本年もどうぞよろしくお願いします。
最近気になる業界の話題や機材についての新春ライトニングトークです。
Cycle Sportsのリニューアル後が素敵です
2019年1月号からCycleSportsがリニューアルされましたね。記事の切り口が面白くて、今まではKindle Unlimitedでさらっと読んでいたものを、リニューアル号から紙を購入するようになりました。
いわゆる「男性性」の雰囲気が強かった自転車雑誌群ですが、ファッションやライフスタイル誌寄りの中立性を(完全ではないにしても)取り入れ、またデジタルにはない踏み込んだ領域の読み物を提供しています。
たとえば1月号の洗練されたウェア特集や(編集部セレクトでMAAPが掲載されていたり)、円熟期を迎えたリムブレーキモデルについて語られたこと、また2月号でのディスクブレーキホイールの不完全性への言及などは、明確に提示されたCycleSportsの確固たるスタンスだと感じました。
業界が無理矢理向かおうとしている流れが俯瞰された状態で提示されることで、読み手に今一度考える素地を与えてくれます。
こうやって、既存ユーザーへの問題提起と、今までにない新しいクラスタにコンテンツが届く土壌が大手メディアでできたことが個人的にとても喜ばしいです。(記事ページと広告ページの誌面デザインのギャップがこの業界の現状を表している感じがしますが笑)
まだ手にとっていない方はぜひ読んでみてください。
Raphaは今年どうなるか
Raphaのブランド価値が変化しつつあります。
身売り話のとき、ウォルマート創業者の孫の会社が株式を取得したために「西友でRaphaが買えるようになる」という冗談がありましたが、2018年後半はWiggleのセールを中心にまさにそういう状況でした。
新しい親会社のRZCインベストメントは投資会社であることから、Raphaが利益をもたらすことに今まで以上にフォーカスされるようになっているはずです。
リペアサービスや日本語の電話・チャット対応の中止など、RaphaのCRMの根幹であるサービスが相次いで休止されていることからも、人員整理だけでなくサービス設計も見直しているところだと思われます。
2019年は、昨年にいったんリセットされたRaphaの商品とサービスを作り直すフェーズ。
「Raphaはなぜ愛され、なぜ嫌われるか」でRaphaの熱狂の内側と外側について書きましたが、少なくとも「外側」の視点からはブランド価値が「ハイブランド」から「コモディティブランド」へ変化しています。この位置づけをRaphaはどう考えているのか。(コモディティ化にネガティブな意見はあると思いますが、元々そのポジションにいた国内ブランドにとってはかなり驚異となっているはずです)
サイクルウェアのデザインで差別化できていた時代は、ここ2-3年のほかの海外ブランドの隆盛でクライマックスを迎えつつあるため、Raphaでのブランド体験をどれだけ高められるかがカギです。
そのひとつがEFエデュケーションへのスポンサーシップ。スカイのような伝統的なヨーロッパのレースで勝つことだけを目指した1点突破型チームのスポンサーを辞して、グラベルなど幅広いレースで活躍するチームへ投資先を鞍替えすることで、より僕らのようなアマチュアサイクリストにとって身近な存在になり得ることを狙っています。
日本にいる限りあまりこういったところの恩恵は受けづらいものですが、EFと一緒にどんな取り組みをしてくれるかはとても楽しみ。
このブランドは語ることが多く、書き出すと長くなるのでまた動きを見ながらまとめたいと思います。
SKYスポンサー撤退の衝撃
スポンサー探しは毎年どこかのチームが苦戦していますが、さすがにスカイの撤退は衝撃でした。
先述したRaphaが一昨年に撤退したのも、Mottram氏の発言から投資に見合わないことを判断したものと思われますが、残念ですがそれだけロードレースが広告効果の微妙なスポーツと化していることの裏返し。
ロードレースがドーピング問題やスカイ一強などを元にして徐々に人々の興味を削ぎ、純粋に少年たちが憧れる世界ではなくなっているとともに、チームの運営がスポンサー頼みになっている構造的な問題も含めて、すべてが悪循環にハマっています。
レースを見るのは面白いです。でもプロチームにとってはこの先ずっとスポンサー探しの旅が終わることはありません。
Specializedが公開しているサイクルウェア&機材の歴史動画がとっても素敵
昨年4月に公開された動画ですが、U23のエリートが集うアクシオンチームに所属するクリストファー・ブレヴィンズ主演で、1930年代から2010年代までのサイクルウェアと機材の変遷をコミカルに描いた1分の動画が素敵です。
最近は動画にもあるようなカーボンモリモリの2010sスタイル(強そう…)で走る僕自身ですが、その反動でクラシカルなスタイルが良いという感性がようやく理解できるように。1950s〜70sのレトロ感に惹かれるこのごろ。
上記ロードレースシーンの行き詰まり感も含め、レトロ回帰の大きな流れがそろそろ来るかもしれません。
Le Coq Sportif AVANTを普段着で着たい
LINE@の読者に教えてもらったのですが、ルコックから派生した“AVANT(アヴァン)”という都市生活の自転車スタイルを提供するブランドがスゴく良いです。
全体的にちょっと価格は高めですが、機能的でルコックらしいかわいいデザインが素敵。
特にフランスらしいトリコロールのスニーカーや、今年から色々なブランドでも出始めているヒーターを搭載したアウター「モバイルサーモ」が気になっています。
関東のみですが、原宿・丸の内・日本橋・みなとみらいに実店舗があります。
TIMEがサイクリングシューズを8年ぶりに発売
TIMEがシューズを再び出してきました。
OSMOS(オスモス)という名前で、ペダルと同じように10・12・15番と番号で3つのグレードに分けられています。まだ履き心地などの詳細はわかりませんが、日本人の足型にも合ったフィッティングになっているようです。
来春発売予定。代理店ポディウムのサイトでラインナップを確認できます。赤のBOAが面白いハイエンドの15番も良いですが、すっきりしたワンダイヤルの10番に興味津々。
RouleurマガジンのECサイトがおしゃれ
ロンドンからロードサイクリング情報を発信するRouleur Magazine(ルーラーマガジン)が運営するECサイトがめっちゃおしゃれ。
AlbaOpticsとコラボしたアイウェア、ポールスミスのサイクリングソックス、シンプルなサイクルウェアなど、センスの塊が集まったようなサイト。
それでも比較的こなれた価格なのが良い。日本への配送料も£6.50と良心的です。