ライドを快適にするためには、各シーズンの気温に合わせて最適なウェアを着回すことが不可欠です。
ただ、ウェアを買い揃えていくときに困るのが、どのウェアを組み合わせて着るのかがわかりづらいということ。
「ジャージは半袖と長袖両方必要なのか?」「ジレやアームウォーマーなどの防寒アイテムはどのタイミングで使うのか?」など、サイクルウェアはほとんどの人にとって今まで着たことがないカテゴリなので、最初のころは適切な判断が難しいと思います。
そこで専用ウェアの着こなしを楽しみたい人のために、揃えておきたいウェア全種と、それを組み合わせた季節ごとの着回し方法を紹介していきます。
1. 自転車ファッションを着回すための20アイテムはこれ!
まずは着回しに必要な全20アイテムを紹介。
「いきなり多すぎ…!」と感じるかもしれませんが、すべてをまとめて揃える必要はなく、季節ごとに自分に必要なものを少しずつ買い足していけばOKです。
そうやって1年で四季のサイクルが一巡すると、自然と着回せるアイテムが揃っていくもの。
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トップス
1. 半袖ジャージ:トップスで最も出番の多い半袖ジャージは、自分が好きなデザインのものをチョイス。サイズ感は「少しきついかな?」と思うくらいのものが一般的には最適。
2. 長袖ジャージ:春秋冬の3シーズン使える長袖ジャージ。ベースレイヤーやジャケットとの組み合わせで対応気温の幅が広がる。
3. ジレ:ベストとも呼ばれ、体幹の冷えを防ぐコンパクトな防寒アイテム。持っていると意外と出番が多くなる。
4. ウィンドジャケット:ウィンドブレーカーとも呼ばれ、折りたたむとコンパクトになる薄手の防風ジャケット。バックポケットに入れていつでも取り出せるようにして。
5. ウィンタージャケット:冷気をシャットアウトできる厚手の防風ソフトシェルジャケット。真冬のライドには欠かせないアウター。高機能なものは防水性も備える。
ボトムス
6. ビブショーツ:半袖ジャージと同様、年中通して着る機会が多いボトムス。まずは黒無地に近いデザインを選んだほうが着回しカンタン。裏起毛の冬用ビブショーツもある。
7. ビブタイツ:寒さの厳しい季節では、まずは裏起毛のビブタイツ1枚で対処するのが便利。
ベースレイヤー
8. 半袖ベースレイヤー:汗を外に逃がすための吸湿速乾性の高いインナー。肌寒い季節には保温も兼ねる。暑がりさんはノースリーブタイプを。
9. 長袖ベースレイヤー:寒い季節に着用するため、保温性と速乾性が高く、できる限りタイトフィットのものを選択。ヒートテックのようなタウンユースの肌着は、汗が乾きにくくサイクリングには不向きなので注意。
ウォーマー
10. アームウォーマー:春・秋の防寒用として半袖ジャージと組み合わせて使用。
11. アームスクリーン:夏の腕焼けを防止するUVカットアイテム。アームカバーとも言う。日焼け止めで対処するのであれば不要。
12. レッグウォーマー:冬の防寒用としてビブショーツと組み合わせて使用。足首までカバーする。
13. ニーウォーマー:春・秋の防寒用としてビブショーツと組み合わせて使用。膝下までカバーする。
アクセサリ
14. キャップ:頭部の冷えを守ったり、汗を吸収するサイクリング用キャップ。
15. ビーニー:耳まで覆うニット素材の帽子。冷気で耳が痛くなるサイクリストには必須。気温によってはヘッドバンドでも代用可。
16. ネックチューブ:首元から風の侵入を防いだり顔を冷気から守るもの。マスク代わりにもなる。
17. ショートフィンガーグローブ:シフトレバーの操作性を損なわない春夏用の指切りグローブ。
18. ロングフィンガーグローブ:秋冬に活躍するグローブ。できれば薄手と厚手の2タイプ揃えると厳冬にも対応できる。
19. サイクリングソックス:サイクリング専用のソックスは、速乾性が高くフィット感も抜群。足元コーデの肝。
20. シューズカバー:シューズの上から被せてつま先など足の冷えを防ぐもの。冬では末端の防寒に不可欠。
2. サイクルウェア「春夏秋冬」着回しテク!
それでは全20アイテムを組み合わせた季節ごとの着回しを、気温の高いときのコーディネートから順に見ていきましょう。
※記載の気温は目安であり、個人の体感温度によって最適な組み合わせは変化します。
夏のコーディネート
25℃〜35℃
夏はとにかく快適に過ごせることが第一。そのため半袖ジャージとビブショーツを基本とした薄着となります。
その分肌の露出が増えるので紫外線対策も忘れずに。日焼けは体力を著しく消耗し、肌も荒れるため、アームスクリーンや日焼け止めでしっかりと防御。
また汗冷えを防ぐために、ベースレイヤーを着ておいたほうが結果的に快適になることもあります*。
*夏用ベースレイヤーの詳細はこちら↓
春・秋のコーディネート
15℃〜25℃
少し肌寒い晩春・初秋は、夏のコーデをベースとして必要なものを上から重ねていきます。
特に体幹を冷やさない軽量ジレはとても便利*。上半身すべてを防風したい気候のときは、ジレの代わりにウィンドジャケットを着用します。いずれも折りたたんでバックポケットに入れることで、手軽に調整可能に。
足の冷えが気になる方は、ニーウォーマーを着用。
*ジレの詳しい着こなし方はこちら↓
5℃〜15℃
10℃台の冷え込む気候になると便利なのが、長袖ジャージ。長袖ジャージは長袖インナーと組み合わせることで、半袖ジャージ+アームウォーマーよりも低い気温に対応可能。
レッグウォーマー(またはニーウォーマー)で脚も暖かく包み込むことを忘れずに。
またここでも、調整用のジレやウィンドジャケットは大活躍します。
冬のコーディネート
0℃〜5℃
冬の着こなしは、肌の露出を避けることと、風を完全にシャットアウトすることが最大のポイント。あまり着こむと汗冷えする可能性もあるため、防寒性の高いジャケットを選んで、重ね着は最小限に抑えるように。
ジャケットの厚みによっては長袖ジャージを中に着る必要はなく、代わりにインナー1枚だけ、あるいは2枚重ね*(半袖インナー→長袖インナー)という組み合わせもOK。
また下半身は、起毛素材のビブタイツでしっかりと防寒(好みによっては冬用ビブショーツ+レッグウォーマーを選択)。
*冬の着こなし関連記事はこちら↓
3. ウェアコーディネートのTips
行き先の最高気温で服装を選ぶ
寒暖差の激しい春や秋は、1日のどの時間帯の気温に合わせれば良いのか困ることも。
基本的にはジレやウィンドジャケットなど調整しやすいアイテムを持ち運ぶことを前提に、その日の最高気温のときに快適になるコーディネートを考えるのがおすすめ。
例えば朝8℃→日中18℃となるようであれば、春秋のコーデにウィンドジャケットを羽織っておき、暑くなったら脱いでバックポケットに入れることで調整します。
ライドの強度を考慮に入れる
気温だけでなく、ライドの強度やスタイルによってもコーディネートは変化します。
平坦を一定の強度で走る場合と、長い峠を上る場合とでは必要なウェアは異なり、強度が変わるほど細かい調整が必要になります。自身の走り方に応じて最適なコーデを選択します。
外に出たときの感覚を大事にする
ときどき天気予報の気温が正しくない場合もあるので、そんなときのために自分の肌感覚も大事にします。特に夏以外は、外に出たときに「ちょっと寒い」と感じるくらいがちょうどいい組み合わせ。そのまま走り出して体が暖まれば、快適な状態になります。
逆に「暖かいな」と感じた場合は少し着込み過ぎなのかもしれません。走ると暑くなる可能性があるので、後悔する前に家に戻って調整してしまいます。
* * *
サイクリング用品はひとつひとつの単価が高めなので、必要なアイテムの数の多さに少し辟易したかもしれません。
それでも少しずつお気に入りのウェアを揃えていくのも、自転車趣味の醍醐味のひとつ。色合わせも楽しみながら快適に走ってくださいね。
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著者情報
Tats Shimizu(@tats_lovecyclist) 編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。 |