スマートフォンのようにサクサクなGPSサイコン。Xplova “X5 Evo” 長期レビュー

サクサクから戻れない。

高機能GPSサイクルコンピュータは「ガーミン一強時代」が長く続いていました。
ロードサイクリストにとっては、ロードバイクの購入と同時にCATEYEのエントリーモデルを買って、後にGarmin Edgeに買い換えるという流れが、ひとつの様式のようになっていたもの。

ガーミンは今でも市場の大多数のシェアを占めるプレイヤーであることは変わりありませんが、ここ数年でコスパや使い勝手の良いワフーやレザイン製品の登場により、ガーミン以外の利用者が目立つようになってきました。

そんな中で、新たなガーミン牙城崩しの新勢力として登場したのがXplova(エクスプローヴァ)の“X5 Evo”。
2017年10月に発売され、そのサクサク具合が気になってすぐに導入。それから1年以上使用してきました。

2018年3月に一度レビューしましたが、長期的な観点を含め、改めて最終的なジャッジとしてレビュー改訂版を書きました

1.「スマートフォン型」に一目惚れ

X5 Evo sizing

Xplova – X5 Evo(¥49,800)

僕は以前までEdge520jを使う熱心なガーミンユーザーでした。Edgeの計測精度や安定感への満足度は高く、さすがガーミンだと感じていましたが、インターフェイスだけは前時代的で、10年以上前のフィーチャーフォンを使っているかのような感覚がありました。上位モデルのEdge820j/1030に対しても、ことタッチパネルの精度については、スマホに飼い慣らされた指先にとって満足できる挙動ではなかったことは事実。

スマートフォンの時代にこのUIがいまだにスタンダードであることに疑問を抱いていたところで、精度の高いタッチパネルを搭載した機種“X5 Evo”(以下X5)が登場します。

X5 Evo フリック動作

挙動を見るだけで、欲しくなる理由はわかると思います。
Android OSをX5用に最適化したUIなので、スマートフォンと同じ感覚でスワイプ/タップ動作がスピーディに行えます。

X5 Evo 地図操作

地図もサクサク。このあたりの使い勝手はEdgeシリーズと比較すると雲泥の差。
端末の設定まわりもサクッと終わります。メニューの分類がわかりやすく整理されているため、Edgeで不満だった「この設定ってどこでやるんだっけ?」ということがほとんどありません。
あまり速く動かすともたつきを感じることはあるものの、通常の使用では問題のないレベル。このサクサク感は既存機種と比べて遥かなアドバンテージがあります。

Xplovaというメーカー自体、ノートPCで有名な台湾のAcerが2015年に100%資本を獲得しているので、ハードとソフトを最適化する設計はもともと専門領域。これから先のGPSサイコン市場は、スマートデバイスメーカーが先導を切っていくことを感じさせます。

 

2. 扱いやすいデザイン&ディスプレイ

X5 Evo - Edge520jとの比較

Garmin Edgeはサイコンらしさを体現する完成された外観ですが、X5は光沢のあるボディでスマートデバイスらしい“スマートさ”があります。

X5 Evo フレーム取り付け

バイクに取り付けたときの統一感もあります。

X5 Evo マウント

取付部はGarminと同じマウント。センサーもそのまま使用できるので、Garminユーザーは本体購入後すぐに移行できます。

X5 Evo 太陽光下の液晶

Edgeよりも明るく、太陽光の元でも視認性が高くてとても見やすい液晶
画面を上から下にスワイプするとコントロールセンターが開くので、そこで液晶の明るさを簡単に調整できます。もちろん、明るさ自動調整機能付き。

 

3. 結構長持ち、バッテリー容量

バッテリーに関しては、動画を撮影しなければEdge520jよりも長持ち
1500mAh(公称12時間)のバッテリーは日中ライドであれば充分な容量があります。地図の使用や液晶の明るさなど特に省エネを気にしない使い方で、感覚的には8〜9時間
液晶の明るさを調整したり、地図を使わないようにサイコンとして最低限の機能だけで使おうとすれば、公称に近い持続時間が出ます。

ただし、動画を撮影すると目に見えるほど軽やかにバッテリーが減っていきます
フル充電から録画状態を続けても90分で電池が0%になってしまうため、ドライブレコーダーとして使用するには通勤程度の時間が限界

 

4. 動画はあくまで補助機能

X5 Evo カメラ

前方のカメラで撮影できる動画は30フレーム/秒で720pのHD画質。GoProなどのアクションカメラに比べれば品質は見るからに劣りますが、小さな筐体であることを考えれば仕方ないところ。
内蔵の8GBストレージで約1時間分の動画保存が可能です。

撮影モードは4つあります。

①自動 特定の条件を満たすと自動的に記録し始めるモード
②手動 録画ボタンを押して手動で記録するモード
③常時 走行中は常に動画を記録し続けるドライブレコーダーモード
④タイムラプス 一定間隔で静止画を撮影するモード

基本的にはバッテリーの持ちを考慮して②手動モードにしておいて、必要なときだけ撮影する使い方になります。
手動でも録画ボタン1クリックで撮影できるため、必要なとき瞬時に録画が可能。記録できる媒体が手元にあるのは安心感があります(ただし事故を判断して自動で動画を保存するような機能はない)。

こういったことから、YouTubeアップロード目的などで綺麗な動画を長時間連続撮影するといった用途には向いていません。
つまり、通勤用のドライブレコーダー以外では、“動画はあくまで付随機能”というスタンスで望むのが正しいX5 Evoの捉え方。

撮影した動画は、専用アプリ“Xplova Video”(AppStore | GooglePlay)にWiFi経由で転送して編集できます。
アプリでできることは、動画のトリミング、複数の動画の結合、スピードメーター・心拍計等の表示など。あくまで簡易的な編集ツールですが、さくっと当日の動画をまとめられるので、仲間に共有したいサイクリストにとってはスピーディなツールとなります。

X5 Evo ムービー

※上下のぶれは使用しているマウントが柔らかいことが原因で、X5の問題ではありません(手ぶれ補正はなし)

 

5. 連携アプリでStravaにコネクト

Xplova Connect スクリーンショット

X5にもGarmin Connectのような管理アプリ“Xplova Connect”(AppStore | GooglePlay)が存在。

X5からの走行データをアップロードして記録を振り返ったり、トレーニングメニューをダウンロードしてプランニングしたりする機能が備わっています。

もちろんルート作成機能もあり、アプリでルートを作成してX5にそのまま転送することが可能。慣れるとすごく簡単で、これまでPCを開いてルートラボでせっせと作っていた作業時間がかなり短縮されます。

ちなみにルートラボなどからDLしたGPXデータを取り込みたいときは、PCのXplovaルートエディタ画面にアップロードしてアプリと同期すればOK(面倒なのでほとんどやりませんが…)。

基本的にこのアプリは走行データをStravaに送信するためのハブとして利用することがメインで、ルートの作成やインポートは稀に利用する、というような役割となっています。

 

6. 1年使用した最終ジャッジ

これらX5の機能・特徴について、1年使用した上での最終的な評価をまとめます。

圧倒的に優れている点

操作性:前述の通りAndroidベースのため、スマホライクな操作感がとても良い。ちょっとだけ挙動に引っかかりはありますが、スマホのように激しいスワイプ動作をすることはないのでまったく問題のないレベル。

液晶の見やすさ:大きいカラー液晶は本当に見やすい。走行中、一瞬視野を下に落とすだけですぐに数値を把握できます。

初期より改善された点

計測精度:購入当初は獲得標高がGarminの倍くらいになっていたものが、ソフトウェアアップデートにより今では安定。
パワーもスピードも獲得標高も斜度も、一緒に走るGarminデバイスを使う仲間と近しい数値が出ています。

まだ抱いている不満

スマートフォンとのデータ連携がWiFiのみ:WiFi環境のない外出先でのデータアップロードが不可。Bluetoothで瞬時にデータ移行できるGarminと比較するとその点は残念。自宅に帰ってからまったりアップロードして振り返ります。

あまり使わなくなった機能

動画撮影

録画し始めると90分程度でバッテリーが落ちてしまうため、ドライブレコーダーとしての利用はゼロ。通勤用途であればレコーダーは使えると思いますが、充電が面倒になりそうです。

個人的な利用シーンは、山などを走っていて良い景色に巡り合ったとき。一時的に風景を収めるくらいの使用であれば、バッテリー消費も少なく問題なく使えています。

マップ

マップはサクサク動いてすごく使いやすいことは間違いありません。アプリでルートを作ってX5に転送する方法もストレスなく、ナビを頻繁に必要とするサイクリストはとても役に立つと思います。

ただ僕自身は新しい場所を走るときに、わざわざルートを作ることがとても面倒だと感じる性格。それよりも、目的地周辺までの大まかなルートを事前に覚えておいて、目的地が近くなったらBikeTieに取り付けたスマホでGoogleMapを開き、正確な位置を把握してたどり着く、という走り方が性に合っています。

使用1年内で発生したトラブル

突然電源が入らなくなる

購入から11ヶ月経過後、ライド中に突然液晶表示が消えました。バッテリー切れかと思いましたが、帰宅後充電もできず、完全にホワイトアウトな状態。
メーカー保証期間内のため新品交換してもらうことに。

これはXplovaだけでなく、ガーミンやワフーでも似たような不具合を人から聞きます。結局のところ、完璧なGPSサイコンなどといったものは存在しないもよう。完璧な絶望が存在しないように。

なかなかデータがスマホにアップロードできない

WiFi接続で帰宅後にデータをアップしようとしても失敗を繰り返すことが頻繁に発生していました。
1回端末のWiFiをOFFにして、再度WiFiにつなげると確実にアップできるということがわかり、都度ひと手間かけて繋げています。

X5 Evoは“買い”か?

X5はすでに“人柱”と言われるようなプロダクトではなく、同価格帯では頭ひとつ飛び抜けているGPSサイコンだと判断できます。最終ジャッジとしてX5が買いかどうかと問われれば、間違いなく「買い」。

国内代理店も積極的にユーザーやショップからのフィードバックを受けてXplova本社に改善要望を伝えているので、これからもっと良いプロダクトになっていくことも期待できます

従来のGarminの安定感をとるか、Xplovaのような意欲的なメーカーの先進性をとるか──少なくとも僕は、Xplovaのプロダクトの世界に魅了され、X5とともにと道を開拓するようになりました。

Highs

– 圧倒的な操作性
– すごく見やすい液晶
– 安定した計測精度

Lows

– スマホとの接続がWiFiのみ

Appendix: X5 vs Edge520j 機能比較

  X5 Evo Edge520j
デザイン ★★★★☆ ★★★☆☆
操作性 ★★★★★ ★★★☆☆
ディスプレイ ★★★★★ ★★★★☆
計測精度 ★★★★★ ★★★★★
動画品質 ★★★☆☆
バッテリー ★★★☆☆  ★★★☆☆

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