LOVE CYCLIST

Cycling & Fashion Journal for Road Cyclists

【2018年版】ベスト・ロードバイク12選 – ハイエンドモデル購入ガイド

ロードバイク1台目購入後、ホイール・コンポーネント・ハンドル・サドルなど一通りのパーツ交換が終わったとき、その車体は見違えるように格好良くなっていることと思います。ペットを飼い始めた子どもが一緒に成長して立派になっていくように、バイクも自分自身も大きく変化しています。

しかしその頃になると、まるで吹奏楽部3年目のトランペット吹きが、上達した自分には今使っている楽器は物足りないと感じてより高価な楽器を母親にせびるように、サイクリストも次のステージを考えるときがやってきます。それがハイエンドモデルへのフレーム交換

各メーカーが技術力を駆使したトップモデルはどれも素晴らしく惹かれ、非常に迷うかもしれませんが、現在のトレンドから今後選択すべきモデルはある程度集約できます。
そこでトレンドを把握した上で、フレームデザイン・性能という観点を加えて、12モデルに絞ってピックアップしていきます。

また最初の1台目のエントリーモデルを検討しているサイクリスト候補の方も、そのメーカーがどのような思想でフレーム設計しているかを知るためにはハイエンドモデルを把握することが一番の近道なので、本稿を参考にしていただけると思います。

 

2018年のロードバイクトレンド

エアロロード化

ロードバイクはオールラウンド・エアロロード・エンデュランスの3タイプに大別されますが、現在進行中のトレンドとして「エアロロードの隆盛」と「オールラウンドモデルのエアロダイナミクス強化」という点が挙げられます。

ツールなどプロ使用機材を見ると、山岳ステージにも関わらずエアロフレームを使用するケースが多くなり、しかもそのフレームで勝利するという状況になっています。
従来は重くて快適性を後回しにされていたエアロロードが、カーボン成形技術の向上によって、軽量で乗りやすいバイクへと変化しました。つまりエアロにも関わらずオールラウンド型に近づいており、加えて空力が優れていることから、今よりもエアロロードがレースにおけるスタンダードになっていく可能性は高いと思います。

この流れに沿って、登りを重視したオールラウンドタイプも、エアロダイナミクスの観点を強化し、空力を考慮した設計を採用するようになっています。

この2つのタイプは用途が異なるものの、お互いの優れたポイントを取り入れながらより万能な走りができるモデルが増えています。

ディスクブレーキ化

すでに一部メーカーのハイエンドモデルはディスクブレーキ対応しか取り扱わなくなったように、間違いなく数年後にはディスクブレーキがスタンダードになります。
ディスクブレーキをキャリパーブレーキと同じ感覚で利用すると、ブレーキが効きすぎて扱いづらいと最初は感じるかもしれませんが、慣れの問題ですぐにその制動力の高さが安心感に変わるはず。
もしこれから新たにロードバイクを揃えるのであれば、ディスクを選択した方がトレンド寿命が長くなるのは間違いありません。

グラベルロード・コンフォートモデルの強化

エアロロード+ディスクブレーキ化がレースシーンにおけるトレンドだとすれば、街乗りや遊びで使うときは、悪路でも楽しめるグラベルロードやロングライド向きのコンフォートモデルのラインナップが別軸で強化されています。

特にグラベルロードは、荒れた道を選んで進むため「走っている」というより「遊んでいる」ような感覚が強く、舗装路ばかりストイックに走っていたサイクリストに新しい楽しみ方を提示してくれます(僕の周りにも舗装路用ロードとグラベルロードの2台体制で休日を遊び倒すサイクリストが増えています)。

トレンドは新しいバイクを買ってもらうために業界が仕掛けている面もありますが、より速く走れる・快適に走れると聞くと食指が動いてしまうのは僕らサイクリストの性。上記の点を踏まえつつ、エアロロードを中心に12のバイクをピックアップしました。

 

ベスト・ハイエンドロードバイク12選

Specialized S-Works – Venge ViAS

s-works venge

https://www.specialized.com/jp/en/s-works-venge-vias-frameset/

ツール・ド・フランス2017でキッテルが途中リタイアしたにも関わらずステージ通算5勝を挙げた実質的に最強のバイクVenge(ヴェンジ)。
配線の露出をなくしたクールなコクピットと思い通りに操れる制動性、そして周囲に威圧感を与える統制されたフレームデザイン。1,000時間の風洞実験の結果から生みだされたその比類なき性能は、手に入れたくない理由がない唯一のバイクです。

フレームセット:¥486,000〜

Giant – PROPEL ADVANCED SL

giant propel advanced slr

https://www.giant.co.jp/giant18/

ツール2017でプロトタイプが実戦投入され、マシューズがマイヨ・ヴェールを獲得した「世界最速」エアロロード(ただしVengeも世界最速と言われている)。
PROPEL(プロペル)はただレースで勝利するためだけに開発リソースを費やされ、完成車トータルで考えられたエアロダイナミクス・コントロール性・効率性を実現しています。
フレームとパーツの一体感、配線が一切表に出ない美しさは、最速の名に相応しい別次元に到達しているとさえ感じます。

完成車価格:¥1,250,000〜

FACTOR – O2

factor o2

https://factorbikes.com/product/factor-o2/

2017年にAG2Rに採用され、その無駄を削ぎ落としたフレームデザインとツール個人総合3位・第12ステージ勝利という成績から一気に注目を集めたFACTORのO2。
740gの軽量フレームで登りが得意だけでなく、ステム一体型ハンドルなどエアロダイナミクスが考慮され、スピーディーな走りを万能にこなすことができるオールラウンダーです。

フレームセット:¥540,000〜

CHAPTER2 – TERE

chapter2

https://jp-jp.chapter2bikes.com/range.html/

元ニールプライドの創業者が立ち上げたことで2017年に大きな話題となったCHAPTER2。
現時点で唯一のラインナップであるTERE(テレ)は、トラディショナルなフレーム形状を踏襲しながらも、カムテール構造を取り入れることでエアロロードに近い性能を引き出しています。
写真のリミテッド・エディションカラーを見ればわかるようにフレームデザインも優れており、今後のトレンドを開拓していく新たなブランドとなっていきそうです。入手しやすい価格帯も大きな魅力。

フレームセット:¥234,184〜

Wilier – Cento10AIR

wilier cento10air

http://www.wilier.jp/road/cento10air.php

年々存在感の薄くなるイタリアンバイクですが、Wilierの新技術を取り入れるスピード感・開拓精神は随一のもの。
Cento10AIR(チェントディエチエアー)は、アラバルダと呼ばれる新開発のステム一体型エアロハンドルや、カムテール形状を採用したフレーム各部によって、空気の抜けを最大化し、快適性の高い乗り心地と高速巡航性能を両立している非常にバランスの良いモデルです。
「美しく、そして速い」という雰囲気が堪らない。

また同じCento10系譜のエンデュランスモデル“Cento10NDR”は快適性が格別に優れていて、ユーロバイクショー2017で優秀賞も受賞。こちらはロングライド型のサイクリストに最適です。

フレームセット:¥440,000〜

CANYON – Aeroad CF SLX 9.0

canyon aeroad

https://www.canyon.com/ja/road/aeroad/

第2世代となるAeroad(エアロード)は、前述のCento10AIRが空気の抜けを最大化することをフレーム設計の最たる思想としているのに対し、前方投影面積を減らすことに焦点を当てて開発されています。
トライデント2.0”と名付けられたカムテール形状をベースにしてロード用に最適化したチューブ断面や、専用の一体型ハンドル“Aerocockpit CF”など新技術を次々と投入し、直進推進性もコントロール性も高いバイクに仕上がっています。
キャニオン自体、コスト力・デザイン性・ブランド力のいずれも以前より強化されており、自分でメンテナンスできるか、あるいは通っているショップに任せられるのであれば2台目の選択肢として最有力候補となるはず。

完成車価格:¥559,000〜

CANYON – Ultimate WMN CF SLX(Womens)

canyon ultimate wmn cf slx

https://www.canyon.com/ja/road/ultimate/

「ガールフレンド(あるいは妻)とライドするときは自分より良い機材を使ってもらう」というのは紳士であるロードバイク乗りにとっては鉄則です。自分だけ良いフレームに乗るなんてナンセンス。自戒いたします。

それはともかく、女性専用ジオメトリのハイエンドバイクを探したいとき、Canyonは素晴らしい選択になると思います。Ultimate(アルティメット)もスモールサイズの選択肢が多く、軽量で、すいすい進む。ディスクブレーキでスピードコントロールもやり易い。
そして「いかにもウィメンズバイク」という見た目ではなく、少しだけ女性らしいエッセンスのある青味がかったフレームデザインが素敵です。

完成車価格:¥489,000〜

Bianchi – Oltre X4

bianchi oltre

http://www.japan.bianchi.com/18-OLTRE-XR4

都市部ではファッション感覚で乗られることが多いBianchiですが、その真価はハイエンドモデルにこそあると思います。
Bianchiの中でスペシャリッシマと2枚看板を貼るエアロロードのOltre(オルトレ)は、ツール2017においてログリッチェがステージ17で圧倒的勝利を収めたバイク。エアロロードながら超級山岳ガリビエ峠を制したことで、登りも走れることを証明しただけでなく、振動除去素材のカウンターヴェイルを用いて、長時間のライドにも耐えられる性能を備えています。

フレームセット:¥410,000〜 

RITTE – ACE

ritte

https://ritte.cc/products/ritte-ace-frameset

アメリカのブランドRITTE(リッタ)のACEは、ロードフレームで実際に使用可能できる中で最高レベルのカーボンを使い、モノコック形成により堅牢なフレームに仕上がっています。
特筆すべきはフレーム完成度の高さだけでなく、そのフレームデザインセンスの良さ。「おしゃれで速い」という非の打ち所のないサイクリストになるためのバイクとして、ひとつの到達点であるように感じます。できればENVEのホイールを履いて走りたい。
国内ではCyclismが取り扱い。

フレームセット:¥320,000〜 

De Rosa – PROTOS

de rosa protos

http://www.derosa.jp/carbon/protos.php

NIPPO Vini Fantiniに提供され、あらゆるレースシーンで活躍するProtos(プロトス)。
セミエアロフレームの各所に取り入れたカムテール形状、BB周りの高い剛性感、切れの良いハンドリングなど、ファッション性の高さから軟派なイメージが先行するデローザの中でも疑うことなきレース型モデルであり、このギャップがおそろしいほど格好良い。
ただ価格を見ると完全にラグジュアリーバイクの域

フレームセット:¥680,000〜 

TREK – Emonda SLR 9

trek emonda

https://www.trekbikes.com/jp/ja_JP/emonda-slr-9

最強のヒルクライムバイクは何かと考えたときに、そのひとつにEmonda(エモンダ)の名が挙がるのは間違いありません。
トレックセガフレードの選手がラルプ・デュエズを登るために用いられたバイクは、レースで勝つためのヒルクライムレースバイク。640g(!)の超軽量フレームと高い剛性により、今までよりも峠をスムーズに攻略することができるはず。

完成車価格:¥1,167,000〜 

Scott – Foil Disc

scott foil

http://www.scott-japan.com/products/node/3545

数年前のFoil(フォイル)はと言えば、ガチガチの高剛性で快適性という概念は存在しないかのような超ストイックなレーサーでしたが、2018年に来てディスクブレーキのコントロール性と28cタイヤの安定性を装備することで、バランスの良い仕上がりへと変化。
乗り心地の悪いバイクという称号は捨て、ストイックな外観とともにどんなスタイルのライドにも出かけることができるようになりました。

フレームセット:¥550,000

* * *

僕も今年エアロロードに乗り換えましたが、エアロならではの直進性の高さでぐいぐい進む感覚が気持ち良いのはもちろんのこと、普通にすいすい登れるし、長距離でも疲れにくいため本当にバランスが良いと感じます(ある程度慣れは必要でしたが)。オールラウンドバイクのように自由に遠くまで乗れるため、素晴らしい体験ができています。

どんなバイクを選ぶときも最終的には性能とデザインと価格面での折り合いだとは思いますが、2台目を選ぶ頃には目が肥えているだけに、じっくり悩んで、本気で付き合えるパ−トナーと運命的・宿命的に出会えることを願っています。