ロードバイクアイウェア購入ガイド:最新&定番ブランド6選【2024年版】

アイウェア(サングラス)はサイクリストにとって欠かせない装備。目の保護目的だけでなく、スタイリング観点でも自分に似合うものを選ぶことはとても重要だ。
本記事では、最適なアイウェアの選び方と定番&最新モデルを、スタイリング例とともにまとめていく。

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4ステップ購入ガイド

Step1. レンズ形状を選ぶ

アイウェアのレンズ形状2種

シングルレンズ(一眼)タイプ:カバー範囲が大きく視野が広い。2010年代後半からレンズが大型化する傾向にあったが、ここ2-3年は少し控えめなサイズ感のモデルも出るようになった。

デュアルレンズ(二眼)タイプ:ライフスタイル系デザインのため、抜け感のあるスタイリングが可能。シングルレンズと比較すると視野が狭くなるため、フィット感の高いものを選ぶ必要がある。また度入りレンズが必要なときはデュアルレンズが選択されることがほとんど。

Step2. フレーム形状を選ぶ

アイウェアのフレーム形状3種

フレーム形状は「フルフレーム」「ハーフフレーム」「フレームレス」の3つのスタイルがあり、視界の広さ/重量/耐久性などで違いが生じる。
エアロポジションで走り続けるTTスペシャリストやトライアスリートは上部にフレームのない形状を好むが、ほとんどのサイクリストにとってはデザインやフィット感の方が重要。

Step3. レンズカラーを選ぶ

レンズは色によって最適なシーンが異なる。晴天時や昼間など外が明るいほど暗めのレンズ、曇天や夜間など外が暗くなるほど明るめのレンズを選択するのが基本。

レンズカラー
  • 晴天:グレー、ブラウン
    曇天/夕方:ピンク、オレンジ、イエロー
    夜間:クリア

天候によってレンズを使い分けることが理想だが、いちいちレンズ交換をするのは現実的ではないため、自分が走行することが多い時間帯に合わせたレンズを持っておくのが通常の運用。たとえば夜間走行をほとんどしないのであれば、ブラウン・ピンク・オレンジ系1本で事足りる(後にナイトライド用にクリアレンズや調光レンズを追加購入したりする)。

オプション:特殊レンズを選択する

アイウェアのレンズ種類 - 偏光と調光

レンズはカラーによる違いだけでなく、付加機能を持つものもある。通常のレンズよりも価格は高くなるが、天候の変化やロングライドでの対応力が変わる。

調光レンズ:紫外線量に応じてレンズ濃淡が変化するレンズ。日中と夜間をまたぐロングライドに最適。

偏光レンズ:光の乱反射を抑えることにより、映り込み・反射光・路面の反射などをカットするレンズ。日差しが強い日に最も効果を発揮し、目が疲れにくい。

Step4. フィッティングを確認する

アイウェアのフィット感を確かめる場所

テンプルの幅が合うか:首を振ったときにアイウェアがずれないかを確認。あまりタイトだと疲れるため、適度なホールド感のものを選択する。多くのアイウェアは、こめかみに当たる部分をラバー系素材にすることで固定力を高めている。

ノーズパッドが適度な高さか:ほとんどのアイウェアには、付け替え可能なノーズパッドが付属するか、アジアンフィット用のノーズパッドが別売されている。鼻が浮いてしまう場合は、最適な高さのノーズパッドに変更する。

レンズが頬に当たらないか:頬の形によっては、レンズが頬に当たって浮いてしまう場合がある。その場合は縦に長いレンズや湾曲が強いレンズは避けるようにする(ノーズパッドで調整可能なことも)。

 

最新&定番アイウェアブランド6選

今のアイウェアは、2015年に発売されたJawbreakerブームを発端として、大きなシングルレンズタイプが主流。ここ数年ファッションやデザイン業界のレトロ回帰が進んでおり、アイウェアもその流れに乗っている。
かつての目尻がせり上がった形状のフレームよりも、上方向にオフセットしたレトロモダンな外観が定番。
ここではそういったトレンドにフィットする6つのブランドと最新モデルを含むプロダクトを紹介。いずれも優れたデザインだけでなく、クリアで歪みのない視界を得られる。

 

①Oakley(オークリー)

フィット感・歪みのないレンズ・完成度の高いデザイン──この3つが揃ったブランドはオークリーが随一と言える。プロ選手とのパートナーシップを重視し、技術的なフィードバックを元に、大型レンズの新機軸を切り拓いた後もラインナップを増やし続け、さまざまな顔立ちに合わせられる豊富な選択肢が揃ってる。

定番モデル:Jawbreaker & Radar EV Path

Oakleyラインナップ1

Oakleyの中でも定番となる2モデル。Jawbreakerは保護性能と耐久性、Radar EV Pathは優れた視野と軽量性が特徴。

Jawbreaker:耐久性の高いフルフレーム形状を持ち、ビッグレンズの代名詞とも言える。高速走行時の風の侵入を最小限に抑えるピュアレーシングモデル。(¥20,000〜)

Radar EV Path:高い視野を確保するデザイン。軽量で耐久性があり、Jawbreakerよりもクセの少ない形状は多くのサイクリストから指示を得ている。(¥16,000〜)

Radar EV Path

都市的なスタイル:Sutro

Oakleyラインナップ2

ベルナルによって広く知られるようになったSutro(スートロ)。レーシングなアイウェアに都市的なデザインを導入したことで、Oakleyの中で最も抜け感のあるスタイルを提供している。

Sutro:都市的なスタイルとスポーツパフォーマンスを融合したフルフレーム型。耐久性が高く、日常からアクティブなシーンまで対応。(¥18,000〜)

Sutro Lite:Sutroのハーフフレーム版で、より広い視界と通気性を重視。軽量で快適性が高く、長時間のアクティビティに適している。(¥18,000〜)

Sutro Lite Sweep:Sutro Liteのデザインをさらに洗練。レンズが若干傾斜しており、風の流れを改善し、速いスピードでも快適。(¥18,000〜)

Sutro Liteフィット感

Sutro Lite

特別なデザイン:Kato & Encoder

Oakleyラインナップ3

見る者に衝撃を与えたKato(ケイトー)とEncoder(エンコーダー)のフレームレスデザイン。レンズ上部のエッジは風の巻き込みを抑えるための形状。

Kato:鼻を包み込むシングルバイザーレンズを採用し、着用するサイクリストに“ヒーロー感”をもたらす特別なデザイン。(¥30,000〜)

Encoder:Katoに似ているが、O-Matter素材のフレームはRadar系に近く、どちらかというとRadar EVの後継という位置付け。テンプルの高さ調整機構もなく、Katoシリーズと比較して価格が抑えられている。(¥20,000〜)

オリジナリティ溢れる新モデル:Sphaera, Hydra, BXTR

Oakleyラインナップ4

2022〜2024年にかけて投入された新作。Oakleyらしさと目新しさが融合したオリジナリティに唸るデザイン。

●Sphaera(スフィエラ):流線的で視界をすっぽりと覆うレンズと、穴の空いたテンプルが顔にフィット。カヴェンディッシュが着用中。(¥35,000〜)

Hydra(ハイドラ):90年代のサーフカルチャーにインスパイアされたレトロな雰囲気と明るい色彩が独特。(¥16,000〜)

BXTR(バクスター):ストリート系のカラーリングと独特のテンプル形状が特徴的。ライフスタイル系に位置するが、自転車スタイルにも映えるデザイン。(¥20,000〜)

BXTR

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②ALBA OPTICS(アルバ オプティクス)

アイウェアの新たな潮流を感じる上で、2016年創業のイタリアンブランド「Alba Optics」は外せない。ヴィンテージのデザインと最新の技術を組み合わせたアイウェアを提供している。

Delta & Stratos

AlbaOpticsラインナップ1

Delta(デルタ)ズレにくい独特のテンプルアーム形状。1本26gと軽くて掛け心地良く、フレームカラーもレンズも豊富なAlbaの代表モデル。(¥24,200)

※Deltaには2つの派生モデルがある
・Delta Lei(デルタ・レイ):Deltaのレンズを小型化し、小顔のサイクリストにフィットさせたモデル
・Delta Ultra(デルタ・ウルトラ):自転車含めてアクティブなアウトドアシーン全般で活躍できるミラーレンズを採用したモデル

Stratos(ストラトス):ビッグレンズモデルの中でも鮮烈な印象を与える異色のラウンド形状。広い視界によって機能的にも文句なしの逸品。(¥30,700)

Delta

Stratos

Mantra & SOLO

AlbaOpticsラインナップ2

Mantra(マントラ):アームの折りたたみ機構を排除した24gの最軽量モデル。ほとんどのサイクリストは、アイウェアを取り外すとヘルメットにかけるか首にぶら下げるため、折り畳めなくても不自由しないという思想から生まれている。効率やスピードを重視するライダーに最適。(¥36,300)

SOLO(ソロ):Stratosをベースに二眼化し、花粉やホコリの侵入を抑えるサイドフラップが付属。インパクトあるデザインとオフロードでも使用できる機能が特徴。(¥30,800)

ANVMA

ANVMA LEI(アヌマレイ):クラシカルなボストンタイプを最新のレンズでスタイリッシュに焼き直したモデル。ライフスタイル色の強いデザインだが、調光レンズなのでライドにも普段使いにも最適。(¥26,400)

ANVMA ’99(アヌマ’99):90年代に流行したキャットアイ型のフレームを、現代のアスリート向けに再設計したクラシックモデル。掘りの浅いアジア人の顔立ちにもフィットする形状。(¥26,400)

※Alba Opticsのモデルには「Optical Clip(¥12,100)」というオプションパーツが利用可能。度入りレンズをノーズパッドの上に取り付けられるようになり、眼鏡のサイクリストにとっても選択しやすいブランドになっている。

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③POC(ポック)

サイクリング、スキー、スノーボードなどのアクションスポーツ向けにアクセサリーを展開するスウェーデンブランドPOC。北欧らしいミニマルデザインは非常に洗練されており、プロダクトそのものに美しさを感じる。
いずれのモデルも、レンズにはカールツァイス製を使用。白フレームを選択してポップなスタイルを堪能するのも良いし、黒フレームでシックにするのも良い。

POCらしさを感じる:Aspire, Aim, Elicit

POCラインナップ1

Aspire(アスパイア):色褪せないジェンダーレスなデザインで最高に格好良いアイウェア。トレンドに合う大型レンズで広い視界を確保。(¥17,820)

Aim(エイム):シャープなシルエットが多いアイウェアの中で、湾曲したレンズのラウンドデザインが可愛らしい。(¥22,330)

Elicit(エリシット):フレームレスレンズに肉抜きテンプルでブランド最軽量の23gを実現。フレームレスでもPOCのアイデンティティを感じるデザイン。(¥23,870)

Elicit

個性際立つ:Devour & Propel

POCラインナップ2

Devour(デヴァウア):ゴーグルとサングラスの機能を組み合わせた驚愕のビッグレンズが鮮烈。カバー範囲が広いため保護力にも優れている。(¥36,300)

Propel(プロペル):エアロダイナミクスに特化したモデル。顔に密着して耳から空気を押し流すような形状で、肩にかかる空気を効果的に流す(らしい)。(¥36,300)

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TOKYO WHEELS

 

④KOO(クー)

ヘルメットブランド「KASK」が手掛けるアイウェアブランド「KOO」。最新の技術とイタリアの職人技を融合し、歪みのない綺麗なカールツァイスレンズとKASKヘルメットと完璧に調和するデザインが特徴。KASKユーザーならまず選択肢に入れたい。

Demos & Spectro

KOOラインナップ

Demos:丸みを帯びたクラシックスタイルのモデル。大きめのレンズを特徴とし、広範囲の視野を提供する。(¥18,700)

Spectro:エアロダイナミクスを考慮したデザインで、アグレッシブな印象を与えるシャープなモデル。(¥22,000)

Demos

Spectro

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⑤KU | EYEWEAR(クーアイウェア)

ヘルメットで知られる台湾のKPLUSが展開するアイウェアブランド「KU | EYEWEAR」(KOOと混同するのでKPLUSと呼ぶことが多い)。日本製ポリカーボネートレンズとスイス製TR90フレームで、クリアな視界と耐久性を兼ね備える。アジアンマーケットを対象としているため、これまで紹介した欧米系とは一味違うデザインをラインナップ。

ZERO & SOLAR

KU | EYEWEARラインナップ

ZERO:鼻あての位置からレンズ上辺までの高さが、一般的なレンズよりも高めに設けられているのが特徴。目と眉の距離が離れているアジア人の目周りを覆って、スタイリッシュに見せるためにデザインされている。(¥18,150)

SOLAR:力強いラウンド型フレームは、クリア素材の効果のため目元に清涼感や軽やかな印象を与える。調光レンズなのでどんなシチュエーションでも使える。(¥22,000)

Solar

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⑥Altalist(アルタリスト)

日本人が代表を務める新興アイウェアブランド『ALTALIST(アルタリスト)』。
トレンド性の高いデザインと極限まで削ぎ落とされたコストが特徴で、それが狙いとするのは、ジャージと同じようにアイウェアを複数持ち、ライドスタイルに合わせて好きな1本を選べるようにすること。調光レンズモデルが1万円以下で入手できるのは破格過ぎる。

代表モデル:KAKU SP1 & SP2

Altalistラインナップ

KAKU SP1:レーシーな雰囲気で、レンズ材質やフレームの中抜き加工でこだわった軽さは27g。レンズは偏光または調光の2つから選べる。(¥6,380〜¥8,580)

KAKU SP2:丸みがあって抜け感が出る大型レンズデザインは比較的どんな顔立ちにも合わせやすい。路面起伏をより鮮明にする「VIV20」と「調光機能」を兼ね揃えたレンズはコントラストが強まる。(¥9,350)

ALTALIST KAKU SP2 クリア

KAKU SP2

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著者情報

Tats Tats Shimizu@tats_lovecyclist
編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。