『xplova X5 Evo』長期レビュー:サクサク操作のカメラ内蔵GPSサイコン。

Garmin一強時代が長く続いていたGPSサイコン。今でもGarminは大多数のシェアを占めるプレイヤーであることは変わりありませんが、ここ数年でWahooやLezyneなどの参入により、さまざまなメーカーの利用者が目立つようになってきました。
そんな中、新たなGarmin牙城崩しの新勢力として登場したのが、台湾メーカーXplova(エクスプローバ)。そのトップモデル「X5 Evo」は
、操作性と内蔵カメラが話題となり、個人的にも一目惚れして購入し、約3年使用してきました。
かつて1年使用後にレビュー記事を出しましたが、改めて最終的なジャッジとしてレビュー改訂版を書きます。

Text & Photo/Tats@tats.cyclist)[PR]

1.「スマートフォン型」に一目惚れ

Xplova – X5 Evo(¥54,780)

Xplovaは2008年に設立され、2015年にAcer傘下に入った台湾メーカー。今ではスマートトレーナー「NOZA S」で有名になりましたが、もともとハードとソフトを最適化する設計は専門領域であり、GPSサイコン「X5 Evo(以下X5)」でその実力を知ることができます。

X5 Evoスペック

ディスプレイ 3インチ 240x400pixel
サイズ/重量 110x62x23mm / 120g
操作 ボタン+タッチスクリーン
ビデオカメラ HD高画質720p@30fps
マップ グローバルOSMマップ
バッテリー 1500mAh/約12時間
防水レベル IPX7
端子 Micro-USB
定価(税込) ¥54,780

操作性

僕がX5を購入した決め手は、その「使い勝手」。
ビデオカメラ付きであることもガジェット好きにとって刺さるポイントですが、X5においてカメラはあくまで補助機能となっています(後述します)。

X5 Evoの操作感

サクサク動く

挙動を見るだけで、欲しくなる理由がわかるはず。
Android OSをX5用に最適化したUIなので、スマートフォンと同じ感覚でスワイプ/タップ動作がスピーディに行えます。スマホに飼いならされた指にとっては、最低限これくらい動いてくれないと逆につらい。

X5 Evoの操作感(地図)

地図閲覧もかなりスムーズ

端末の設定まわりもサクッと終わります。メニューの分類がわかりやすく整理されているため、Edgeシリーズでありがちだった「この設定ってどこでやるんだっけ?」ということがほとんどありません。
あまり速く動かすともたつきを感じることはあるものの、このサクサク感はほかの機種と比べてアドバンテージがあります。

 

2. サイズ感&ディスプレイ

サイズ感

小型のスマートフォンのようなサイズ感(110x62x23mm)で、ディスプレイはデータや地図を見るのに最適な3インチ*。
*競合となるGarmiin Edge830は2.6インチ

グローブをしているときにも操作できるように、前面と側面に物理ボタンがあります。前面ボタンはライド記録とビデオ撮影の開始&停止ができるため、頻繁に使用。側面ボタンは地図や画面表示の拡大・縮小ができますが、あまり使うことはありません。

バイクにも馴染みやすい形状&カラーリング

ディスプレイの視認性

普段表示させている項目。数字が大きく非常に見やすい

真昼の太陽光でも充分に視認性が高い液晶。周囲光センサーによる明るさ自動調整もうまく働きます。
手動での明るさ調整はコントロールセンターで行います(画面を下にスワイプすると開く)。

スピードメーター型の“イケてる”ダッシュボードも搭載

ダッシュボードのUIも魅力的ですが、表示項目のカスタマイズはできないので、項目がフィットする場合だけ使えます。

ブラケットの規格

Xplova X5 Evoマウント

マウントは専用規格が多い中、X5はGarminマウントと互換性があります。最近流行の専用一体型ハンドルは、付属するマウントがGarmin規格のものがほとんどなので、これはありがたい。
センサーもそのまま使用できるので、Garminユーザーは本体以外買い直す必要はありません。

 

3. 補助機能としての動画

撮影モードとカメラの役割

Xplova X5 Evoカメラ

X5のもうひとつの目玉機能である内蔵カメラ。前方のカメラで撮影できる動画は720pのHD画質(30フレーム/秒)。GoProなどのアクションカメラに比べれば品質は劣りますが、ボディサイズを考えれば相応なスペックです。
内蔵ストレージは8GBで、約1時間分の動画保存が可能(microSDスロットは非搭載)。

▼4つの撮影モード

①自動 特定の条件を満たすと自動的に記録し始めるモード
②手動 録画ボタンを押して手動で記録するモード
③常時 走行中は常に動画を記録し続けるドライブレコーダーモード
④タイムラプス 一定間隔で静止画を撮影するモード

基本はバッテリーの持ちを考慮して「②手動モード」にしておいて、必要なときだけ撮影する使い方。
手動でも録画ボタン1クリックで撮影できるため、車に煽られたときなど瞬時に録画が可能。記録できる媒体が手元にあるのは安心感があります(ただし事故を判断して自動で動画を保存するような機能はない)。

こういったことから、YouTubeアップロード目的などで綺麗な動画を長時間連続撮影するといった用途には向いていません。
そのため動画はあくまで付随機能という捉え方が最適だと感じています。

動画編集

Xplova X5内蔵カメラ映像

120°の広い視野角で撮影される

撮影した動画は、専用アプリ「Xplova VideoAppStore | GooglePlay)」にWiFi経由で転送して編集できます。
アプリ内でできる編集は、トリミング、動画の結合、スピードメーターやパワーの表示といった簡易的なもの。
本格的なものではありませんが、さくっと当日の動画をまとめられるので、仲間に撮ったものを共有したい場合にはスピーディに編集できます。

 

4. 意外と持つバッテリー容量

Xplova X5 Evoバッテリー

バッテリー持続時間はカタログ値で12時間。競合のGPSサイコンが15〜20時間のバッテリーを備えていることを考えると少し心許なく感じますが、実際の使用では(特に省エネを意識しない使い方で)140〜150kmあたりまで記録できます。
バックライトをOFFにしたり、地図を使わないようにサイコンとして最低限の機能だけで使おうとすれば、もう少し持続する印象。

ただし動画を撮影すると、目に見えるほど軽やかにバッテリーが減っていきます。
フル充電から録画状態を続けても90分程度で0%になってしまうため、ドライブレコーダーとして使用するには通勤程度の時間が限界であることは留意が必要です。

 

5. 走行記録&ルートの管理

Xplova Connect

Xplova Connectアプリ(右)

X5にもGarmin Connectのような管理アプリ「Xplova ConnectAppStore | GooglePlay)」が存在します。
走行データをアップロードして記録を振り返ったり、トレーニングメニューをダウンロードできる機能が備わっていますが、基本的には走行データをStravaに送信するためのハブとして利用することがメイン。
そのほかに、必要に応じてルート作成やルートのインポートを行います。

ルートの作成方法

アプリを使う

Connectアプリでルート作成

経由地をタップしながらルートを引いていく

アプリ内でルートを作成してX5に転送することが可能。目的地や経由地をタップすると、自動的にそこまでのルートが生成されます。自転車に最適なルートを引いてくれるわけではなく、あくまで地図上の最短ルートが結ばれるので、複雑な道の場合は細かくタップしていく必要があります。

xplovaルートエディタを使う

Xplova ルートエディタ

ルートエディタ画面。左上の矢印アイコンからGPXインポートも可能

PCでルートを引く場合は、Xplovaルートエディタを使います。こちらの方が利用頻度は高め。
ルートエディタ上でルートを引くこともできるし、StravaやRide with GPSなどで作成したGPXデータのインポートも可能。
ルートエディタでルートを保存すると、同じアカウントでログインしているXplova Connectアプリの「すべてのルート」にも自動的に同期されます。

 

6. 3年使用した最終ジャッジ

これらX5の機能・特徴について、3年以上使用した上での最終的な評価をまとめます。

X5 Evoの強み

スクリーンこそX5の強み

液晶の大きさ&操作性:3.0インチ大型液晶はタッチ操作に最適(ライバルのEdge830は2.6インチ)。また走行中に一瞬視野を下に落とすだけですぐに数値を把握できます。
前述の通りAndroidベースのため、スマホライクな操作感がとても良い。ちょっとだけ挙動に引っかかりはありますが、スマホのように激しいスワイプ動作をすることはないので問題ありません。

マップの使い勝手:大きめな液晶と操作性のおかげで、マップ操作がストレスフリー。
そして意外と役立つのが、「チャレンジモード」という過去に走ったことのあるルートをトレースできる機能。誰かに付いて走ると、どこで曲がったのかわからなくなることがよくありますが、後日同じルートを走りたいときにこのモードを使うことで道に迷わなくなります。本来は過去の記録を破るためのトレーニング機能ですが、単純にルートを見るためだけに使えるのが良い。
端末側で過去の履歴から呼び出すだけなので設定も簡単。

補助機能としてのビデオカメラ:カメラを内蔵する唯一のGPSサイコンX5。バッテリーの問題があるため、ドライブレコーダーとして利用はありませんが、個人的な利用シーンは、メモ代わりに景色を収めるとき。一時的に録画する程度の使用であれば、バッテリー消費も抑えて使えます。

安定した計測精度:購入当初は獲得標高が安定せず、Garmin Edgeの倍くらいになっていましたが、その後のソフトウェアアップデートにより改善。パワーもスピードも獲得標高も斜度も、一緒に走るGarminデバイスを使う仲間と近しい数値が出ています。

今後に期待したい点

Bluetooth連携の搭載:スマートフォンとはWiFiでペアリングするため、WiFi環境のない外出先でのデータアップロードができません。そのため、いつも自宅に帰ってからまったり走行データをXplova Connectにアップロードしています。
Bluetoothでどこでもデータ移行できるよう今後のアップデートを望みます。

バッテリーの大容量化:カタログ値12時間のバッテリーは通常のライドであれば充分ではあるものの、140kmを超えるライドや動画撮影を併用したいときには不足する容量。次期モデルでは改善を期待したい点です。

変わらない使いやすさ

X5発売当初は、購入者が“人柱”と言われるような先進的なプロダクトでしたが、ずっと使ってきた感想は「人柱になってよかった」ということ。

現時点で同価格帯の競合モデルにはGarmin「Edge830」やWahoo「ELEMNT ROAM」があります。正直な話、どのGPSサイコンを選んだとしても見る項目は限られているので(パワー・勾配・走行距離・マップなど)、モデル選定はソフトウェアの使い勝手、バッテリー容量などが決め手となります。

その中でX5の優位性は、圧倒的に操作性と画面の見やすさ。ライド中に欲しい項目が瞬時に出せるサクサク操作、本体だけでほとんどの設定が完結すること、はっきり表示される数字など、3年経った今も変わらない使いやすさに魅了されています。

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