愛媛暮らしと、新しい自転車スタイル。

LoveCyclistのメンバーであるRyujiが、パートナーのMidoriとともに東京から愛媛に移住して3ヶ月。新しい生活を送りながら、新しい道を走る日々が始まっています。

住む場所によって自転車のスタイルは大きく変わるもので、ふたりが今、どんな道を進んでいるのかについて常々想いを馳せています。そんな折、RyujiとMidoriから「素晴らしい場所です」という気持ちの込もった便りを受け取りました。今回は、便りの内容を春らしいÇoisのウェアと一緒にお届けします。

Text & Photo/Ryuji
Edit/Tats

*本記事で着用するウェアはÇois提供のものです。

1. 豊かな自然と文化、温かい人たちが暮らす西予

僕たちが生活する西予市宇和町は、愛媛県の中心部である松山市から、南西に車で2時間弱移動したところに位置しています。

標高は約200mと比較的高地なので、一年を通して冷涼な気候が特徴です。真夏シーズンでも気温は30°ほどで、“伊予の軽井沢”と呼ばれています。

また宇和町の卯之町(うのまち)地区には、江戸中期から昭和初期の町家が軒を並べています。
大正期建築の教会や、明治期建築の開明学校校舎などの洋風建築も点在する伝統的な建築様式が残る町並みで、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

西予市はMidoriが生まれ育った故郷でもあり、彼女の実家がある西予市明浜町は、宇和とは違って温暖な気候とリアス式海岸の美しい景観があります。

自転車で走る環境としては、国内でも指折り数えるほどと言っても過言ではないと思っています。

西予は東京と比べると何もかもが違います。建物や人口、時間の流れるスピードまで違うように感じます。
そして(西予に限ったことではないかも知れませんが)地方の小さな街独特の人と人との繋がりは、東京に居たころには味わうことのなかった体験です。

僕たちがここで生活を始めて3ヶ月ほどのうちに見つけた、お気に入りの場所を紹介します。

卯之町バールOTO

築100年以上の古民家をリノベーションしたお店は、伝統的な外観にオーナーのセンスが調和する心地いい空間。オーナーの藤川さんはとても気さくな人柄で、お店以外でばったり出会してもいつも手を振って笑顔で挨拶してくれます。

世界中のクラフトビールを40種類以上取り扱っていて、これ目当てに遠方から来る人もいるそう

料理はどれを注文しても美味しくて、今後も末長く利用させていただきたいお店です。

LOKKi COFFEE

こちらも卯之町にあるカフェLOKKi(ロキ)COFFEE。オーナーの奥田さん自身も自転車乗りということで、当然自転車乗りウェルカムなお店です。
※ラックはないのでロードで立ち寄るなら2〜3人くらいがベスト。

提供されるコーヒーは、農薬&化学肥料不使用の豆を手廻しで焙煎。全体的に酸味を抑えた、誰の口にも馴染みの良い味を意識しているとのこと。手作りの焼き菓子も添加物不使用で、誰にでも安心して食べてもらえるように作られているそうです。

IAAAM

松山にあるアパレルセレクトショップIAAAM(アム)さん。
Midoriは東京に居た頃から続けていたアクセサリー制作により一層力を入れ、IAAAMさんの一画をお借りして、ブランド化して以来初のポップアップを予定(5月後半)しています。

このお店のオーナーさんとはとても奇遇な繋がりがあり、話すと長くなりすぎるので割愛しますが、とにかく人との縁の大切さを感じる瞬間が多くなりました。

 

2. どの道を選んでも非日常的

恵まれた気候に加えて、ほとんど全ての環境が自転車のためにあると言っても良いほどの西予。

特に実家の立地は本当に素晴らしく、目先には海、裏手には美しい峠(野福峠)があるので、東京に住んでいたころなら走りやすいところまでエスケープが必要でしたが、ここではどの道を選んでも、走り出してすぐ非日常的なライドへと旅立つことができます。

一方、当然のことですが、車がなければ生活が難しい環境。でも裏を返せば、常に自由に使える車がある状況とも言えます。

いつもの道に飽きたら、ルーフにバイクを載せて好きなところまで遠征なんてこともしばしば。サイクリストの聖地とも言われる、しまなみ街道だって日帰りで楽しめてしまいます。

お気に入りのルート

時間があれば道を開拓し続けてきたので、その中でもお気に入りのルートを紹介します。このエリアに遠征することがあれば参考にしてもらえるとうれしいです。

野福峠

宇和町-八幡浜-宇和海岸線-野福峠

しまなみ街道 大三島一周&生口島SOIL SETODAルート

 

3. 道の先を明るく照らすÇoisのウェア

Tiger Jersey – Green(長袖/€130)

今回西予を紹介するにあたって、僕とMidoriはÇoisのウェアを纏ってサイクリングを楽しんできました。

僕たちは去年にもÇoisのウェアには袖を通していてデザイン、着心地ともにお気に入りのブランド。今回着ているジャージも、シルエットやサイズ感に関しては去年紹介したSignatureジャージとほぼ同型のものになります。

Tiger Jersey – Blue(半袖/€115)

大きく変わったのは虎が描かれた背面のデザイン。2022年の干支である虎をモチーフにしており、どことなくアジアンテイストなプリントはインパクト抜群!

虎は、中国では百獣の王として知られ、強さ、悪を祓う、勇気の象徴とされています。コロナ禍に加えて、東ヨーロッパ地域で続いている戦争により混沌とした世の中ではありますが、この先の道を力強く、そして明るく照らしてくれるようなTIGER JERSEYのデザイン。

こんな状況でも各々ができることは何なのか。この虎のように強く、勇気を持って、走り続けていきたいと不意に思わせてくれます。

Çois Tigerジャージ(公式サイト)

サイズ感などはこちらを参考に

 

4. 脱サラ、そして自由と責任を持って。

かなり個人的な話になりますが、Midoriと出会って間もないころに「私の実家には家業があって、できれば私もそれを手伝っていきたいと思っている」と聞いていました。

僕自身は何となく、一生会社員として勤めていくと思っていたので、当時は真剣にそれについて考えたりはしていませんでした。でも付き合い始めて程なく、挨拶のためにMidoriの実家を訪れた際に見た、ここ西予の風景と環境は僕に小さな衝撃を与えたと記憶しています。

野福峠から見えるリアス式海岸の美しさ。穏やかな水面にキラキラと反射する光や連なって浮かぶ船。そして快く迎え入れてくれた妻の両親や、近所の人たち。

今までこんな環境で生活したことは一度たりともなかったのに、どこか懐かしさとか温かみを感じる、何というか”日本らしい”生活環境がここにはあったのです。

ここで一生暮らしていけたら最高だなと思い、その頃からMidoriの実家の仕事についても真剣に考えるようになりました。

今はこうして周りの人たちにも支えてもらいながら、西予での暮らしを満喫しています。今後は実家の家業を柱として、自転車やそれ以外にも色々な挑戦をしていきたいと夫婦共に思っています。

便りをくれたふたり

Ryuji@ryuji.ride
Love Cyclistプランナー。スポーツバイク歴13年。ロードバイクを始めてから数年間は競技者として打ち込み、表彰台に上がった経験も持つ。自転車専門誌の編集者、サイクルウェアメーカーといった経歴から業界にも精通。
Midori@mi___ride
スポーツバイク歴3年。アパレルショップの店頭で洋服を販売した経験を持ち、世界中の服屋を巡るために世界一周したほどの服好き。2020年にアクセサリーブランド「Ekubo」を立ち上げ、アコヤ真珠を使ったオリジナルアクセサリーを制作している。

Text & Photo/Ryuji
Edit/Tats