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Cycling & Fashion Journal for Road Cyclists

ビンディングペダルの選び方ガイド&おすすめペダル

ビンディングペダルの選び方ガイド

ロードバイクでもっと本格的に走りたいと思ったとき、最初に替えるパーツとして選ばれるのがビンディングペダル。
ビンディングペダルはサイクリストとロードバイクを深く結び付ける唯一のパーツであり、愛するバイクとつながることでペダリング効率や安定性を大きく向上させることができるもの。
自分に合ったペダル選択のために、タイプによる違いや検討すべきこと、そしておすすめのペダルを見ていきます。

1. ビンディングペダルのメリット

ペダリングの使い分けができる

フラットペダルはペダルを「踏む」という動作が中心になるのに対し、ペダルと脚が固定されるビンディングペダルはクランクを「回す」動作が基本になります。つまりクランクの回転運動に応じた効率的なペダリングができるようになるということ。

特に力が効率的に伝わるペダリング上死点あたりでしっかり前に踏み出す力をかけることができるのは、ビンディングペダルを装着しているが故です。
踏み込むだけでなく、踏み出したり引き足を使ったりと、ペダリングが複数の方法でできるようになるので、筋肉を交代で使って持久性が増したり、路面状況に合わせてペダリングを変えてスピードアップできるようになります。

安全性が高い

固定されているということは、走行中にシューズが滑ってペダルから外れることもなくなるため、安全に走ることができるということ。
またクリートの角度や位置とサドルの高さを最適化きれば、長時間ペダリングすることによる怪我や痛みのリスク*を最小限に抑えることもできます。
*ビンディングペダルに替えてから膝の痛みが出るというケースも稀にありますが、その場合はポジションに問題がある可能性があります。

外す動作、はめる動作が楽しい

停車時・発車時にカッ!と外してパキッ!とはめる動作が、ロードバイクと自分が一体化している感覚があって楽しいんです(なんのこっちゃ)。
シフトレバーの操作感覚ももちろん楽しいですが、手だけではなく足でもカチカチできるのがたまりません。この動作が楽しいという理由だけでも変えてよかったと最初は思えるはず。

ビンディングに替えてから1回は立ちごけを経験することになると思いますが、慣れてしまえばフラットペダルよりも安心して乗れるようになります。(フラットペダルのロードバイクに乗ると、固定されていなくて逆に乗りづらいと思うくらい。)
ほとんどの場合、2~3回乗ればすぐに慣れることができるので、少しずつビンディングの楽しさを体験していってください。

 

2. ビンディングシステムの構造と使い方

ビンディングペダルシステム

ビンディングペダルは、サイクリングシューズに取り付けられたクリートをペダルにはめることで足が固定される仕組み。
そのためビンディングペダルに替えるときは、ペダル+クリート+シューズの3点セットが必要です(ただしクリートはペダルに1セット付属)
クリートは消耗品なので、ランニングコストがかかる点を頭に入れておいてください。クリート価格の目安はメーカー毎に後述しています。

ロードバイク用3穴か、MTB用2穴か

ビンディングペダル2穴か3穴か

もともとLOOKが開発したロードバイクのビンディングシステムは、シューズに開けられた3つの穴にボルトを使用してクリートを取り付けるもので、シマノ、LOOK、TIMEといったほとんどのロード用ペダルはこの3穴式を採用しています。SPEEDPLAYだけは特殊な4穴式で、これを使用するためには4穴用のシューズまたは4穴用変換アダプタが必要です。

またMTB用に開発された2穴式もあり、クリートが小さく脱着しやすいのが特徴。ロードバイクでは歩行のしやすさからシクロクロスやツーリング等に用いられます。3穴と比較してパワー効率は下がりますが、そのシンプルさから2穴を好むロードサイクリストもいます。

一般的には3穴と4穴を「ロードバイク用ペダル」、2穴を「マウンテンバイク(MTB)用ペダル」と呼ぶため、ショップで探す場合はこの名称を伝えれば問題ありません。

初心者には脱着しやすい2穴タイプをおすすめするという意見もありますが、乗り手のレベルではなく用途に応じて選ぶべきであり、例え初心者でもしっかり走り込みたい場合は、最初から3穴でも問題なく使うことができます。

穴の数に応じたシューズの選び方についてはこちらの記事を参照してください。
ビンディングシューズの選び方ガイド&おすすめメーカー

フロート機構とリリーステンション

ビンディングペダルのフロート機構

ビンディングペダルで最も重要の仕組みのひとつがフロート機構
これはペダルにシューズをはめたときにできる「遊び」のことで、フロート機構により足首を少しだけ左右に動かすことができます(クリートの種類によってフロート角度は異なる)。
遊びがあることで、ペダリングするとき膝関節に対する負荷が下がり、膝の痛み予防につながります。どれだけサドルの上で鍛えたとしても、膝の痛みだけはトレーニングでなんとかなるものではないため、すでに何らかの問題を抱えている場合はフロートとポジションを見直すことが最善策となります。フロートに関しては特にTIMEのペダルが優秀

またほとんどのペダルは、リリーステンション(外すときの固さ)を調整できます。初心者の頃はテンションを弱めにして、慣れてきたら固くして力がしっかり伝わるようにするといった調整が可能。

ビンディングペダルのはめ方&外し方の基本

ビンディングペダルのはめかた基本
  • ・ロードバイクにまたがり、片足のペダルをはめる
  • ・はめたペダルを12時の位置に持っていき、踏み出す
  • ・走り出してサドルにまたがったら、もう片方の足をペダルの上に持っていく
  • ・クリートの先をペダルに引っ掛け、そのまま踏み込むと装着できる
  • ・走行中はいつでも外せるように足首に意識を持っておく(慣れれば無意識に外せる)
  • ・外すときは足首を外側にひねるだけ

ちゃんとはまるか不安?

最初は車通りの少ないところで練習(可能であれば固定ローラーを使用)。転倒することにナーバスであれば芝生の上などでトライするのもひとつの手です。
走り出してすぐにはまらなくても全然大丈夫。片方の足でペダリングして進んでいる限り、転ぶことはありません。大事なのは力任せにはめようとすることではなく、自然にパキッとはまるまで流れを任せることです。

坂道発進が苦手?

ペダルを急いではめることよりも速度を落とさないことを優先。
地面を蹴りながらペダルがはまっている足で思いっきり踏み出して、はまらなくてもそのまま両足で回し続けます。速度がゼロにならなければそのうち自然とはまります。
ただし激坂で停車したときは諦めることも必要です。

停まるときはどちらの足を外す?

左足を外すサイクリストが多い傾向がありますが、特に決まりがあるわけではありません。個人的には万が一のとき車道側に倒れ込まないように右足を外す癖があります。
状況に応じて対応できるように左右どちらでも外せるように練習しておきます。

 

3. ロード用ペダルの比較&おすすめ

通常のロードサイクリングやレースに最適な3穴・4穴のロード用ペダルは、ほとんどのロードサイクリストが選択するタイプ。
①シマノ、②ルック、③タイム、④スピードプレイの4メーカーから選択できます。

① Shimano SPD-SL シマノ

シマノ SPD-SL

シマノのSPD-SLはビンディングペダルの代名詞にもなっているほど、あらゆるサイクリストに選ばれる定番ペダル。
比較的安くて入手しやすく、耐久性も高いことなどから人気です。また踏み面の幅が広く、パワー伝達力が高いのも特徴。

シマノのクリートはカラーによってフロート角度が異なります(赤0°・青2°・黄6°)。最初は黄色を使っておいて、慣れてきたらほかの色を試してみるのが最適です。

<クリート価格:¥1,500~>

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② LOOK ルック

LOOK KEO

80年代にビンディングペダルシステムを最初に開発して以来、高い存在感を持つメーカー。
シマノはLOOKからパテントをもらってSPD-SLを製造しているため、LOOKの使用感はSPD-SLに酷似しています。 ただしLOOKの方が軽く、踏み面や可動域が少し大きいつくり。そのためはめたときの感覚が最も気持ちいいのがLOOKです。ただシマノと比較すると少し価格が高いのが難点。

LOOKのクリートもカラーによってフロート角度が決まっています(黒0°・グレー4.5°・赤9°)。クリートの遊びは膝の怪我防止にもなるので、膝の状態に合わせて異なる色を試してみてください。

<クリート価格:¥2,000~>

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③ TIME タイム

TIME XPRESSO

4メーカーの中で最も軽量なペダル。角のような箇所に足先を引っ掛ける構造です。 ソールとペダルの距離が近くダイレクト感に優れます。

また足に遊びが出やすいつくりになっているので膝への負担が軽減されるのがTIMEの優れたところ。少ない力でクリートを脱着できるので、危険なときすぐ外せます。

<クリート価格:¥2,400~>

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④ Speedplay スピードプレイ

SPEEDPLAY

他メーカーと一線を画す丸くてコロっとしたデザインが特徴的な4穴クリートのペダル。
ペダルの両面で脱着できて、フロートの細かい調整も可能。トルクもかけやすい形で、クリテリウムのようなロードレースに向いています。そのためプロレーサーの使用率が非常に高いペダルです。

クリートがすり減りやすく価格も高いのが難点ですが、練習時はクリートカバーを付けたまま使用することもできるのでそれほど気にする必要はありません。

<クリート価格:¥5,000~>

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おすすめロード用ペダル

初めてビンディングペダルを試す場合には、価格や脱着のしやすさを重点的に選びます。
その点で、取り扱いショップが多く入手しやすいシマノ、あるいは膝に負担が少なく脱着が容易なTIMEのどちらかをおすすめします。

シマノのおすすめモデル

替えのクリートの入手しやすさや価格を考えると、国内シェアの最も高いシマノSPD-SLが間違いのない選択肢。仲間がSPD-SLを使っているのであれば、バイクを交換して気軽に乗り心地を比較したりできるのも良いところ。

PD-R540-LA(定価¥5,573)

PD-R540-LA(ライトアクション)はビンディング入門用に最適なモデルで、“ライトアクション ”の名の通り初心者でも脱着しやすいようにバネが弱めに設定されています。財布にも優しい価格設定。

TIMEのおすすめモデル

フロートに余裕があって外しやすいため、初めてのビンディングペダルでもすぐに慣れるのがTIMEの良いところ。
個人的にSPD-SL・LOOK・TIMEを使用して落ち着いたのがTIMEで、脱着の多くなる都市部のライドでストレスフリーになります。ペダルの形状もシュッとしていてスマート。

XPRESSO 1(定価¥5,292)

エクスプレッソシリーズは、後ろの数値が大きくなるほど高価になります。エントリーモデルの1番からハイエンドモデルの15番まで、重量・素材・回転抵抗といった性能面で差が出てきます。
クリートのはめやすさ自体は変わらないので、見た目を気にしなければ最初はエントリーモデルでも充分。2017年から新たにラインナップに加わった1番は価格も良心的。

 

4. MTB用ペダルの選び方&おすすめ

2穴ペダルは基本的にオフロードで使用することが前提で作られているため、ロードバイクに装着する場合はツーリングや通勤など特定の用途に用いられる場合に選ばれます。

両面ともクリートをキャッチできるタイプが基本ですが、一部片面がフラットになっているタイプも存在します。通勤など普通の靴でも乗ることがあるときは片面ペダル、ツーリングなどビンディングシューズでしか乗らないときや、シクロクロスなどクリートをキャッチするスピードが命の場合は両面ペダルを選択するというのが一般的。

ただ両面であってもスニーカーで乗ることにあまり不自由はしないため、どのような用途であっても踏み面を気にしなくて良い両面ペダルの方をおすすめします(ある程度の重さは許容する必要があります)。

おすすめMTB用ペダル

SHIMANO SPD

MTB用ペダルメーカーはクランクブラザーズが有名ですが、ロードバイクの世界ではシマノのSPDが定番であり、「ペダルはロード用かMTB用どちらがいいか」という話の代わりに「SPDかSPD-SLどちらがいいか」と固有名詞で議論が行われるほど代表的なMTB用ペダルとなっています(SPD=Shimano Pedaling Dynamics)。

SPDがロードサイクリストに支持を得ている理由のひとつが、従来の40%の力で脱着できる“SHIMANO CLICK’R(クリッカー)”シリーズの存在。クリッカーシリーズのSPDは、2穴であっても完全にロードバイク初心者にターゲットを絞っているため、ビンディングシステムへの不安を抱えるロードサイクリストにとって入門しやすい選択となります。ただし固定力が弱めなので、最初からある程度慣れておきたい場合は通常のタイプを選択します。

SPD両面ペダルのおすすめ(クリッカー)

PD-ED500(定価¥4,311)

立ちごけしたくない初心者に向けた、着脱の簡単なロードツーリング用クリッカーペダル。Amazon等で¥4,000を切る価格で購入できる上に、ブラックのシンプルな外観も良い。

SPD両面ペダルのおすすめ(ノーマル)

PD-M530(定価¥4,596)

クリッカーよりもしっかりした結合感を得たいサイクリストに向いた、踏み面が大きく安定して踏み込めるベーシックなモデル。ロードバイクの外観にもマッチしやすい白と黒から選べるデザイン。

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* * *

ペダルがビンディングに変わると、細かい変化ですがロードバイクの見た目が本格的な印象になり、サイクリストとして一歩階段を上ったような気持ちになれます。

まずは回すペダリングの感覚を覚えてさらなる高み(深み)を目指してくださいね。

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