世界の変化によって、「インドアサイクリングは冬の間だけやる退屈なもの」という観念は覆され、通年で楽しめるメジャースポーツのひとつに昇華された。それを後押ししているのが、スマートトレーナーとバーチャルライドアプリの普及。
本稿ではバーチャルライドアプリでシェアNo.1の『Zwift(ズイフト)』でインドアサイクリングが始められるように、スマートトレーナーのモデルの選び方や必要な周辺アイテム、そして現在のトレンドなど、必要なことがすべてわかるようにしている。
ここからオンラインの世界でRide on!していこう。
text / Tats(@tats_lovecyclist)
*Tacx製品の価格改定を反映(2024年8月)
*新製品「Zwift Ride」の情報を追記(2024年9月)
*Elite新製品「JUSTO 2」の情報を反映(2024年10月)
Contents
1. スマートトレーナーを導入しよう
スマートトレーナー = 自動負荷調整できるローラー
バーチャルライド上で、アプリと通信して自動負荷調整できるトレーナーが「スマートトレーナー(スマートローラー)」。自動負荷調整のメリットは、コース上の起伏が再現されることでライドへの没入感が高まること、トレーニングメニュー通りの負荷がかけられることで効率的なトレーニングができることが挙げられる。
対して手動負荷調整のタイプは、スマートトレーナーの登場により「クラシックトレーナー」と呼ばれるようになった。
クラシックトレーナーでも自分で負荷調整することでZwiftはできるが、より没入感とトレーニング効果の高いインドアライドを求める場合は、スマートトレーナーが最適な選択となる。
没入感あるトレーニングができるスマートトレーナー
2種類のトレーナー+α
スマートトレーナーは「タイヤドライブ式」と「ダイレクトドライブ式」の2種類がメイン。
- ①タイヤドライブ式(ホイールオン式):後輪のシャフトで固定し、磁石やオイルでタイヤに負荷をかける。比較的静かで自然な負荷がかかるが、タイヤが摩耗する。5万円程度から導入できるため、入門機として選ばれてきた。
- ②ダイレクトドライブ式:後輪を外してセットし、レジスタンスユニットで負荷をかける。
静音性・計測精度が高く、パワーメーターも内蔵するため、トレーニング主体のバーチャルライドには最も適したタイプ。高機能のため10万円以上の高価なモデルが多くを占める。
それぞれ長所と短所があるが、実走感・パワー精度の高いダイレクトドライブ式が人気。近年ではエントリーグレードのモデルが投入され、導入障壁も下がっている。
対してタイヤドライブ式は、パワー精度が弱点だが、導入価格の低さがメリット。ただしモデル展開は年々縮小しており、選択肢や今後のサポートを考えると、積極的に選ぶべきモデルはほとんどない。
また第3の選択肢に、スピンバイク型の「スマートバイク」がある。
スマートバイクは、サドル高・リーチ・セットバック・クランク長を変更でき、ペダル・サドル・ステアリングは自分のものを取り付け可能。
わざわざバイクをセットする必要がなく、自分のポジションに最適化できるスマートバイクは、バーチャルライドの理想形だが、ほとんどが1台40万円以上する価格設定なので、別の悩みを生じさせるかもしれない。
2. スマートトレーナー主要4メーカー
スマートトレーナーの主要メーカーは、Wahoo(米国)、Tacx(オランダ)、Elite(イタリア)の3つ。加えて国内では、新興メーカーのXplova(台湾)が人気を集めている。
この4メーカーそれぞれの特徴と、人気モデルをピックアップする。
Wahoo(ワフー) – 総合力&拡張性に長けた豊富なラインナップ
豊富なラインナップで最も存在感のあるWahooの「KICKR」シリーズ。
エントリーモデル「KICKR CORE」とフラッグシップモデル「KICKR」を基軸に、さらに2022〜2023年にかけて2つの新機種を投入。
2022年発売のタイヤドライブ式「KICKR ROLLR」は、ローラーらしい自然な乗り心地、すぐにバイクをセットできる利便性が特徴。インドアと外ライドをシームレスに切り替えることができる(ただしパワートレーニングをするためには別途パワーメーターが必要)。
2023年発売の「KICKR MOVE」は、「KICKR」のスペックを引き継いで、さらに前後方向に動く機構を備えたハイエンドモデル。実走中はペダルの入力に合わせて前後に動くため、その動きを再現することで、インドア上で限りなく自然なフィーリングを実現している。
またWahooは拡張性の高さも強みで、特に勾配を再現する「KICKR CLIMB」と風を再現するスマートファン「KICKR HEADWIND」のオプションが魅力的。
KICKR CLIMBを併用すると、登り+20%・下り-10%の斜面も忠実に再現できるスマートトレーナーとなり、より実走に近いトレーニングが可能。
大風量のKICKR HEADWINDと合わせて、インドア環境をアップデートしていきたいサイクリストに最適なメーカー。
Tacx(タックス) – 最上位の計測精度と静音性
2019年よりGarmin傘下に入ったTacxは、世界で初めてPCと接続できるトレーナーを開発したオランダのメーカー。
ダイレクトドライブ式の「NEO」シリーズは、コンピュータ制御の仮想フライホイールを搭載しており、計測精度は全スマートトレーナー中トップ。また静音性と振動の少なさからも、住環境に気を遣う日本国内のサイクリストたちに高い支持を得ている。
フラッグシップモデルは、4年前に発売された「NEO 2T」から「NEO 3M」へと進化。モーションプレートが搭載された本モデルは、Wahoo「KICKR MOVE」と競合するモデル。
Xplova(エクスプローバ) – 優れたパフォーマンス&手厚いサポート
Acer100%資本の台湾メーカー「Xplova」。国内代理店のサポートが手厚いことで知られており(これがとても重要)、初めてのスマートトレーナーでも安心して導入できる。
そのベーシックモデル「NOZA S」は、高い性能と10万円という価格設定により、スマートトレーナーの敷居を大きく下げてくれるプロダクト。
さらに2022年に登場した「NOZA V」は、計測精度・実走感・携行収容性すべてがアップグレードされ、他メーカーのハイエンド機に匹敵する性能を備える。
また、自動負荷調整のないダイレクトドライブ式トレーナー「NOZA one」(2021年発売)は、“スマートトレーナーは高価過ぎる” “自動負荷調整はなくても十分”といったユーザーの声に応えるモデル。Netflixを見ながらフィットネスしたり、仕事の合間にサクッと乗ったりするインドアスタイルに合う絶妙な一台。
Elite(エリート) – 収容性&デザイン性に秀でる
クラシックトレーナー含めたラインナップが豊富なイタリアの名門ブランド「Elite」。収容性やデザイン性に優れたプロダクトを多く展開している。
またステアリング機能付きのライザー「STERZO SMART」やステアリング機能と勾配再現機能を搭載した「RIZER」といった、バーチャルライドを楽しむためのエコシステムも魅力的。特にステアリング機能を搭載する拡張製品はELITEだけなので、ハンドル周りの実走感も高めたいときは唯一の選択になる。
3. モデル比較:エントリーグレード(10万〜)
必要十分な機能と精度を備えたグレード
ダイレクトドライブ式は、価格によって計測精度・最大出力・最大勾配・収容性・実走感などが変わってくる。ほとんどのサイクリストにとってはエントリーグレードの機能でも充分だが、折り畳めないモデルが多いので、設置スペースも考慮してモデルを絞り込む。
Wahoo | Xplova |
Elite |
|
モデル | KICKR CORE |
NOZA S |
SUITO |
計測精度 | ±2% | ±2.5% | ±2.5% |
最大パワー | 1800W | 2500W | 1900W |
最大勾配 | 16% | 18% | 15% |
重量 | 18kg | 17kg | 14.5kg |
フライホイール | 5.4kg | 5.9kg | 3.5kg |
定価 | ¥108,900 | ¥107,800 | ¥108,080 |
購入リンク | Wahoo | Amazon | Amazon |
Wahoo KICKR Core:上位モデル「KICKR」との主な違いは、折り畳めないこと、計測精度・最大パワー・勾配が低いこと。また左右に動く機構がないこと。それでも十分なスペックなので、収容スペースに余裕があればダイレクトドライブ式の中でも良い選択肢となる。キッカークライムの拡張性や静音性の高さも優れたポイント。
Xplova NOZA S:初代NOZAよりもフライホイールが大型化したことで実走感が増し、ベルトとプーリーの改良により静音性も高まっている。同グレードモデルと比較しても数値で上回る部分が多く、紛うことなき良コスパモデル。折りたたみは不可。
Elite SUITO:SUITOの特徴は折りたたんだときのコンパクト性。収納時の幅が、上位モデルのDIRETO XRが30cmなのに対して、SUITOは15cm。ほかのメーカーと比べても半分近くの小ささに収まっている。狭い住宅事情のサイクリストにとっては最も適したモデル。
どのモデルを選ぶ?
従来この価格帯は「NOZA S」が一番人気だったが、「KICKR Core」が2023年8月に価格改定を行い、NOZAシリーズと同価格帯になった。
各モデルのスペックはほとんど変わりないため、丁寧なカスタマーサポートを求める場合は「NOZA S」、拡張性を考える場合は「KICKR Core」、収容性を最重視する場合は「SUITO」という選び方ができるようになっている。
4. モデル比較:ミドルグレード(13万〜16万)
多様なモデルが揃うグレード
13-15万の価格帯は、目的別に豊富な選択肢がある。KICKR ROLLRで手軽にインドアライドをはじめるか、ほかのダイレクトドライブ式で本格的にトレーニングするか、目的に応じて選んでほしい。
Wahoo | Tacx | Xplova |
Elite |
|
モデル | KICKR ROLLR |
FLUX2 |
NOZA V |
Direto XR |
計測精度 | ※ | ±2.5% | ±2% | ±1.5% |
最大パワー | ※ | 2000W | 2200W | 2300W |
最大勾配 | 10% | 16% | N/A | 24% |
重量 | 22.6kg | 23.6kg | 18kg | 15.8kg |
フライホイール | – | 7.6kg | 3.4kg *モーター増強 |
5.1kg |
定価 | ¥132,000 | ¥164,800 | ¥129,800 | ¥138,100 |
購入リンク | Wahoo | Amazon | Amazon | Amazon |
※KICKR ROLLRは自転車側に別途パワーメーターが必要
Wahoo KICKR ROLLR:2022年に発売されたタイヤドライブ式新型ローラー。バイクを載せるだけでセットできる利便性が特徴で、インドアと外ライドをシームレスに切り替えたいサイクリストには素晴らしい選択肢。ただし設置スペースが大きくなるほか、パワートレーニングをするためには自転車側にパワーメーターが必要。
Tacx Flux 2 Smart:上位モデルと比較すると精度が落ちるが、併売されている前モデル「Flux S」と比較すると、計測精度3%→2.5%、勾配10%→16%、パワー1500W→2000Wと大きくアップグレード。上位モデルに肉薄するスペックとなっている。脚を折りたためないので収容スペースには余裕が必要。
※2024年8月の価格改定により約2万値上げされている
Xplova NOZA V:人気モデル「NOZA S」に寄せられた要望を取り入れ、さらに実走感や精度を進化させた「V」。左右に揺れる機構も搭載している。「S」はコストパフォーマンスに優れたモデルとして今も普遍的な存在だが、¥22,000の価格差で計測精度・実走感・携行収容性すべてがアップグレードできることを考えると、「V」もまたコストパフォーマンスに優れたモデルと言える。
Elite Direto XR:Direto3代目となるXRモデル。前作から再現勾配18%→24%、パワー出力2100W→2300Wと強化され、計測精度も同価格帯では最高クラス。スプロケットが付属しない「DIRETO XR-T」モデルも併売。
【目的別おすすめ】どのモデルを選ぶ?
予算と設置場所があれば「KICKR ROLLR」の手軽さは全スマートトレーナーの中でも随一。
トレーニング目的でダイレクトドライブ式を選ぶ場合は、「NOZA V」が価格対機能で突出している。NOZAシリーズはスマートトレーナーを一般に普及させた実績のあるモデルで、特に最新モデル「V」は、ハイエンドグレードに搭載されている左右の傾きを再現する機構を搭載しており、丁寧なカスタマーサポートによる安心感もある。
「FLUX 2」は「KICKR CORE」の競合モデルだったが、KICKR COREが値下げしたことで、比較した場合に現状FLUX 2を選ぶ理由が見つからない。
5. モデル比較:ハイエンドグレード(17万〜)
精度の高いトレーニングやバーチャルレース目的に
トッププロも使うハイエンドグレード。価格は相応のものになるが、トレーニングやZwiftレースなどを主体にバーチャルライドを行う場合は、信頼のおける計測精度(±1%以下)を持つこのグレードが推奨される。
Wahoo |
Tacx | Elite | ||
モデル | KICKR |
KICKR MOVE |
NEO 3M |
JUSTO 2 |
計測精度 | ±1% | ±1% | 1%未満 | ±1% |
最大パワー | 2200W | 2200W | 2200W | 2300W |
最大勾配 | 20% | 20% | 25% | 24% |
重量 | 21.5kg | 29kg | 23.6kg | 17kg |
フライホイール | 7.25kg | N/A | 仮想 | 7.2kg |
定価 | ¥206,305 | ¥253,000 | ¥389,000 | ¥219,800 |
購入リンク | Wahoo | Wahoo | Amazon | ワイズロード |
Wahoo KICKR:拡張性・静音性含めた総合力でトップに君臨するモデル。「AXIS Action Feet」も標準装備し、左右の傾きも再現。さらに2022年モデルではBluetooth/ANT+だけでなくWiFi接続で安定した環境も構築可能に。
Wahoo KICKR MOVE:精度や最大パワーなどの仕様はKICKRを踏襲しながら、前後に動く機構を備えた最上位モデル。屋外の走行感を再現することでダンシングもしやすくなり、インドアライドを更に臨場感あるものにする。
Tacx NEO 3M:前モデルNEO 2Tの発売から4年経ち、Tacxの最新モデルが2024年に登場。KICKR MOVE同様に前後に動くモーションプレート搭載。NEOシリーズはコンピュータ制御の仮想フライホイールを搭載しており、計測精度は全トレーナー中トップ。最大負荷やペダリングフィール・静音性などもトップモデルに相応しいスペック。また電源がなくても稼働するため、レース前のウォームアップにも使用可能。
Elite JUSTO 2:前モデルから2年経って進化した2024年モデル「ジャスト2」。通信速度やデータ処理速度が大幅に強化され、バーチャルライドがより安定するようになった。KICKRやNOZA Vと同様に左右に揺れる機構も搭載。無骨なインダストリアルデザインはKICKRとは違う魅力。
【目的別おすすめ】どのモデルを選ぶ?
各モデルのスペック差は少なく、総合力や拡張性で「KICKR」、さらに屋外の走行感を再現したい場合は「KICKR MOVE」や「NEO 3M」が有力。
6. モデル比較:スマートバイク(20〜50万)
予算と設置スペースに上限がない幸せなサイクリストは、スマートバイクという選択肢しかない。ポジション調整が容易にでき、同居する家族とシェアすることも可能。ぜひ最高のバーチャルライド環境を構築してほしい。
Tacx | Wahoo | Zwift | ||
モデル | NEO Bike Plus |
KICKR BIKE |
KICKR BIKE SHIFT |
ZWIFT RIDE |
計測精度 | 1%未満 | ±1% | ±1% | ±2% |
最大パワー | 2200W | 2500W | 2200W | 1800W |
最大勾配 | 25% | 20%/-15% *傾斜再現あり |
20%/-15% | 16% |
重量 | 50kg | 42kg | 36kg | 35.4kg |
定価 | ¥728,000 | ¥594,000 | ¥484,000 | ¥225,000 |
購入リンク | ワイズロード | Wahoo | Wahoo | Wahoo |
Tacx NEO Bike Plus:最初に発売されたスマートバイク「NEO Bike Smart」が2022年にマイナーアップデートされ、SRAM、Shimano、Campagnoloのシフトを再現する機能が追加された。計測精度などはNEO 2Tと同じで、ワイヤレスでも使用可能な点も同様。4.5インチのモニターと小型ファンが付属し、インドア環境を簡単に構築できる(ただし小型のファンだけでは冷却は追いつかない)。
Wahoo KICKR BIKE:計測精度などはKICKRと同じ。KICKR CLIMB同様、傾斜に合わせてバイクが上下するため、下りのポジションも再現できるところがWahooにしかない機構。バーチャルシフトで、SRAM、Shimano、Campagnoloのギア比・変速方法に設定可能で、またアプリで自分のバイクを撮影して簡単にポジション出しできるなど、至れり尽くせりのハイエンドモデル。
Wahoo KICKR BIKE SHIFT:2023年に発売されたKICKR BIKEのセカンドグレード。KICKR BIKEとの一番の違いは、斜度再現システムが省略されている点。またドライブトレイン周りが一新されて駆動音が小さくなっている。
Zwift Ride:2024年9月にリリースされた、「KICKR CORE」と「Zwiftフレーム」を組み合わせたセットアップ型スマートバイク。バーチャルシフティングを可能にする「Zwift Cog」やZwiftコントロールボタンが内蔵されており、ほかのスマートバイクでできることはZwift Rideでもほぼ実現可能(ただしKICKR BIKEのような傾斜再現はない)。
【目的別おすすめ】どのモデルを選ぶ?
トップモデルの「NEO Bike Plus(¥728,000)」と「KICKR BIKE(¥594,000)」は、米ドル価格がいずれも$3,999.99だが、国内販売価格は13.4万円の差がある。KICKRはヒルクライム時に上下に動く機構を備えており、あえて高価なTacxを選ぶ理由がない。
その中で新たに「Zwift Ride(¥225,000)」が登場し、半値以下のプライスでほかのスマートバイクでできることをほぼ実現している。より精緻な計測精度や傾斜再現が必要なければ、Zwift Rideは価格含めて最有力となる。
7. Zwiftライドに必要な環境
Zwiftアプリ
●Zwiftアプリ:Zwift本体のアプリはiOS / AndroidのほかにWindows / Mac、そしてAppleTV用がある。利用料は1アカウントあたり月額¥1,650(7日間の無料トライアルあり)。
●Zwift Companionアプリ:Zwiftにはコンパニオンアプリ(iOS | Android)がある。BluetoothでスマートトレーナーとPCをブリッジ接続する役割を担ったり、Zwift上のメッセージのやり取りやコース選択などができる。
Zwift対応デバイス
スマートトレーナーと対応デバイス(iOS/Android、Mac/Windows、Apple TV)はBluetoothまたはANT+で接続する。基本的にiOS/Androidの場合はBluetooth、PCの場合はBluethoothかANT+を使用。
手持ちのデバイスに合わせて、アプリとセンサーの通信環境を用意する。
※ANT+スピードセンサーやパワーセンサーをPCに接続する場合は、受信側にドングルを用意する必要がある
専用ホイール/スプロケット
タイヤドライブ式の場合:タイヤが摩耗し、ホイールにも負荷がかかるため、トレーニング用に摩耗しづらいリアタイヤ+安価なホイールを用意するのが一般的。
ダイレクトドライブ式の場合:別途スプロケットの購入が必要。トレーニング用なので、普段使っているものからグレードを下げたり、歯数を変えても問題ない。ただしWahooやEliteの一部モデルはスプロケットが付属する。
※Campagnoloユーザーは別途カンパ用フリーも購入する必要がある
インドア環境構築グッズ
①ディスプレイスタンド:スマートフォンやタブレットを使用する場合は、ディスプレイを目の前に置けるようにスタンドやホルダーを用意する。
インドア専用のスタンドが発売されているが、譜面台のようなものでも代用可能。
・ミノウラ タブレットホルダー(Amazon)
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②スウェットカバー:フレームを汗から守るスウェットカバーは必需品。
これに加えて、ハンドタオルをハンドルの上にかけることでT字でバイク全体を保護するのが最適。
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③ライザーブロック:バイクを水平に保つために用いられるライザーブロックだが、ダイレクトドライブ式の場合はリアの高さを調整できるので基本的には不要。
ただヒルクライムのポジションを再現してトレーニングしたいときには、高さ調整できるライザーブロックが活躍する。
・ライザーブロック一覧(Amazon)
④トレーナーマット:汗を受け止めたり、床を傷つけないためのマット。若干の防振効果もある。
練習スペースはかなり場所を取るので、ローラー台専用マットを使うとジャストサイズ。ヨガマット等でもOKだが、事前にサイズ確認が必要。
・Wahoo多目的フロアマット(Amazon)
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⑤防振パッド:ローラー台は騒音と同じくらい振動を気にする必要がある。特に集合住宅では近隣への配慮がマスト要件だが、ローラー台専用に設計された防振材を使うことで、床に伝わる振動は限りなくゼロになる。
2個セット販売なので、ローラーの足の数に合わせて複数購入する。
・ミノウラ 防振パッドセット(Amazon)
⑥扇風機:無風の室内では扇風機が欠かせない。風力の強い工業扇風機もあるが、一度自宅の扇風機で試してみて、もの足りないと感じたらより強力なものを買い足すかたちで良いかもしれない。
・工業扇風機一覧(Amazon)
* * *
バーチャルライドは退屈しづらいとはいえ、トレーニングメニューやレースをやっていると「なんでこんなつらい思いをしているんだ」感が出てくることがある。それでも我慢して走りきったときの爽快感はたまらないもの。
そう、Zwiftで退屈を誤魔化そうが、スマートトレーナーはドM専用機。一緒にZwiftで辛く楽しくRide On!していこう。
著者情報
Tats Shimizu(@tats_lovecyclist) 編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。 |