2022年の自転車ライフを支えてくれた愛すべきモノ10選

物価高が続いた2022年。何を買って何を買わないか、その線引きが以前より厳しめになったサイクリストも多いと思います。
僕は今年届いたグラベルバイクに合わせた買い物を優先させていたため、今回のセレクトはそれが大きく影響していますが、とはいえどれもロード/グラベル問わず使っています。

ちなみに毎年この企画をやっていますが、買ってから使わなくなったものはできるだけ紹介しないように、基本的には長く使い続けているものを中心にピックアップしています(2021年に紹介したリストのものは今も継続使用)。

text/Tats@tats_lovecyclist

MAAP x Apidura フレームバッグ(¥22,000〜)

MAAPとApiduraがコラボしたフレームバッグ。もともと使い勝手の良かったApiduraオリジナル版からさらに改良が加えられ、デザインの変更だけでなく小型のサイドポケットも追加されています。

バーバッグやサドルバッグに重いものを入れると重心が偏るのでダンシングやコーナリングにかなり影響しますが、フレームバッグだと重心が中央にくるため安定しやすくなります。だから1kg近くある替えのレンズ入れとして今年はめちゃめちゃ重宝しました。加えてジャケットやジレなどの防寒具も入るので収容性抜群。2023年も引き続きお世話になります。

※フレームサイズ54で使用。小さめのフレームサイズだと入らない可能性があるので、事前にサイズ計測が必要です。

MAAP x Apidura フレームバッグ(CYCLISM)

Adidas Velosamba (¥15,400)

グラベルバイクに乗るようになって以来、シューズはライド内容に応じて2ボルト用と3ボルト用で使い分けています。

その中でもっともカジュアルなライドに使っているのが、Adidasの定番モデル「サンバ」をベースにした、2ボルト用シューズ「ヴェロサンバ」。見た目はそのままサンバなので、いい感じの抜け感が足元に出るのが気に入っています。実際スニーカー感覚で履けるし、普通に歩きやすい(ただしアウトソールはサイクリング用に固めになっている)。

アッパーは風を通さないため、夏のライドでは蒸れやすいものの、冬はシューズカバー不要。サイズはスニーカーと同じ25.5cmを履いています。

Velosamba(Adidas公式オンラインストア)

Fizik Vento Ferox Carbon(¥44,000)

カジュアル寄りなVelosambaに対して、コンペ寄りの「フェロックスカーボン」。
これまで 2ボルトシューズは、3ボルトシューズのようにクリーンなデザインのものが市場にほとんどないことが不満でした。そんな中、近年のグラベルレース高速化の流れで、Fizikがよりコンペティティブなオフロードシューズ「フェロックスカーボン」をリリース。

この形状と色使いが素晴らしい…!淡いパープルはウェア合わせしやすく、白シューズとはまた違ったクリーンな印象になります。
また従来の歩きやすさも加味したオフロードシューズとは異なり、レース強度にも耐える高剛性のアウトソールを備えているため、ロードシューズと同じ感覚で踏むことができます。

クロージャーは調整しやすく、アッパーは軽く、そして汚れにくい。つまり最高のオン&オフロードシューズです。

Fizik Ferox Carbon(ワイズロードオンライン)

Fingerscrossedオーバーソックス(¥4,500)

都心であれば真冬でもオーバーソックス+つま先カイロで足元はOK。
2年前からオーバーソックスはFingerscrossedを使用。 消耗品ですが、バリエーション豊富なので好きなカラーを都度セレクトするのが楽しみ。今シーズンのボーダー柄はかなりフレッシュな印象です。

FINGERSCROSSEDオーバーソックス(CYCLISM)

KOO Spectro(¥22,000〜)

KASKが手掛けるアイウェアブランドKOOによる、いかついアイウェア「スペクトロ」。カールツァイス製レンズはやはりクリアで見やすい。KASKヘルメットとの相性も良い。
あまり使っているサイクリストは見かけませんが、実際に掛けるとこのいかつい形状が癖になります。

KOO Spectro(ワイズロードオンライン)

Factor LS(フレームセット¥386,100)

「自分のフィールドで最も楽しめるバイク」という観点で組んだバイク。2021年末の注文から約半年で届いてくれました。
ポッドキャストで詳しい用途は話していますが、都市部では避けられない舗装路中心のミックスライドスタイル(舗装路9割+未舗装路1割)にはグラベルレーシングバイクというカテゴリが最も優れた選択肢だと考えてLSにしています。

納車直後はホイールにMavic Allroad SLを履かせていましたが、求めていた乗り味と少し乖離していました。その後Roval Terra CLに替えて走りが大化けしています。今ではライドのほとんどを躊躇なくLSでこなすように。

ちなみに現行価格は注文した頃から約35%値上がりしていて戦慄…。

Factor LS(公式サイト)

Beast ロードステム(€339.9)

Factor LSに合わせるために選んだBeastのステム。「Beast」はホイールやハンドルバーなどカーボン製コンポーネントを製造するドイツのメーカー。

あえてステムにこだわったのは、シンプルなLSのブラックフレームに少しだけ華を持たせたかったから。きらびやかで艶めかしいカーボンがまじエロい(倒錯)。
剛性感も非常に高く、走りの安定感とドレッシーなイメージが絶妙なバランスに仕上がっていて超お気に入り。

BEAST Road Stem(公式サイト)

※BEAST製品はCYCLISMで取り寄せ可能です。

Universal Colours ユニセックス・インサレーテッド・パッカブルジャケット(¥28,200)

Universal Coloursはカジュアルラインも優秀。そのひとつ「ユニセックス・インサレーテッド・パッカブルジャケット」は、軽くて薄いのにむちゃくちゃ暖かくて、昨年の冬から重宝しています。パートナーも気に入ったため今シーズン別色を追加購入。

表面はDWR(耐久撥水)コーティングが施され、中身は3Mシンサレート高機能中綿で保温性がすごい。
普通のダウンジャケットと異なり、長めの袖や背面カバーなどライド姿勢にも最適化されている設計はさすが。ちょっとした自転車の移動だけでなく、日常の普段着にも。177cmでSサイズ着用。

パッカブルなので鞄に入れるのも良い(それなりに大きい)

Universal Colours パッカブルジャケット(公式サイト)

FUJIFILM X-T5 + XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

カメラ本体を2年半使ってきた「X-T4」から「X-T5」に。

細かい部分で多々変更ありますが、最も大きいのはAF性能の進化。これまでFUJIFILMのAF性能は他メーカーに比べて圧倒的に弱く、正直スポーツ撮影には向いていないと理解して使っていましたが、T5の世代でようやくCanonやSONYのひと世代前のクラスに追いついたと感じられます。

もともとあったFUJIオンリーの色調に“実用的な”AF性能が加わり、撮りたい画がよりミスなく撮れるようになったことで、撮影モデルにも負担をかけずスムーズな撮影を可能にしています。
あと50g軽量小型化しているのも地味にうれしい。

ちなみにバリアングル→チルト化は、自撮りしない勢にとっては大歓迎な仕様変更でした。

FUJIFILM X-T5(Amazon)

また望遠ズーム「XF50-140mm」は先述のフレームバッグに入れて、要所要所で使用。すでに持っていた標準ズーム「XF16-55mm」と組み合わせると、あらゆる焦点距離をカバーできるので画作りの幅がさらに広がっています。

XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR(Amazon)

これでミラーレス関連への投資はしばらく打ち止めできるほど、あらゆる撮影に対応できるようになりました。

iPhone14 Pro

iPhone14 Proは、「新しいスマートフォン」が必要だったというよりは、「新しいコンデジ」を求めて買ったようなもの。

最近気になるモノ・話題」でも書きましたが、iPhoneは14Proからカメラのセンサーサイズが1インチに近づいたことで、SONY RX100シリーズなど1インチセンサーを内蔵するコンデジの写りに肉薄するようになりました。
またRAW形式で保存できるので、狙った通りのレタッチもお手のもの。動画性能も大幅に強化されており、写真+動画が撮れるコンパクトなカメラが必要なら、コンデジよりもiPhoneという時代になりました。

カメラを背負うスタイルは一般化したものの、正直何も背負わなくて良いならそうしたいのがロードサイクリストゆえの率直な気持ち。これまでミラーレスが必要ないときはRX100M5Aを使っていましたが、それを持ち運ぶことさえも億劫だったので、iPhoneで代替できるようになった現状は万々歳。

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著者情報

Tats Tats Shimizu@tats_lovecyclist
編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。