色でも遊べる極上ウェア。
ロードサイクリングにおける服装は、サイクルジャージとビブショーツの上下が基本スタイル。
ただこれまで上下のコーディネートを考えるとき、ビブショーツの選択肢はそれほど多くありませんでした。
ダークカラーのビブを履き、ジャージやソックスで好きな色柄を組み合わせるというコーディネートが一般的。
でも今までのウェアの組み合わせに少しマンネリを感じてきたり、自分が着るモノでもっと個性を演出したくなったりすることだってあります。
そんなとき、カラージーンズのように、サイクルウェアでもパンツを含めて全身の色合わせをすることが新たなスタイルになり得ます。
※2019年最新モデルのレビューはこちら
Café du Cyclisteの提案
フランスのラグジュアリーブランド“Café du Cycliste – カフェ・ドゥ・シクリステ(以下CDC)”はSS18シーズンに「Pantoneパレット」というスタイル提案を打ち出しています。
これはジャージ+ビブショーツ+ソックスの3点を、世界的な色見本帳であるPANTONEの色合わせのようにカラフルに組み合わせるというアイデア。
これができるのは、新たに5色展開されたビブショーツがあるから。着回ししやすいブラックやネイビーのベーシックなビブももちろん良いし、カーキでワイルドな着こなしさえ作り出すことも可能。ライトグレーという外し技もあります。
この色の組み合わせを考えるだけでも楽しいもの。
同一ブランドなのでどのウェアでも親和性は抜群。
カラフルなビブの上ににCDCの上質なジャージの色柄をうまく組み合わせれば、自分だけのアイデンティティをウェアで表すことができます。
今年の夏はマリンスタイルで。
ジャージ&ビブ:XS(身長177cm・C86/W74/H90)
僕はこれらの中から、赤のストライプジャージと青のビブショーツを組み合わせて、これからの季節にぴったりのマリンスタイルとなるようにしました。
80年代の海水浴場にトリップしたかのように見えるスタイルは、レトロ回帰している今のトレンドだからこそ新鮮に感じます。
ジャージとビブ、それぞれのディティールを詳しく見ていきます。
※本ウェアはCDCより提供いただいたものです。
ジャージ – FRANCINE
FRANCINE – Red Stripe($169.00)
“フランシーン”と名付けられた春夏ジャージは、中厚手の生地に大きなメッシュパネルが取り付けられ、クラシカルな雰囲気を併せ持ったストライプスタイル。
超タイトなエアロフィットではなく「ややタイト」なつくりは、モードファッションのように綺麗なシルエット。あえてピチピチにしすぎず、でも少しだけゆとりをもたせることで絶妙に大人なサイクリストに合うスタイルを作り上げています。
ディティール
ポリエステルをメインとした生地は、さらさら&ふわふわの生地感が気持ちよく、着心地はまるで上質なポロシャツを着ているかのよう。超ソフトな着心地体験だけで、このウェアをずっと着ていたくなります。
細部の設計はもちろん抜かりなく、襟周りはジッパーガードが長めに取られていて、ジッパーを下ろしたときも不快な金属の感触が肌に当たらないようになっています。
締め付けのない袖口は、折り返し加工でゆったり肌に優しい。ここもふわふわ。
僕の腕が細いため袖に余裕がありますが、ライド中違和感を感じることはありません。
胸元のロゴがエンボス加工になっていて立体感があります。ひとつひとつのディティールが細かい…!と思わず唸るほど。
背面にめいっぱい開かれたメッシュが、汗の抜けを良くしてくれます。
走っている間、熱気がしっかり抜けていくのがわかるほど、明らかに涼しさを感じることのできるレベル。
バックポケット
斜めにカットされたバックポケットはとてもアクセスがしやすい。しかもポケットがメッシュなので中身のものが蒸れない。ただただ素晴らしい設計。
センターのジップ付きポケットの内側は防水加工も兼ねた補強がされているので、鍵など固いものを入れておくことができます(小さいのでスマートフォンは入らない)。
背面から見ると、バックポケットがしっかり補強されているので、多少重いものを入れても型くずれしづらいつくりになっています。
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デザインはベーシックながら、ひとつひとつのディティールを見るほど「さすがCDC」と思えるつくり。
良いウェアに包まれていることを感じる生地の質感、無理にエアロにしないカット(でもシルエットは綺麗)、細部まで心づかいが行き届いた機能性、これらが1枚にぎゅっと詰め込まれていて、ストレスを一切抱えることなく上質なサイクリング体験をすることができます。
特に着心地の良さには心底惚れました。
ビブショーツ – MARINETTE
MARINETTE – Bleu Royal($225.00)
爽やかなロイヤルブルーのビブ“マリネット”。
さり気なく配された右足のCDCロゴと、裏面に取り付けられた反射素材と、ディティールが細かい。
裾はシリコングリッパーが付いたスタンダードな設計。サイズ感が最適で、太ももにぴたっと沿ってくれます。
肩紐は比較的タイトめにできていますが、前傾姿勢でいる限りは無理のない圧です。
Cytech製のパッド。このメーカーは多くのブランドに選択されていますが、Cytechの何十種類もあるラインナップの中でどのモデルを選んでいるかを見ると、ビブの性格がよく分かります。
マリネットに組み込まれたのは“COMP HP”というモデル。一般的なロード用パッドよりも密度が高く出来ていて、未舗装路にも対応できるクロスオーバータイプです。
快適性を重視した性格のビブは、実際にサドルに対する乗り心地がすごく快適。お尻全体にパッドのしっかりした厚みを感じることができ、終日走るような長時間ライド中でもずっとペダリングが安定しました。
上記ジャージの快適性と合わせればものすごくストレスが軽減され、機能面でも相性の良い上下の組み合わせになっていると実感します。
さらにこのビブで最も素晴らしいと感じたのが、肌が透けないように大事な箇所には黒い裏地が縫い付けられているということ。
薄い色のビブをはいたサイクリストが、汗で下が透けた状態で堂々としている姿を見るのは堪えられないことです。
このカラーを選択したときにそういった心配がありましたが、黒い下地が裏側に縫い付けられているため、たとえライド中にかいた汗が染み込んでもプライベートな部分が透けることはありません。
CDCはここでも流石パーフェクトな設計を見せつけてくれます。
上質なウェアを着て、日差しの中に繰り出そう
めいっぱいロードサイクリングで身体を使い切り、その後にゆったりとしたカフェを楽しむことまで含めて設計された、サイクリング×カフェスタイルにぴったりの気持ちのよいウェア。
日差しの強い日だからこそ敢えて外に出て、眩い世界に身を置きたい気持ちにさせてくれる上質なウェアは、今年の夏の主役になりそうです。
今回レビューしたウェア
FRANCINE – Red Stripe($169.00)
MARINETTE – Bleu Royal($225.00)
Highs
- ・プレミアム過ぎる最高の着心地
・選べるカラーコーディネート
・深く考え抜かれた設計
Lows
- ・ジャージのエアロ効果は弱め
Café du Cyclisteのウェアを購入する
Café du Cycliste公式サイト(メンズ/ウィメンズ)