あらゆるライドに最適化。
日本のサイクリストに幅広く浸透し、定番ブランドになったと言っても過言ではない英国のdhb。
これまで「Blok」「メリノ」「MODA」「Aeron Lab」といったさまざまなカテゴリのウェアを見てきた中、今回レビューするのは「Aeron(エアロン)」シリーズ。
“パフォーマンス重視”とうたわれるこのシリーズは、変わらずdhbらしさに溢れていました。
Review by Mei & Tats
text/Tats(@tats_lovecyclist)
photo/Ryuji(@ryuji_ride)
*本レビューのウェアはWiggle CRC提供のものです。
dhb Aeron
dhb Aeron半袖ジャージ(メンズ | ウィメンズ)- ¥8,334
dhbはここ2〜3年でブランド戦略を転換し、主軸をコスパモデルからプロ仕様モデルへ切り替えています。
それに伴い、「Aeron Lab」と呼ばれるプロチーム向けラインを頂点とし、デザイン重視の「Blok」、ベーシックな「Classic」、女性専用の「MODA」などの、サイクリストそれぞれのスタイルに合うカテゴリを展開。
その中でも「Aeron」は、Aeron Labに次ぐパフォーマンスを重視したラインナップとなっています。
Aeronジャージの特徴
- ・ロングライド向けのオールラウンド設計
・何シーズンも着用できる丈夫な生地
・幅広い体型にフィットするカッティング
dhb開発担当者によると、かつて日本ではリーズナブルなBlokやClassicが最も売れ筋だったものが、今はAeronが最も売上の多いカテゴリになったとのこと。ブランド価値の転換がサイクリストに受け入れられているのが現状です。
Aeron半袖ジャージのカラー展開
SS21のAeronはカラーバリエーションが豊富で、メンズ9色・ウィメンズ4色から選択可能。僕たちが選んだのは、最も夏らしさを感じられる「ミルキーブルー(メンズ)」と「ライトグリーン(ウィメンズ)」。
夏の空に溶け込む、SS2021らしいブルー系
Aeron Labとの違い
パフォーマンス重視にカテゴライズされるAeronですが、最上位の「Aeron Lab」や他ブランドのレースフィットと比べると余裕のあるカッティング。Aeron Labが全体的にかなり絞り込まれているのに対し、Aeronは特に胴回りに余裕があります。
幅広い体型のサイクリストにマッチするように、余裕を持たせた仕立て。このことからわかるのは、「Aeron Lab」はレース向き、「Aeron」はサイクリングやロングライド向きということ。
着用サイズ:UK8(身長167cm/胸囲85cm)
着用サイズ:XS(身長177cm/胸囲86cm)
ジャージの形状は非常にベーシック。襟に高さがあり、袖も一般的な長さ。
トレンドの形状(タイト・低い襟・長い袖・短い丈)を求めるのであれば「Aeron Lab」を選択すべきですが、「Aeron」で得られるのは、時代に左右されにくいベーシックな安定感。
Aeronのウェア設計
ジャージを手にとって最初に感じるのは、生地感やつくりがかなり頑丈だということ。力を込めて引っ張っても、伸びないしほつれもしない。長く使えるな、ということが伝わります。
袖口は幅の広いグリッパーによりぴったりと腕にフィットします。そして縫製もとても綺麗。
背中のセンターラインに沿ってメッシュ素材に切り替えられています。
背中は中心がよく汗をかく部分なので、そこに空気の流れを生むことを意図した設計。背面すべてメッシュのサマージャージもある中でこうなっているのは、真夏だけでなくオールシーズン使えるようにという意図が感じられます。
バックポケットには珍しくマチが付いているため、ほかのジャージと比べると容量にかなり余裕があります。
鍵や貴重品を入れる第4のポケットも付属(防水ではない)。
あらゆるライドのためのオールラウンダー。
さまざまなジャージとの比較対象として引き合いに出されることの多いdhb。まわりとの会話の中でもよく挙げられるのが、「普段のライドで着ることを考えるならdhbは充分過ぎる」という言葉。
dhbに対して“コスパが良い”という評価はすでにありふれており、そこに触れる必要はもうありませんが、Aeronが持つオールラウンドな性質は、ロードをはじめて間もないサイクリストが初めてジャージに袖を通すときに「サイクリングジャージはこういうもの」という感覚を正しく身に着けさせてくれるもの。
1枚で短距離から終日ロングまであらゆるライドを楽しみたいとき、丈夫で収納力が高く、バランスの良いAeronは、間違いなくハズレのないプロダクトとなっています。
Highs
- ・ベーシックなつくりで着やすい
・バックポケットが大容量
・カラー&サイズの選択肢が豊富
・求めやすい価格
Lows
- ・胴回りに余裕があるため、細身の体型だと生地が余る