での選択ポイントとなります。

MIPS

MIPS

近年のヘルメットに搭載されている安全機構に“MIPS”があります。
MIPSは「Multidirectional Impact Protection System(多方向衝撃保護システム)」の略。落車するとき、頭部には回転性の衝撃が与えられることが多いため、その衝撃を緩和して脳障害のリスクを軽減するための仕組みです。ヘルメットの内部に低摩耗シートが配置されており、回転衝撃が加わったときに、そのシートが頭の動きに合わせてすべることで、エネルギーを逃がすことができます。
少し値の張るモデルが多いですが、安全性を高めるためにMIPSモデルを選択しておくと安心。

「JCF公認マーク」または「CE EN1078」

安全基準マーク

JCFおよび加盟団体が主催しているレースに出る場合は「JCF Approved」シールが貼られたものを選びます。
このシールはJCF(日本自転車競技連盟)が規定する安全性──衝撃吸収性、あごひもの強さ、汗・頭髪油の影響などをクリアした証。
日本の代理店が扱っていないような海外ブランドは、JCF認可がなくレースで使用できない場合があるので注意が必要です。

ただしその場合でも、安全性に関してはEUの厳格な安全規格「CE EN1078」を満たしていればJCF以上に安心できます。EN1078はヘルメットの裏面に記載してあります。

関連リンク:JCF公認ヘルメット一覧

寿命&耐久性

ヘルメットの寿命は新品購入後からおおよそ3年くらいと言われています。ヘルメットの素材は、通常使用していても経年・細かい衝撃・汗汚れなどによる劣化などがどうしても発生。
長年使い続けたあとは、外郭の見た目に大きな変化がなくても内部は劣化しているので、3年経ったら買い換えるというつもりで予算を検討します。

また1回でも大きな衝撃を与えると強度が著しく低下してしまいます。たとえ外側からは問題なさそうに見えても、次に同じ箇所に衝撃が加わると直接頭部にダメージが加わってしまうので、そうなる前に買い替えます。

ヘルメットメーカーの選択

ヘルメットメーカー

世界中に数多のヘルメットメーカーがありますが、中でも世界的に高いシェアを持つKASK(カスク)とGIRO(ジロ)は業界のスタンダードを築いています。

KASKはチームスカイに提供しているブランド力に加え、優れたデザイン性と日本人の頭にフィットしやすい形状で国内でも非常に人気。
GIROもBMCレーシングなど強豪チームに提供し、ヘルメットデザインの新境地も常に切り拓く存在。デザインだけでなく、MIPS搭載モデルを早くから積極的に投入するなど安全性にも強く配慮しています

以下のおすすめモデル紹介では、この2ブランドを中心に、価格帯別にデザイン性・機能性の高いスマートな全13モデルをセレクトしています。

 

2. エントリーグレード4選(¥10,000前後)

まずは初めてのヘルメットに最適なラインナップが揃う1万円前後から。安全性と見た目のスマートさを両立するモデルをチョイス。
※MIPSマークがあるものは、MIPS標準搭載あるいはMIPS搭載モデルを選択可能

KASK – Rapido(¥9,500)

KASK Rapido

すべてのビギナーにおすすめの「ラピード」。
初心者が一番気になるヘルメットの見た目も、帽体がすっきりしているためスマートに見えます。フィット感も抜群。
KASKヘルメットにMIPSは搭載されませんが、内部シェルと外部層を連結した“In-Moulding Technology”というオリジナルテクノロジーを用いて転倒時の衝撃を和らげてくれます。

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Giro – Foray(¥9,800)

Giro Foray

GIROのトップモデルSyntheのエッセンスを抽出したエントリーモデル「フォーライ」。
MIPS搭載&Syntheを踏襲する形状で定価¥9,800と、このスマートな見た目にそぐわずコストパフォーマンスに非常に優れます。少しワイドなつくりなのでアジア型向き。

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Giro – Savant(¥9,600)

Giro Savant

レーススタイルの「サヴァント」。軽量で耐久性があり、スリムなシルエットで被ったときもシャープな印象に。
ベーシックで流行に左右されないデザインが好きな方はこちら。国内展開モデルはワイドフィット。

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dhb – Aeron(¥8,300)

dhb Aeron

コスパに優れるWiggleプライベートブランド“dhb”が出す屈指のモデル「イーロン」はKASKとコラボレーションして作られたヘルメット。
dhbのヘルメットというより、「dhbステッカーが貼られたKASKのエントリーモデル」というほどサイズ感はKASKなので、すっきりした帽体で初心者に最適なモデル。約260gと軽量で、コーディネートしやすいシンプルなカラーも良い。

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3. ミドルグレード4選(¥20,000前後)

軽量化、空力性能など「速さ」を求める機能が付与されるミドルグレード。見た目もスペックもこだわりたいサイクリストはここから。

KASK – Mojito X(¥19,500〜)

Kask Mojito X

2012年からの超ロングセラーモデル「モヒート」は、2019年に「モヒートX」にアップデート*。
デザインの移り変わりが激しい中で、未だ古さを感じさせないスタンダートなデザインは、カラーバリエーションの豊富さと相まっていつまでも飽きることがありません。
かつてチームスカイが採用していたように、空力性能・通気性も確かなもの。ミドルグレードのヘルメット選びは、モヒートの好きなカラーを探すところから始まります。

※アップデートにより以下の点が変更されています
・KASKロゴがシールからプリントに変更
・マットカラーの登場
・バイザー付き“Peak”モデルの登場

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GIRO – Cinder(¥16,800)

Giro Cinder

見た目と機能はほぼ上位モデルのSyntheを踏襲したハイレベルなミドルモデル「シンダー」。
Syntheより約20g重いこと、若干デザインが寂しい点を加味して(それでも充分すぎるフィッティング性能を備えています)、¥8,000という差額をどう捉えるかで選択します。ネオン柄や綺麗な色遣いのデザインも魅力。

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POC – Omne Air Spin(¥22,000)

スウェーデンのブランド「POC」が展開するヘルメットは、他メーカーのデザインとは一線を画すポップでミニマムなデザイン。頭部のボリュームを出す形状を「POCらしいスタイル」として定着させたデザイン力はさすがとしか言いようがありません。
2019年新作となる「オムネ・エア・スピン」は、人気の上位モデルOctalやVentralをベースに、よりシティスタイルに昇華させたミドルグレード。すっきりかわいい外観のPOCヘルメットがこの価格帯で手に入る、非常に魅力的なモデルが登場しました。
名称にある“SPIN”は、内部のパッドによって転倒時の衝撃を最小限に抑えるPOCオリジナルシステム。

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Smith – Network(¥25,000-)

Smith Network

50年以上の歴史を持つ米国のブランドSmithは、スノーヘルメットで培った技術をロードヘルメットにも展開。すべてのデザインがシックで大人びた印象を与えます。
2018年のニューモデル「ネットワーク」は、上位モデルと同じハニカム構造のインモールドを両サイドだけに用いて、必要な衝撃吸収性と大きな通気性を確保。
MIPS搭載の高プロテクション機能も加わったクリーンで洗練されたデザインは、大人っぽいサイクリストのスタイルにとてもマッチします。

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4. ハイエンドグレード7選(¥30,000前後)

デザイン・機能性・所有欲すべてを満たすスマートなヘルメット。サイクリストのこだわりは最終的にここに辿り着きます。

KASK – Valegro(¥28,500)

Kask Valegro

KASKが2018年から新しくラインナップに加えたのは、チームスカイが被る180gの超軽量ヘルメット「ヴァレグロ」。
その軽さや空気発散性能から、ヒルクライムや灼熱のライドに最適。
実際に被るととても頭が小さく見え、被り心地も気持ち良い。このクオリティを安定して担保させることに、さすがKASKと言いたくなる逸品です。

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Smith – Overtake(¥33,000)

Smith Overtake

「軽さの追求よりプロテクションやエアフローを兼ね備えるバランスが重要」という設計思想のもと、極端な軽量化ではなく最適な重量で最善の性能を発揮するモデルがこの「オーバーテイク」(それでも重量はわずか250g)。
空力・保護性能を向上させるためのハニカム構造インモールドがデザインのアクセントとしても非常にクール。戦闘力の高そうな独創的な設計スタイルは、道の上で周囲の視線を集中させます。MIPSモデルは¥36,000。

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KASK – Protone(¥30,000)

Kask Protone

説明は要らないほど普及している“グローバルスタンダードヘルメット”、「プロトーネ」。
アジア型の頭にも合いやすく、軽さ、エアフロー、デザイン観点すべて標準以上の満足感を得られます。KASKらしくカラー展開が豊富なのもうれしい。

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GIRO – Synthe(¥29,800)

Giro Synthe

RaphaやMAAPといったトップアパレルブランドとコラボしたデザインも展開する、孤高のスタイリッシュモデル「シンセ」。
少しサイドが膨らんで見えますが、逆にそれが格好良いと思わせるスタイルを確立したパイオニア的存在で、トップモデルのAetherが登場した今でもそのスタイルは色褪せません。
当然MIPS搭載モデルもあり、安全性とスマートさ、そして通気性を見事な調和で両立しています。

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POC – Ventral Air Spin(¥32,400)

POC Ventral Air Spin

ミドルグレードのOmne Air Spin同様、POCの2019年新作となる「ヴェントラル・エア・スピン」。
エアロエルメットの「ヴェントラル」に前方から後方へ空気を送り出すようなエアフロー設計を追加した軽量モデルです。この外観で235gという軽さ、そしてマットカラーのスタイリッシュさが最高にクール。
もちろん転倒時の衝撃を緩和する“SPIN”システム搭載で安全性も兼ね備えています。

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Sweet Protection – Facloner II(¥37,800)

Sweet Protection Falconer II

ノルウェーの「Sweet Protection」がロードヘルメットを初めてリリースしたのは2017年。そのプロダクトデザインはすぐに世界的に評価され、すでにスタイリッシュブランドの仲間入りをしています。
そのトップモデルの「ファルコナーⅡ」は、北欧デザインらしいミニマルな形状に、安全性とエアロとスマートな帽体をすべて凝縮。新しいヘルメットの価値観を生み出している無二の存在となっています(MIPSモデルとエアロモデルあり)。

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GIRO – Aether(¥44,000)

Giro Aether

Giroは長年シンセがトップモデルでしたが、2019年にさらなる最上位モデル「イーサー」がリリースされました。
特筆すべきはMIPSの新たなテクノロジー“MIPS Spherical”。前述のようなシート状ではなく、シェル自体が2層に分かれて動く構造(通常のMIPSより衝撃吸収性30%増)。
Giroらしい存在感のあるアウターシェルの形状は、今まで以上に道の上で“スタイリッシュなサイクリスト”を演出してくれ、価格もそれ相応のもの。

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5. セミエアロヘルメットという選択肢

空力を求め続けるロードバイクの世界で、ヘルメットにおいても昨今活発になっているジャンルがセミエアロタイプのヘルメット。従来のエアロヘルメットの長く伸びた後部をカットすることで、優れた空力を維持するだけでなく、普段使いしやすいデザインへと昇華。各メーカーからシールド付きのスタイリッシュなモデルが登場しています。
眼鏡をかけるサイクリストにとっても、シールドは眼鏡の上からそのまま着用できるので、度付きサングラスを買うよりもトータルでコスト削減できる素敵な選択肢となります。

Kabuto – Aero-R1(¥19,000)

Kabuto Aero-R1

国内で支持者の多いKabutoが2017年に発売した「Aero-R1」は、国産ブランドとして初のセミエアロヘルメット。
空力を考慮したすっきりした形状と主張の薄いデザインのおかげで、初めてのエアロヘルメットでも抵抗なく装着することができるモデル。
2万を切る価格設定でコストパフォーマンスに優れているのも魅力です。

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Giro – Vanquish(¥36,000)

Giro Vanquish

2017年のツールで実戦投入され、2018年から発売されたエアロヘルメット「ヴァンキッシュ」。
エアロ効果を高めるカムテール構造と角を削ぎ落として丸みを持たせた形状は、エアロヘルメットの中でも特にスマートな外観。工学的な美しささえ感じます。日本導入モデルはワイドフィット。

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* * *

ヘルメットは自身の命を預ける大事なプロテクター。そのため安全性を最も重視し、上記のような信頼のおけるメーカのものを選択します。
加えて、全身をスマートにコーディネートするためのファッションアイテムでもあるので、機能面と合わせデザイン観点からも気に入るものをセレクトして、自分のスタイルをつくり上げていってくださいね。